タフツ大学医学部医薬品開発研究センター(CSDD)の研究者が実施主体となり、メディデータ・ソリューションズ(NASDAQ: MDSO)がスポンサーを務めた新調査により、被験者に投与する手順の25パーセントから収集した臨床データは不要な可能性があり、そのコストが臨床試験全体で年間30~50億ドルに上ることが分かりました。
「本調査は臨床プロセスの早期段階における手順を中核的なものと非中核的なものに分け、試験デザインとプロトコール開発が臨床試験の全体的コストの中で果たす極めて重要な役割を明らかにしています。削減可能な手順に対する本調査の見積もりは保守的なものに過ぎませんが、業界として試験デザインをさらに詳細に調査することで規制要件を満たしながら効率を改善できることを明らかにしました。」
臨床試験実施の複雑性・コスト・難易度が高まっている中で、ライフサイエンス企業はコストを削減し、研究開発効率を安全に改善する機会を見極める必要に迫られており、その傾向は一層強まっています。プロトコールにおいて中核的でないと見なされた手順は、製薬企業が臨床試験を合理化して治験予算を大幅に削減するための機会となり得ます。
ドラッグ・インフォメーション・アソシエーション(以下DIA)年次会議で主任研究者のKen Getz氏が本日発表した本調査は8カ月間にわたって行われ、あらゆる規模の国際的なスポンサー(治験依頼者)15社から収集したデータを基礎データとしました。参加企業とGetz氏のチームは、調査研究向けにカスタマイズしたMedidata Designer®を活用して、115以上の臨床試験プロトコールを収集・分析し、2万2000以上の医療手順を分類しました。試験のエンドポイントないし安全性目標を支える「中核的」手順と「非中核的」手順のコストは、メディデータが提供する臨床試験コストの大規模なベンチマークデータベースを使用して評価されました。
CSDDでシニアリサーチフェロー兼特任助教を務めるGetz氏は、次のように述べています。「本調査は、臨床試験の経済性をプロトコールの複雑性と初めて結び付けた点で画期的です。調査結果は、参加企業にとって目を開かされるものとなりました。製薬・バイオテクノロジー企業が多数の非中核的手順を削減する方法を調査し、臨床試験の効率を改善して試験予算を大幅に削減する上で、この調査が出発点となることは間違いありません。」
調査結果の要点は次のとおりです。
- 臨床試験における手順の約25%が非中核的であると考えられます。すなわち、検討対象の医薬品ないし治療法の安全性と効果を実証する上で米国FDAが本調査前に合意した試験エンドポイントとは直接的な関連がありませんでした。
- 非中核的な手順は1回の臨床試験における予算の約20%に相当し、非中核的な手順に要するコストは臨床試験1回当たり100万ドルと推定されます。
- 年間の試験件数を考えると、非中核的な手順の実施による医師関連のコストは業界全体で1年間当たり計20~40億ドルになります。
- これらの手順によってデータ管理・モニタリング・統計分析が必要となり、臨床試験全体の負担が増加します。こうした関連コストを含めれば、非中核的手順のコストは年間30~50億ドルに上ると推定されます。
グラクソ・スミスクライン社(以下GSK)の生物統計部門で臨床統計担当ディレクターを務め、公衆衛生学博士(DrPH)として活躍しているMarla Curran氏は、本調査のワーキンググループに参加し、GSKの臨床試験においては効率向上の促進に当たってきました。Curran氏は本調査について、安全性と品質を犠牲にすることなく臨床開発コストを削減する実行可能な方法を明らかにした先駆的な調査と評価しています。
- Curran氏は次のように述べています。「本調査は臨床プロセスの早期段階における手順を中核的なものと非中核的なものに分け、試験デザインとプロトコール開発が臨床試験の全体的コストの中で果たす極めて重要な役割を明らかにしています。削減可能な手順に対する本調査の見積もりは保守的なものに過ぎませんが、業界として試験デザインをさらに詳細に調査することで規制要件を満たしながら効率を改善できることを明らかにしました。」
本調査でのタフツ大学CSDDチームによる情報収集の中心にはMedidata Designerがありました。Medidata Designerは、コストと複雑性に関する指標を治験依頼者が把握できる唯一のツールであり、試験デザイン段階で不要な手順を見極めるために必須となる構造化機能を持っています。
- メディデータ・ソリューションズのGlen de Vries社長は、次のように述べています。「弊社が長年にわたって強調してきたように、あらゆる臨床試験の有効性は優れた試験デザインから始まります。Designerを使用した本調査は、製薬企業による効率的・効果的な臨床試験のデザイン・実施・管理において、技術と関連する専門知識が果たす役割が今後ますます高まっていくことを明確に示しています。」
タフツ大学医学部医薬品開発研究センターは、経済・政策・戦略上のデータと分析を提供し、医薬品開発企業・規制当局・政策立案者が医薬品開発・審査・利用の質と効率を改善する上で貢献しています。
メディデータのソーシャルメディアとイベント:
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