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ニュースリリースのリリースコンテナ第二倉庫

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2025'02.09.Sun
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2007'07.10.Tue

東北大学、金属インジウムを非加熱で簡便に回収する方法を開発

「粉砕で廃ITOからインジウム金属を回収」
~メカノケミカル固相還元反応と水洗処理で一気にメタルへ~


(説明)
 東北大学多元物質科学研究所(所長、齋藤文良教授)、加納純也講師と齋藤文良教授らの研究グループは、廃インジウムスズ酸化物(ITO)から非加熱で還元して金属インジウムを直接回収する方法を開発しました。インジウムは液晶テレビや携帯電話のフラットパネルディスプレイなどの透明導電膜として使用されており、近年、その需要がますます高くなり、その価格も高騰しています。また、インジウムは希少金属であり、その枯渇が深刻化しています。そこで、加納・齋藤らのグループは、粉砕操作を利用するメカノケミカル反応により、金属インジウムを非加熱で簡便に回収する方法を開発しましたのでお知らせいたします。

(概要説明)
1. 酸化インジウムと窒化リチウムをアンモニア雰囲気でボールミル粉砕処理す ることにより,金属インジウムへ還元することに成功した.
2. 1で得られた粉末から副生成物を取り除くために蒸留水を入れ,再びボールミル粉砕処理をした結果,高純度のインジウムのペレットが得られる.(図1)
3. 金属の回収方法という発明で特許出願済みである.
4. 本詳細は,本年9月に開催される化学工学会第39回秋季大会(北海道大学)にて発表予定.

* 関連資料「図1(ITOから本法を利用して回収したインジウム金属塊)」 参照


<用語説明>

◆インジウムスズ酸化物(ITO)
 一般に電子機器の回路や電極には、金属が用いられる。金属は非常に多くの自由電子を持ち、高い電気伝導性を示す。一方、金や銀、銅など金属はいずれも可視光を通さない。金属が光沢を持っていることからも知れるように、むしろ金属は光を反射してしまう。可視光は金属を通り抜けられず、人の目で見る限りでは、金属は透明ではない。金属は高い導電性を持っているが、電子ディスプレイの電極や回路としては利用できないのである。液晶(LCD)やプラズマ(PDP)、有機ELなどを電子ディスプレイとして使うには、透明な電極や回路が必要である。画面上の電極や回路が画像のじゃまになったり、着色しては困るからである。これを解決するために、可視光に透明でかつ電気を通す材料が開発されてきた。現在、もっとも広く用いられている透明電極、すなわち透明導電膜材料は、インジウムスズ酸化物(ITO)である。

◆透明導電膜
 透明導電膜は、可視光透過率が高く透明で、また導電性の高い薄膜である。今日では、ITO(Indium Tin Oxide)膜が用いられている。ITOは金属、絶縁体と比較すると、自由電子の数が適度であるため、電導度がある程度高く、しかも可視光を透過させるという機能がある(表1)。ITOは、In2O3(酸化インジウム)にSnO2(酸化スズ)をおよそ10wt%混ぜた半導体セラミックスであり、2つの物質は固体のまま溶け合っている。ITOは、電気をよく通し、丈夫で加工(エッチング)がしやすく、透明度が高い材料である。

◆窒化リチウム
 リチウムの窒化物であり、化学式はLi3Nである。

◆ボールミル粉砕
 固体をボールを使用して砕き、粉末を作製する方法である。通常はただ単に粉末を製造する装置として用いられているが、本研究グループでは、これをメカノケミカル反応装置として利用している。

◆メカノケミカル反応
 ボールミルなどの粉砕機内で見られる化学反応で、ボールの衝突によって砕料(粉砕されるもの、処理されるもの)に物理化学的変化が起こり、これを利用した化学反応。

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