沖電気、ザイキューブと貫通電極付きウェハレベルCSPのイメージセンサ開発・生産で協業
ザイキューブとOKI、貫通電極付ウェハレベルCSPのイメージセンサ商品化で協業合意
~イメージセンサで世界最小・最薄の高密度化を実現~
株式会社ザイキューブ(代表取締役社長:盆子原學、以下ザイキューブ)と沖電気工業株式会社(代表取締役社長:篠塚勝正、以下OKI)は、貫通電極付LSIでチップサイズと全く同一のウェハレベルCSP(Chip Size Package)を実現したイメージセンサ「ZyCSP(TM)」製品の開発・生産において協業することで合意しました。従来のC-MOS・CCDセンサー用パッケージに比べ、格段に薄型・小型・軽量・高信頼性を実現します。
「ZyCSP(TM)」は、ザイキューブが独自に開発した製造技術である、ビアラスト方式(*)の貫通電極技術を用いたイメージセンサ用CSPです。センサLSIウェハに貫通穴を設け、配線技術を駆使して三次元化することで、従来のワイヤーボンディングを用いたパッケージ技術に比べ、世界初となる0.6mm以下の薄型高密度実装が可能になります。
一方OKIは従来よりチップサイズと同一のパッケージを実現する「ウェハレベルCSP」技術を持っています。ウェハレベルCSP加工技術や半導体プロセス技術をコアとして各種受動素子・能動素子の小型化・薄型化を促進するとともに、貫通電極付LSI製造技術のファンダリビジネスを自社の製品への応用も可能となります。
今回、ザイキューブが有する「ZyCSP(TM)技術」とOKIが有する「ウェハレベルCSP技術」を相互に提供し、貫通電極付C-MOS・CCDセンサー用パッケージ開発・生産の協業を行います。OKIは八王子事業所敷地内に8インチ及び12インチ兼用のZyCSP(TM)開発・生産ラインを構築します。8インチから立ち上げ、順次12インチ装置を導入し、兼用ラインの構築を図る計画です。ビジネス規模の拡大に応じ、生産ラインを拡張してまいります。
近年のカメラ付き携帯電話やデジタルカメラに代表される情報機器は、小型・高密度・高機能化が著しく進展しています。ザイキューブは、当面はこれら情報機器向けのイメージセンサを軸に、その後デジタル信号処理機能なども搭載した三次元複合型へとZyCSP(TM)製品の市場展開を図ります。ZyCSP(TM)技術により、携帯電話用をはじめとするC-MOS・CCDセンサー市場で世界シェア占有率15%を目指し、積極的に世界標準パッケージ化を図っていきます。
一方、OKIでは現在の6インチ、8インチのウェハレベルCSP組立ファンダリビジネスに加え、今回の協業により12インチまで拡大し、小型・高機能パッケージングソリューションを積極的に提供してまいります。
今回の協業により、今後も成長する携帯電話などの情報機器市場に向けて、両社はZyCSP(TM)製品の事業化を進めてまいります。また両社は様々な新しいアプリケーションの創生を目標に「パーソナル&モーバイル」にこだわり、携帯機器の小型化・高機能化・低消費電力化に寄与する商品を開発していきます。
(*)ビアラスト方式:完成したLSIウェハの裏面からスルーホールを開けて貫通電極を形成する方式で、レイアウト修正無く既存のLSIウェハをそのまま使える利点がある。
<ビアラスト方式での貫通電極付ウェハレベルCSP図及び貫通電極写真>
※添付資料を参照
・沖電気工業株式会社は、グローバルに認知される成長企業を目指し、自社の通称を「OKI」に統一いたします。
・ZyCSPは株式会社ザイキューブの商標です。
・記載されている会社名、製品名は一般に各社の商標または登録商標です。
【株式会社ザイキューブについて】
ザイキューブは、超先端電子技術研究組合(ASET)で3次元LSIを研究開発してきた盆子原學と、3次元LSI積層技術研究の第一人者である東北大学大学院工学研究科の小柳光正教授が中心となって設立された、産官学連携のベンチャー企業です。