ローム、高光度・高放熱パッケージの白色LEDを開発しサンプル出荷を開始
高光度・高放熱パッケージの白色LED 新登場!
バックライト・照明用光源「PSML1/PSML2」をロームが開発
半導体メーカーのローム株式会社(本社:京都市)は、高光度・高放熱パッケージの白色LED「PSML1/PSML2」を開発しました。「PSML1/PSML2」は2007年7月よりサンプル出荷(サンプル価格 250円/個)を開始し、2007年11月より月産1000万個体制で量産開始する予定です。
生産は、ローム・ワコー株式会社(岡山県)、ROHM SEMICONDUCTOR (CHINA) CO.,LTD.(中国・天津)、ROHM-WAKO ELECTTRONICS (MALAYSIA) SDN.BHD.(マレーシア・ケランタン)で行う予定です。
携帯電話など小型モバイル機器では、液晶表示部のバックライト用光源にLEDがほぼ100%使用されています。それに対しカーナビゲーションやポータブルDVDは小型モバイル機器と比較して、より高い光度が必要であり、CCFL(冷陰極管)の使用が一般的です。しかし、近年ではEUを中心に水銀など有害物質撤廃の取り組みの施行により、LEDへの移行が急速に進んでいます。
カーナビゲーションなどのバックライト光源に対応可能な光度をLEDで確保するには、中電流域(50~150mA程度)で使用できるLEDが必要となります。しかし、中電流域対応のLEDは小電流品(20mA程度)に比べて発熱量も大きく素子の温度上昇が著しいことから、発光効率が落ちてしまうという問題があり、放熱性を高めることは必須の課題でした。
今回開発した「PSML1/PSML2」は中電流域では世界最高クラスの光度7cd(100mA時)を達成。また熱伝導率の高いCuフレームを採用し、パッケージの裏面にフレームを露出することにより基板への放熱経路を増やし放熱性を大幅に改善しました。その為、一般的な耐熱性を持つFR-4基板(ガラス基材エポキシ樹脂積層基板)実装時でもPSML1で70℃/W、PSML2で60℃/Wの高い放熱性を実現しています。また、構造の改善により温度依存性の問題を解消、中電流域での光度劣化・色調変化を低減し、更には長寿命化や温度の高温い環境にも対応できます。
使用用途としては、「PSML1/PSML2」の特長である高放熱性を活かして、カーナビゲーション用バックライト光源に、また照明用光源や車載向けに室内灯やインジケータ表示、アミューズメント機器など、様々な製品にご活用いただけます。
◆「PSML1/PSML2」の主な特長
1)世界最高クラス、100mAで7cdの光度を達成
2)ローム独自構造により、世界最高クラスの高放熱性を実現
θj-a値(熱抵抗値) PSML1:70 ℃/W
PSML2:60 ℃/W
(FR-4基板実装時のdata)
3)用途に応じて2種類のパッケージをラインアップ
PSML1:3.2×2.8×0.8mm
PSML2:4.0×2.0×0.6mm
ロームでは得意のLEDデバイス、パッケージ、超精密加工技術を用いた商品展開を図っています。
今後ともお客様のニーズに沿った製品開発を進めると共に、さらなる製品シリーズの拡充に努めてまいります。
1.用語の説明
θj-a(熱抵抗値):デバイスが1Wの電力を消費した時に生じる素子の接合部温度(Tj)と周囲温度(Ta)の温度差を示し、数値が低いほど放熱性が良いことを表す。
2.製品写真
(※ 関連資料を参照してください。)
(※ 製品写真、参考資料は関連資料を参照してください。)