日立、加森観光に「日立 AirLocation II」を利用したヒグマの位置管理システムを納入
加森観光株式会社が日立の無線LAN位置検知システム
「日立 AirLocation II」をヒグマの位置管理システムとして活用
株式会社日立製作所ワイヤレスインフォベンチャーカンパニー(カンパニー長&CEO:木下泰三/以下、日立)と株式会社北海道日立ソリューションズ(代表取締役:松島進/以下、北海道日立ソリューションズ)は、加森観光株式会社(代表取締役社長:加森公人/以下、加森観光)に日立の無線LAN位置検知システム「日立 AirLocation II」を利用した、ヒグマの位置管理システムを納入しました。本システムは、無線LANタグをヒグマに装着してネットワーク上でヒグマの位置情報を管理するもので、自然環境に近い状態でヒグマを飼育しつつ、ヒグマと人間の双方にとって安全・安心な環境を保つことが可能になります。
加森観光が運営するリゾート施設「サホロリゾート」(北海道上川郡新得町)では、ヒグマの生態を観察することができる施設「ベア・マウンテン」を開園しています。ベア・マウンテンでは15ヘクタールの広大な敷地に、ヒグマが野生に近いできるだけ自然な環境の中で飼育されており、ヒグマの冬ごもりを成功させた実績があります。一方、ベア・マウンテンでは、安全性確保の観点から信頼性の高いヒグマの管理システムが必要でした。
こうした中で今回、日立と北海道日立ソリューションズはヒグマの位置管理を目的として、加森観光に日立の無線LAN位置検知システム「日立 AirLocation II」を利用したヒグマの位置管理システムを提案し、納入しました。
本システムでは、防水加工した無線LANタグ「AirLocation II Tag」をヒグマの首に装着します。そのタグから定期的に発信する電波を敷地内に設置したAirLocation II 基地局およびレシーバで受信し、サーバ上でタグの位置計算を行ないます。計算した位置情報は、サーバに蓄積されると同時に閲覧ソフトに送信され、画面に表示された地図上で位置情報を閲覧することができます。また、通常の飼育エリア外でヒグマの位置情報が検出された場合には、警告を表示すると同時に管理者にメール送信を行い、注意を促します。
なお、「日立 AirLocation II」は、タグが発信した電波を複数の基地局とレシーバで受信して相互の受信データをもとに位置を計算するTDOA(*1)方式を利用していることにより、GPSよりも障害物に強く、誤差精度が数メートルの高精度な位置検知が可能です。また、「AirLocation II Tag」は重さ40gと軽量で、電池も長寿命設計になっており、ヒグマへの身体的負担が軽くなっています。
本システムを用いることにより、自然環境に近い状態でヒグマを飼育しつつ、安全・安心な環境を保つことが可能になります。
今後、日立と北海道日立ソリューションズおよび加森観光の3社は、ヒグマの位置情報のお客様や現場作業者への情報配信や、サーバ上に蓄積されたデータを活用したヒグマの生態や行動履歴などの学術的な利用を行ってまいります。
*1 TDOA=Time Difference of Arrival(到来時間差)
◆システム構成図
(※ 関連資料を参照してください。)
◆タグ取り付け写真
(※ 関連資料を参照してください。)
以上