三菱電機、メディポリス医学研究財団から陽子線がん治療研究装置の基本・実施設計を受注
九州初の粒子線がん治療施設
メディポリス医学研究財団の陽子線がん治療研究装置の基本設計と実施設計を受注
三菱電機株式会社(執行役社長:下村 節宏)は、財団法人メディポリス医学研究財団(鹿児島県指宿市、理事長:永田 良一)から、陽子線がん治療研究装置の基本設計と実施設計を受注し、本日業務委託契約を締結しました。
【 経 緯 】
当社は医療機器として、「陽子タイプ」と「炭素イオン/陽子タイプ」の2機種の粒子線治療装置を展開しています。国内で稼働中または建設予定の粒子線がん治療専用施設8施設のうち6施設は当社製で、99%という高い稼働実績があります。
当社はこのたび、メディポリス医学研究財団が「メディポリス指宿※1」内に建設を計画している、九州初の粒子線治療施設の企画提案公募に、建築設計を担当する株式会社日本設計(取締役社長:六鹿 正治)と共同で応募し、当社の陽子タイプが選定されました。
※1:メディポリス指宿:メディポリス医学研究財団が、高度先端医療センターの他、予防医学、こころのケア、創薬臨床研究の拠点として鹿児島県指宿市に整備中の施設
【 装置の概要 】
製品名:粒子線治療装置(陽子タイプ)
医療機器製造 販売承認番号:21500BZZ 00391000
仕 様:ビーム種:陽子線
エネルギー:70~250MeV
主加速器:シンクロトロン
照射室:回転ガントリー照射室 3室
対象がん:脳腫瘍および固形がん
着 工:2008年度(予定)
治療・研究開始:2011年4月(予定)
所在地:鹿児島県指宿市東方5000番地
【 当社の粒子線治療への取り組みと今後の展開 】
陽子等のイオンを用いた粒子線治療は、放射線治療の1つで、従来のX線やγ線による治療に比べ、患部に集中的に照射できるため、副作用や身体機能の損失を最小限に抑えられるという特長があります。国内では1994年6月から臨床試験が開始され、2001年7月に先進医療として認可されました。
当社は、放射線治療と加速器の両分野で約40年にわたる実績とノウハウがあり、この2つの技術を組み合わせて粒子線治療装置を開発し、2002年に「陽子線タイプ」の医療機器製造承認を取得し、2005年には世界で初めて「炭素イオン/陽子タイプ」の医療機器製造販売承認を取得しました。
現在、国内では粒子線治療の専用施設として、公的医療機関5施設で治療や臨床研究が行われています。当社はこのうち3施設に装置を納入し、現在までに約5,000人の方が治療を受けています。今回の契約により、国内で稼働中または稼働予定の粒子線治療施設9施設のうち7施設が当社製となりました。
当社は、治療装置本体や治療を支援するソフトウェアを開発して、より精密に、より多くの患者様を治療できる装置を提供するとともに、粒子線治療施設の運営に必要な人材の育成や、施設間の連携支援など運用面にも注力し、粒子線治療の普及促進に取り組んでいます。
今後は、毎年1施設以上、10年間で1,000億円の受注を目指します。
※添付資料あり。
【 お客様からのお問い合わせ先/資料請求先 】
三菱電機株式会社 電力事業部 原子力部
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