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ニュースリリースのリリースコンテナ第二倉庫

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2025'02.03.Mon
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2007'08.16.Thu

松下など、バイオテクノロジーを利用した短時間シリコン薄膜作製技術を開発

世界初*、バイオの力で高品質シリコン薄膜をわずか数秒で作製することに成功

~ユビキタスコンピューティングの実現に道。LSIレベルに近いトランジスタが柔軟な基板上に~


*)2007年3月20日現在、当大学および当社調べ

【 要 旨 】
 奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学研究科の冬木 隆 教授、浦岡行治 助教授らの研究グループと松下電器産業株式会社(本社:大阪府門真市、代表取締役社長:大坪文雄)は共同で、タンパクを吸着させたシリコンに対し、5-6秒程度加熱処理することによりシリコン薄膜を得る、世界初のバイオテクノロジーを利用した短時間シリコン薄膜作製技術を開発しました。

【 効 果 】
 本技術は、薄膜トランジスタと呼ばれる高性能なスイッチの機能を持つ装置を実現するために、重要なものです。これまでのシリコン薄膜作製技術では高温の熱処理のみにより作製していましたが、均一性などの問題があり作製までに20時間もかかっていました。しかし、今回の成果では、バイオの技術を使い、ニッケルをタンパク質に包んでシリコン半導体上に吸着させ、ニッケルの触媒効果によりシリコンの結晶をつくったうえ、5-6秒程度の短時間の加熱で均一に薄膜化し、高品質のスイッチができるようになりました。さらにプラスチックなどフレキシブルなフィルムを用いることにより、安価な薄膜トランジスタが作製できるようになり、画面とコンピュータが一体化したシート状のコンピュータやメガネなどの代わりに身につけたコンピュータ(ウェアラブルコンピュータ)など幅広い応用が期待することができ、高度なユビキタス社会実現に貢献します。


【 特 長 】

1.熱処理時間を20時間から、約12000分の1の数秒に短縮。

2.基板上でのタンパクの吸着位置を制御する技術により、トランジスタの性能に悪影響を与える結晶粒界(結晶の境界)の位置が制御可能。これにより、動作周波数が高い、高性能トランジスタの実現を加速。

3.薄膜の品質が高いので演算機能などを搭載したシートコンピュータが作製可能。

4.触媒に使用したタンパク質(フェリチン)内部のニッケルは、タンパク質一分子あたりナノメートルサイズであるため、金属不純物が従来技術より一桁少なく、その結果、リークするオフ電流が少ないので、省エネルギー化を実現。

5.LSIプロセスと違って比較的低温でできるので、ガラスやフレキシブルな基板の上に作製可能。


 以上の成果により、ユビキタスコンピューティングの実現に道を開き、LSIレベルに近い性能をもつトランジスタをガラス基板上に実現できる可能性が高まりました。今後、奈良先端大は、松下電器において合成されるニッケル内包タンパクを吸着させたシリコン薄膜の結晶化を行い、その動作を確認した上で、高性能薄膜トランジスタ回路の作製を行う予定です。


【 備 考 】
 本研究成果は、2007年3月27日の第54回応用物理学関係連合講演会で発表予定です。
 また、この研究は文部科学省リーディングプロジェクトとして実施しました。


*以下、詳細は添付資料をご参照ください。

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