協和発酵、米社による「ポテリジェント」を応用した抗体医薬の臨床第I相試験結果を発表
米国メドイミューン社(MedImmune, Inc.)による、当社独自の強活性抗体作製技術POTELLIGENT(R)を応用した抗体医薬BIW-8405の臨床第I相試験の結果発表についてのお知らせ
および、当社が臨床開発中のPOTELLIGENT(R)を応用した抗体医薬KW-0761の臨床第I相試験の結果について
協和発酵(東京都千代田区 社長:松田 譲)は、当社が抗体医薬ビジネス展開のため設立した米国現地法人のバイオワ(BioWa, Inc. 米国 ニュージャージー州 社長:小池 正道)がメドイミューン社(MedImmune, Inc. 米国 メリーランド州)に導出した、当社独自の強活性抗体作製技術POTELLIGENT(R)(ポテリジェント)を応用した抗IL-5R抗体「BIW-8405」の喘息を対象とした臨床第I相試験の結果について、7月23日(米国時間)にメドイミューン社より発表されたことをお知らせいたします。
(メドイミューン社 プレスリリース掲載WebページURL http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=83037&p=irol-news)
≪ http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=83037&p=irol-investornewsArticle&ID=1029243&highlight= ≫
メドイミューン社が今回発表したBIW-8405のプレスリリースの骨子は以下の通りです。
『抗IL-5R(interleukin-5 receptor)抗体であるBIW-8405の安全性と生物活性を調べるために実施された成人の軽症喘息患者を対象とする臨床第I相試験の結果は、抗体依存性細胞障害(ADCC)活性を増強された本抗体が、炎症に関与する好酸球を効果的に激減させたことを示唆しています。また好酸球の直接的な減少に加え、好酸球の増殖と分化に重要な役割を担っていると考えられているIL-5活性の中和効果についても期待されます。』
(本試験の結果は、2007年7月18日~22日まで米国ユタ州スノーバードにおいて開催された国際好酸球学会のシンポジウム(The International Eosinophil Society 5th Biennial Symposium〔IES〕)で、メドイミューン社によって発表されました)
また当社が英国で臨床第I相試験を実施中(すでに予定した試験を終了)の自社開発の抗CCR4(CC chemokine receptor 4)抗体「KW-0761」について、その結果を確認したところ、本剤の投与により標的細胞であるCCR4陽性細胞の減少が認められましたので、併せてお知らせいたします。
本剤の臨床第I相試験における、健常成人男性を対象に実施した投与用量0.1μg/kgから3μg/kgまでの単回投与試験では、用量依存的にCCR4陽性細胞の減少が認められました。今回の試験の最高用量である3μg/kgにおいては、ピーク時に80%以上の減少が認められました。
またアレルギー症状を増悪するといわれているヘルパー2型T細胞(Th2)由来のサイトカイン(IL-4,IL-5,IL-13)の産生についても、同じく最高用量である3μg/kgにおいてピーク時に80%を超える産生抑制が認められました。その一方で、アレルギーに抑制的に働くとされるヘルパー1型T細胞(Th1)由来のサイトカイン(IL-10およびIFN-γ)の産生については特に影響が認められませんでした。
また季節性アレルギー性鼻炎患者を対象に0.1μg/kgから1μg/kgまでの単回投与試験も実施したところ、健常成人男性での試験と同様にCCR4陽性細胞の減少とTh2由来のサイトカイン産生の減少が認められました。
臨床において標的細胞を減少させる作用を示唆した今回の試験結果によって、POTELLIGENT(R)を用いて作製された本剤のPOPA(Proof of Pharmacological Activity:薬理作用の立証)が確認できたものと考えています。
以上