日本TI、自動車向けClass-Dアンプ2品の量産出荷を開始
日本TI、省エネルギー特性に優れた自動車向けClass-Dアンプ『TAS5414/5424』の量産出荷を開始
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は本日、同社の優れた電力効率の自動車向けClass-Dアンプ 2品種がAEC(Automotive Electronics Council、米国大手自動車とサプライヤが設立した自動車向け電子部品の評議会)が定める『AEC-Q100グレード2』標準の認証を取得、このほど量産出荷を開始したと発表しました。
この認証を取得したのは『TAS5414』および『TAS5424』のClass-Dアンプであり、追加の部品レベルの認証試験なしに、厳しい車載環境での使用に必要とされる厳格な信頼性および独特の要求条件を満たしました。これらのClass-Dアンプは、ヘッド・アンプおよび外部アンプをはじめとする車載オーディオ・アプリケーション向けに、電力損失が少なく省エネルギー特性に優れたデジタル・アンプ機能を提供します。
本件の詳細に関しては http://www.ti.com/caraudio1 (日本語)から参照できます。
『TAS5414』および『TAS5424』は4チャネル内蔵のデジタル・オーディオ向けClass-Dアンプであり、通常のラジオ聴取レベルの車載オーディオ・システムにおいて90%と高い電力効率を提供します。この優れた電力効率により、2個の『TAS54x4』アンプで構成される8チャネル・オーディオ・システムは、4チャネル構成のClass A/B動作のシステムと比較して動作時の放熱量が少なくなり、既存のシステムよりも高いコスト効率で、軽量、小型、高効率、かつ省エネルギーの8チャネル・オーディオ・システムを実現できます。
車載向けの高い品質要件を満足することを主眼に設計された『TAS5414』および『TAS5424』はAEC-Q100標準の認証を取得するため広範囲の試験を実施しました。より高レベルの静電気放電耐性試験を実施するとともに、データシートに規定するパラメータの電気特性はCpk分析(*注)によって特性を注意深く測定しています。『TAS5414』および『TAS5424』はAEC-Q100標準の認証取得のほか、TS-16949認証を取得済の製造施設で設計・生産されています。さらに初期故障を無くし信頼性を高めるため、生産時におけるオプションのバーンインも可能です。
*注 Cpk: プロセスの平均と規格の平均との間の誤差を組み合わせた、製品製造のための統計指標
車載用オーディオのメーカ各社は必要なシステム性能とコスト要件によってシングルエンド入力の『TAS5414』と差動入力の『TAS5424』を選択でき、困難な問題を伴う基板上の信号配線環境において最適なダイナミック・レンジ性能を実現できます。『TAS54x4』に搭載のデジタルPWM(パルス幅変調)テクノロジーは、従来のリニア・アンプ・ソリューションと比較して劇的な効率の向上を提供します。この高効率によって代表的な音楽再生条件におけるアンプの消費電力は約十分の一まで低減されます。この高効率の実現のためには複雑な電源回路方式の必要もありません。
TIのオーディオ・アンド・イメージング・プロダクツ、総責任者のギャリー・ライヒムス(Gary Reichmuth)は次のように述べています。「数多くの大手車載オーディオ・メーカがTIのClass-Dアンプの採用を予定していることに喜びをおぼえます。『TAS5414』および『TAS5424』によって、お客様はヘッド・ユニット内へのパワー・アンプの格納、コスト低減、より高性能なオーディオ・システムの提供が実現できます」
■ 『TAS5414』および『TAS5424』の特性表
* 関連資料 参照
■ 供給と価格について
今回、量産出荷となる『TAS5414ATDKDQ1』および『TAS5424ATDKDQ1』は、日本TIおよび販売特約店から供給されます。パッケージは36ピンおよび44ピンPSOP3です。1,000個受注時の単価(参考価格)は9.75ドルより設定されています。
TIでは自動車市場に取り組み、OEM各社およびシステム供給各社に、より高い品質と信頼性、革新的で高いコスト効率のソリューションをはじめとする幅広いデジタルおよびアナログ・ポートフォリオを供給しています。TIの製品はパワー・トレイン、ブレーキ、オーディオ、テレマティクス、インフォテインメントまで、幅広いシステムによって自動車内のエレクトロニクスに対応します。TIはISO/TS-16949:2002認証を世界36カ所の製造施設で取得済みです。TIの車載向け製品の詳細に関しては http://www.ti.com/automotive (英文)から参照できます。
ハイパフォーマンス・アナログ製品に関する情報は、インターネットでも発信しています。( http://www.tij.co.jp/analog )
※ すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します
■ テキサス・インスツルメンツおよび日本テキサス・インスツルメンツについて
テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、社長兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称:TI)は、グローバルな半導体企業であり、デジタル家電、ワイヤレス市場などに向けたDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)とアナログICを中核とするトータル・ソリューションを提供しています。そのほか、教育関連テクノロジーを展開、世界25ヶ国以上に製造・販売拠点を持っています。
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は、テキサス・インスツルメンツの子会社で日本市場における大手の外資系半導体サプライヤです。資本金は217億5,000万円です。大分県日出、茨城県美浦に生産工場があり、茨城県つくばと神奈川県厚木にテクノロジー・センターがあります。TIに関する情報はインターネットでも発信しています。
<読者向けお問い合わせ先>
日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
プロダクト・インフォメーション・センター(PIC)
URL: http://www.tij.co.jp/pic/
以上