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ニュースリリースのリリースコンテナ第二倉庫

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2025'01.25.Sat
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2007'09.27.Thu

理化学研究所、かずさDNA研究所などと先天性免疫不全症の遺伝子構造解析を実施

かずさDNA研究所と理化学研究所及び
厚労省調査研究班との間で共同研究を開始

- 先天性免疫不全症の原因遺伝子同定および病態形成機序の解明に着手 -


 かずさDNA研究所(大石道夫所長)と独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)免疫・アレルギー科学総合研究センター(谷口克センター長)は、先天性免疫不全症の原因遺伝子同定および病態形成機序の解明の共同研究について研究契約を締結し、共同研究を8月から開始しました。
 この共同研究は、かずさDNA研究所が先天性免疫不全症患者等のDNAを受け入れ、遺伝子構造解析を実施し、解析結果等のデータベースの構築を理研免疫・アレルギー科学総合研究センターで実施するものです。
 この研究の成果は、基礎免疫学に貢献するだけでなく、先天性免疫不全症疾患の迅速な診断及びより適切な治療法の選択にも大きく役立つものと期待されます。

1. 背景
 厚生労働省の難治性疾患克服研究事業「原発性免疫不全症候群に関する調査研究」における調査研究班(以下、「厚労省調査研究班」、班長:宮脇利男、富山大学小児科教授)においては、従来から原発性(先天性)免疫不全症候群に関する疫学調査および、病態の解明、診断、治療に関する研究が実施されてきましたが、先天性免疫不全症の原因遺伝子は多種多様であり、個々の施設での対応が困難なところもあることから、2004年度より、理研免疫・アレルギー科学総合研究センター(以下、RCAI)との間で共同研究を実施しております。
 かずさDNA研究所では、これまで蓄積した遺伝子資源とDNA解析のノウハウの更なる有効利用を図り、医療分野への一層の貢献を期するため、2006年度からゲノム医学研究室を設置し、「免疫不全症解析プロジェクト」を推進してきたところであり、厚労省調査研究班のうち国立大学法人富山大学及び防衛医科大学校から先天性免疫不全症患者等のDNAを受け入れ、遺伝子構造解析を実施してきました。
 それぞれが個々に研究するよりも、多施設が連携することにより、より効率的な研究が可能となることから、基礎免疫学研究の専門機関であるRCAIを中心機関とし、遺伝子構造解析を得意とするかずさDNA研究所、臨床免疫学の研究グループである厚労省調査研究班(12大学)による新たな共同研究の枠組みが構築されることになりました。

2. 先天性免疫不全症の現状
 先天性免疫不全症は、先天性の遺伝的な異常で免疫機能が働かず、細菌、ウイルス、真菌などの外来病原体に感染しやすくなり、若年での悪性腫瘍や自己免疫疾患、アレルギーの合併も見られる極めて重篤な疾患です。現在120以上の原因遺伝子が明らかにされていますが、未だに原因が解明されていないものも多数あります。
 原因遺伝子が解明されたものは、造血幹細胞移植や遺伝子治療等の治療も行なわれ治癒も得られていますが、診断の遅延のため、重篤な感染症に罹患し致死的となる例も多数あります。原因遺伝子が明らかにされていないものは、診断及び十分な治療法が確立されているとは言い難い状況です。
 日本国内では、先天性免疫不全症の症例が散在しており、これらの臨床情報、原因遺伝子の構造解析結果等を集積したデータベースも存在しなかったことから、原因遺伝子の同定に至るのが困難な状況が残されているというのが現状です。

3. 共同研究の概要
 これまで、一部の先天性免疫不全症について細胞内シグナルの異常及び原因遺伝子の変異と機能異常について解析が進められてきましたが、本共同研究では、先天性免疫不全症の全遺伝子、全病型について包括的に解析し、詳細な変異検索と疾患の表現型の関連について網羅的な検討を行います。
 これに伴い、RCAIでは、同疾患に関する臨床検体(DNA、RNA、末梢血、細胞株)の集約化を図り、臨床情報、疾患原因遺伝子の構造解析結果等を集積したデータベースを整備していきます。
 かずさDNA研究所では、RCAIからDNAを受け入れ、遺伝子構造解析を実施し、データベースの整備作業に協力していきます。
 なお、共同研究の期限は2011年3月31日までとなっています。

4. 期待される効果
 既知の原因遺伝子に疾患原因となる変異を見出すことは、症状発現を遺伝子変異から説明するために、重要な情報を提供してくれることから、遺伝子変異を利用して、どのような機能異常が起きるかを研究し、本疾患の病態解明に役立て、これに基づき、より適切な治療法が選択されることが期待できます。
 更に、既知の原因遺伝子に変異を認めない患者から、新規の原因遺伝子を同定することにより、正常免疫系の発生、分化の仕組みの解明につながります。
 遺伝子構造解析結果や原因不明の免疫不全症の臨床情報等を集積したデータベース、及び臨床検体の存在により、新規先天性免疫不全症患者の迅速な診断および治療法の選択が可能となり、直接患者の予後の向上に貢献できるものと考えます。これは今後の遺伝子研究を通じた疾患研究の端緒であり、ポストゲノム時代の疾患研究の一つのモデルを提供するものと考えられます。

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