千代田化工、超深度脱硫触媒の製造技術を仏アクセンス社にライセンス供与
千代田化工、超深度脱硫触媒の製造技術を仏アクセンス社にライセンス供与
~世界初のチタニア担体の触媒、海外の軽油サルファーフリー市場向け~
千代田化工建設株式会社(本社:横浜市 社長:久保田隆)は、このたび、チタニア(チタン酸化物)担体の超深度脱硫※触媒技術を、フランス国立石油研究所(IFP)の子会社であるアクセンス社(本社:フランス、パリ CEO: ジャン・センテナック氏)にライセンス供与する契約を締結しました。千代田化工建設が開発したチタニア触媒技術をもとに、アクセンス社が製造し両社で販売を行います。
当社は1999年度より、新エネルギ-・産業技術総合開発機構(NEDO)・石油産業活性化センター(PEC)のプロジェクト研究に参加し、チタニア触媒の実用化を進めてまいりました。チタニア触媒は、軽油の脱硫触媒として現在普及しているアルミナ担体の触媒よりも単位表面積あたりの活性が高いことは知られていましたが、その表面積を大きくすることに技術的課題がありました。当社は、独自の触媒調製法の開発によりこれらの課題を克服いたしました。
アクセンス社は、石油精製・石油化学分野におけるIFPのプロセス技術のライセンス供与を行うとともに、触媒の製造・販売業務を欧米をはじめ全世界で行っています。ガソリン、ディーゼルなど石油製品の脱硫分野のリーディングライセンサーであり、また多くの触媒製造の実績を持っており、欧米の顧客を中心に国際的に高い評価を受けています。同社は、現在チタニア触媒の2008年第一四半期の商業生産開始に向けて、生産の準備に入っています。
今回当社とアクセンス社が共同で工業化に成功したチタニア触媒は、きわめて脱窒素選択性※※が高いという特徴を備えており、同じ脱窒素率で比較した場合アルミナ触媒に比べ水素消費量が低いという優位性も有しています。また、その活性の高さからアルミナ触媒よりも10-20℃低い反応温度で脱硫可能になるため、触媒の長期使用が期待でき、サルファーフリー軽油の製造に適しています。
軽油中に含まれる硫黄分を10ppm以下にするサルファーフリー規制は、日本では2007年から開始されていますが、欧州では同種の規制が2009年から開始される予定です。これらの環境規制は世界的に強化される方向にあり、千代田とアクセンス社は、欧州での規制が開始されるまでにチタニア触媒の量産・販売体制を整えることによって、欧州ならびに世界のマーケットにおいて脱硫触媒の供給体制の確立を目指します。
※超深度脱硫・・・軽油の硫黄濃度を10-15ppm以下にまで低減する脱硫のこと。
※※脱窒素選択性・・・脱硫率に対する脱窒素率の関係
以 上