ゼリア新薬、テムリックと肝細胞癌用薬「TM―411」のライセンス契約を締結
肝細胞癌(hepatocellular carcinoma:HCC)用薬
「TM―411」ライセンス契約締結についてのお知らせ
当社は、テムリック株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長:稲垣 哲也 以下、テムリック)とテムリックが所有する「TM―411」(一般名:タミバロテン)を有効成分とする肝細胞癌用薬の日本国内におけるテムリックとの共同開発ならびに独占的製造販売に関するライセンス契約を、平成19年8月27日付で締結いたしました。
本契約締結に伴い、当社は、テムリックに対して契約一時金および開発段階に応じたマイルストーンと本製品上市後にロイヤリティを支払います。また、同社の株式を約3%取得いたします。
「TM―411」は、特に肝細胞癌に多く発現するレチノイン酸α受容体を介し、血管新生抑制、癌細胞アポトーシス誘導を示すことから肝細胞癌への効果が期待されます。
原発性肝癌は年間新たに、約4万人が診断され、約3万5千人の方が亡くなっています。原発性肝癌の9割以上を占める肝細胞癌の治療は、外科的切除・摘出の他、経皮的ラジオ波焼灼療法など局所療法が中心であり、経口で安全かつ有効な医薬品が求められています。本剤は、肝細胞癌に対する有効な医薬品として期待されます。
当社は、医療用医薬品においては消化器官領域を最重点分野とし、研究開発から販売まで、経営資源を集中投資しています。現在、H2受容体拮抗剤「アシノン(R)カプセル75/150」、亜鉛含有胃潰瘍治療剤「プロマック(R)顆粒15%/D錠75」、胃炎・潰瘍治療剤「マーズレン(R)-S顆粒/ES錠」、大腸内視鏡前腸管洗浄剤「ビジクリア(R)錠」、便秘治療剤「新レシカルボン(R)坐剤」などを販売しています。
また、開発においては、機能性ディスペプシア治療剤(Z-338)は日米欧でフェーズII、膵臓癌治療剤(Z-360)は欧州でフェーズIb/IIaの臨床試験を行っています。国内では、潰瘍性大腸炎/クローン病治療剤「アサコール(R)(Z-206)」、味覚障害治療剤「プロマック(R)(Z-103)」のフェーズIIIを実施中です。
今回の「TM-411」の導入は、Z-360に続く消化器癌領域の新薬と位置付け、開発を進めてまいります。
【参考資料】
◆「TM-411」(一般名:タミバロテン)について
「TM-411」(一般名:タミバロテン)は、東京大学薬学部において創製されたレチノ安息香酸(レチノイド)で、強い分化誘導活性等を示す薬剤です。国内においては、東光薬品工業株式会社が2005年に再発・難治性急性前骨髄球性白血病(APL)治療剤として製造販売承認を取得し、同年、日本新薬株式会社から「アムノレイク錠2mg」として販売されております。テムリックは、東光薬品工業株式会社および財団法人乙卯研究所から「TM-411」の開発・提携についてライセンス権の許諾を受けており、今回この権利に基づき当社にライセンスを許諾するものです。
◆テムリック株式会社の概要
設 立:2002年1月
本 社:東京都港区赤坂3丁目4番地3号
資本金:14億4,796万円
代表者:代表取締役社長 稲垣 哲也
業務内容:癌領域に特化したCRO事業(医薬品開発支援)、創薬事業(自社開発)
URL:http://www.tmrc.co.jp/