資生堂、糖質科学研究所とヒアルロン酸事業で資本・業務提携
資生堂、ヒアルロン酸事業で糖質科学研究所と資本業務提携
資生堂は、化粧品や医薬品、食品原料であるヒアルロン酸※(以下HA)事業において、医薬開発ベンチャー企業である株式会社糖質科学研究所に対して1億5千万円の出資および業務提携の契約を2007年7月5日に締結いたしました。今後両社は、双方の事業インフラと知的財産を相互活用し、HAの新製品開発と事業化を推進してまいります。
※グルコサミンとグルクロン酸が結合した2糖を基本単位とする直鎖状の多糖で、ヒトの体内にも存在する生体分子。数単位のオリゴ糖から、10000単位を超える高分子まで含めてヒアルロン酸と呼ばれる。
<資生堂のHA事業と市場環境>
HAは80年代前半に化粧品原料として配合されるようになり、市場が形成されました。80年代後半には医薬品市場、2000年代になって食品市場も形成されました。
資生堂は、1985年に初めて発酵法により高分子領域のHA量産技術を確立し、HA事業に参入しました。参入から20年以上を経た現在でも同事業は順調に伸長しています。自社製品では、高分子HAの高い水分保持機能を応用して化粧品や食品に配合している他、医療用医薬品にも応用し眼科手術補助剤や関節機能改善剤などを開発しています。
現在市場では依然として根強い需要があることを受けて、国内のみならず海外メーカーが多数参入して競合が激化しており、新機能や付加価値を備えた次世代の製品開発が急務となっています。このような市場環境において、資生堂はHAの機能拡大を目指して新たに低分子領域での開発を進めてきました。
<糖質科学研究所との業務提携>
一方、医薬開発のベンチャー企業である糖質科学研究所はHAの低分子物質である「HAオリゴ糖」に生理活性作用があることを新たに発見し、医薬品への応用を進めています。HAの新たな機能開発を模索していた資生堂は糖質科学研究所との戦略的アライアンスの可能性を検討し、この度業務提携を行うこととなりました。今後両社はお互いの強みを生かした新製品開発等の事業を展開いたします。
具体的には、資生堂が保有する研究開発、製造、販売等の事業インフラと糖質科学研究所が所有する知的財産を相互活用することによって、医薬品をはじめとするHAオリゴ糖関連商品開発と事業化を推進してまいります。
<ご参考:提携先の概要>
(1)商号 株式会社糖質科学研究所
(2)代表者 浅利 晃
(3)所在地 東京都文京区湯島1-5-45 東京医科歯科大学内
(4)設立年月日 2005年4月
(5)主な事業内容 オリゴ糖医薬品の研究開発、製造、販売
(6)決算期 3月
(7)従業員数 11名
(8)資本金の額 247百万円