アンジェスMG、米社とムコ多糖症VI型治療薬「Naglazyme」の開発・販売契約を締結
米国BioMarin Pharmaceutical Inc.とのムコ多糖症VI型治療薬“Naglazyme(TM)”に関する開発・販売契約締結について
当社は、この度、BioMarin Pharmaceutical Inc.(以下、BioMarin社)との間で、ムコ多糖症VI型治療薬“Naglazyme(TM)”(一般名:galsulfase)の国内における開発及び販売に関する契約を締結しましたのでお知らせいたします。
Naglazyme(TM)は、ムコ多糖症VI型患者で欠損している酵素アリルサルファターゼBを、BioMarin社にて遺伝子組換え技術により製造し、開発された医薬品です。米国では食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)より2005年5月に、EU諸国では欧州医薬品審査庁(EMEA:European Medicines Agency)より2006年1月に販売承認を受けております。Naglazyme(TM)は欠損している酵素を外部から補う、いわゆる酵素補充療法剤として位置付けられており、これまでの臨床試験及び使用経験からムコ多糖症VI型に対する有効性が確認されています。
ムコ多糖症VI型は、マロトー・ラミー症候群(Maroteaux-Lamy Syndrome)とも呼ばれる常染色体劣性遺伝型の先天性代謝異常疾患で、現在、国内で確認されている患者数は数名という極めて希な疾患です。アリルサルファターゼBの欠損によりデルマタン硫酸やコンドロイチン硫酸が分解できずに体内に蓄積するため、生後1年程度から関節の運動制限や骨変形が認められ、肝腫大・脾腫大、角膜混濁、聴力障害、心弁膜障害等の種々の症状を呈する進行性の疾患です。従来の治療法としては骨髄移植術がありますが、ドナー確保の問題や移植に伴うリスクのため、より安全で有効な治療法が求められていました。
Naglazyme(TM)は、患者団体や学会から国内での使用の要望が高く、厚生労働省の「未承認薬使用問題検討会議」においても検討された医薬品であることから、重篤な遺伝子疾患患者に治療法を提供し、社会に貢献することができるものであり、当社は、早期の承認取得・上市に向けて尽力して参ります。
なお、当社は、BioMarin社に対して、契約一時金及びマイルストーンを支払う予定ですが、前期業績予想には本契約締結の影響を織り込んでおり、前期業績予想に変更はありません。
<ご参考>
1.ムコ多糖症VI型(MPS(mucopolysaccharidosis) VI)
ムコ多糖症VI型(マロトー・ラミー症候群)はN-acetylgalactosamine 4-sulfataseという酵素の欠如により起こる消耗性の遺伝性疾患です。この酵素が欠損しているため、ライソゾームに複合糖質や複合グリコサミノグリカン(GAGs)が蓄積し、細胞、組織、臓器系統に進行性の機能不全を引き起こします。
2.Naglazyme(TM)
Naglazyme(TM)はムコ多糖症VI型に対して初めて適応承認を受けた酵素補充療法剤で、欧米での試験では歩行能力などの改善が示されてきました。Naglazyme(TM)は米国と欧州(EU)では希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)として認められ、長期(7~10 年)の市場独占権を与えられています。
-会社概要-
社 名 :BioMarin Pharmaceutical Inc
所在地 :105 Digital Drive, Novato, CA 94949, U.S.A.
代表者 :CEO Jean-Jacques Bienaime
設 立 :1997年
従業員数:約400名
事業内容:医薬品の研究開発、製造販売
[主な製品]Aldurazyme(ムコ多糖症I型治療薬)
Naglazyme(ムコ多糖症VI型治療薬)
以上