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ニュースリリースのリリースコンテナ第二倉庫

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2024'05.11.Sat
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2013'01.11.Fri
田中電子工業、高性能の銅製ボンディングワイヤと
銀製ボンディングワイヤのサンプル提供開始、今春に量産へ

~ 車載材料やLEDなどの用途で金製ボンディングワイヤから代替可能 ~


 TANAKAホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岡本英彌)は、ボンディングワイヤ(配線材、以下:ワイヤ)製造で世界トップシェアを誇る、田中貴金属グループの田中電子工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:田中浩一朗)が、従来の1.5倍以上の信頼性を持つ銅製ワイヤ「CA-1」と、導電性を従来品より約60%向上させた銀製ワイヤ「SEB」の2製品について、1月11日よりサンプル提供を開始することを発表します。

 「CA-1」と「SEB」は、パソコンやスマートフォンなどの汎用機器に加え、車載電子機器など高性能を求められる機器の半導体配線において、現在主流で使われている金製ワイヤの代替品として、低コストで要求性能を充分に満たすことができます。

 ※製品画像は添付の関連資料を参照


■ベア銅製ボンディングワイヤ「CA-1」
~従来の1.5倍以上の信頼性を持ち、生産性や接合性、コスト、導電性の全てが優れた銅製ワイヤ~

 「CA-1」は、ベア銅製ワイヤの弱点であった信頼性を、従来の1.5倍以上にまで高めたベア銅製ワイヤです。175℃の高温下における故障率(抵抗値が20%上昇する割合)を試験した結果、従来のベア銅製ワイヤは800時間で故障率が0%から上昇し始めますが、「CA-1」は1,200時間でも故障率が0%のままであり、従来の1.5倍以上となる高い信頼性が確認できました(※1)。

 田中電子工業では、銅製ワイヤについてベアタイプと貴金属コーティングタイプの大きく2タイプを製造しています。ベアタイプは酸化しやすいため信頼性が低く、ステッチ接合(基板へのワイヤ接合)条件のプロセスウィンドウ(許容範囲)が狭いため生産性が低いという課題がある一方、貴金属コーティングタイプはボール(ワイヤの先端を球状に溶かしたもの)が硬いためアルミ電極を傷つけやすく(接合性が低い)、銅製ワイヤの中ではコストが高いという課題があります。こうした課題を解決するため、新開発した「CA-1」は、99.99%の銅と微量の金属を最適な条件で合金化することで、下記のような特長を実現しました。

 ・信頼性:従来のベアタイプと比べて1.5倍以上、貴金属コーティングタイプと同等レベルを実現
 ・生産性:ステッチ接合のプロセスウィンドウが従来のベアタイプより約1.5倍広く、生産性が高い
 ・接合性:ボールの柔らかさを最適化したため、IC(集積回路)チップ上のアルミ電極を傷つけない
 ・コスト:貴金属コーティングタイプと比べて、約20%のコストダウンが可能(※2)

 金相場が高水準で推移している現在、金製ワイヤからの代替が進んでいる銅製ワイヤは、主に信頼性の観点から、パソコンやスマートフォンなど汎用機器のICやLSI(大規模集積回路)の配線材として本格的に使用され始めています。「CA-1」は、こうした用途に加え、車載電子機器や産業用機器といった高い信頼性が求められる用途において、現在主流の金製ワイヤから置き換えることで、要求性能を充分に満たしながら、製造コストを大幅に下げることができます。


■銀製ボンディングワイヤ「SEB」
 ~導電性が約60%向上、金製と比べてほぼ同等の性能で約80%のコストダウンが可能~

 「SEB」は、従来品である銀製ワイヤ「SEA」に比べて、導電性を約60%向上させた銀製ワイヤです。
 「SEA」は、金製ワイヤに比べて約80%(※3)の貴金属地金コストダウンが可能で、接合性や生産性が金製ワイヤ並みに優れているなどという利点があった一方、導電性が金製ワイヤより低い(電気抵抗値が高い)という弱点がありました。こうした弱点を克服するため、電気抵抗値を高める原因であった合金組成をさらに改良した結果、「SEA」の電気抵抗値が約5.2マイクロオームセンチメートル(μΩ・cm)であるのに対して、「SEB」は約3.3μΩ・cmであり、世界で初めて金製ワイヤの電気抵抗値(※4)と同等レベルにまで改善しました。「SEB」の特長は下記の通りです。

 ・導電性:従来品より約60%向上し、金製ワイヤとほぼ同等レベルにまで改善(「SEA」からの改良点)
 ・コスト:金製ワイヤに比べて、約80%の貴金属地金コストダウンが可能
 ・接合性:金製ワイヤ並みにボールが柔らかいため、アルミ電極を傷つけない
 ・生産性:金製ワイヤとほぼ同じ使用条件で充分な接着が可能
 ・安価で安全な窒素ガスのみで使用でき、金製ワイヤからの切り替えが容易

 LED(発光ダイオード)やIC、LSIに使われる配線材は、導電性など全ての面で性能の高い金製ワイヤが主流で使われています。「SEA」は主にLEDの配線材として使用できましたが、「SEB」は導電性が向上したことで、金製ワイヤとほぼ同等レベルの性能を低コストで発揮できるため、あらゆる電子機器のICやLSIの配線材としても使用できます。

 ボンディングワイヤ業界では、現在、化学的特性に優れた金が主流で使われていますが、金よりも安価な銅や銀によるワイヤ実装が可能な分野では、金からの代替が加速しています。田中電子工業は、金製ワイヤからの代替が可能な「CA-1」と「SEB」のサンプル提供を通じて、顧客のニーズに合わせた代替材料の開発強化を図り、2013年春には量産化することを目指します。

 なお、来る1月16日(水)から18日(金)の3日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)で行われるアジア最大のエレクトロニクス製造・実装技術展「第42回インターネプコンジャパン」に「CA-1」と「SEB」を出展します。展示ブース(東24-26)では、常駐する技術担当者に取材も可能です。


 (※1)当社測定法による値です。
 (※2)1,000キロメートルの数量を受注した場合
 (※3)ワイヤ線径を25マイクロ(1マイクロは100万分の1)メートルとした場合
 (※4)99%の金を含有する金製ワイヤの電気抵抗値は、約3.1μΩ・cm


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