日立、韓国鉄道公社からアルミ車体の特急電車32両を受注
日立が韓国で32年ぶりに鉄道車両を受注
日立製作所電機グループ(グループ長&CEO:鈴木學/以下、日立)は、このたび、韓国鉄道公社(以下、Korail)より、アルミ車体の特急電車32両(4両8編成)を受注しました。今回の受注は、韓国における車両の受注としては、1974年のソウル地下鉄1号線向け地下鉄車両以来、32年ぶりとなります。
今回受注した車両は、ソウルの龍山駅から京釜線を経由し、忠清南道天安駅から長項線に乗り入れ、韓国最古の温泉として知られる温陽温泉駅との間の列車として投入され、2009年に営業運転を開始する予定です。現在、韓国の在来路線においては、ディーゼルもしくは電気機関車による客車牽引型が主流となっていますが、Korailでは今後、非電化区間の電化を推進していくとともに、段階的に動力分散型のアルミ車体の特急電車に置き換えていく方針です。
日立は、次世代の鉄道車両として開発を進めてきた「A-train」(*1)コンセプトをベースとした最先端の鉄道車両技術と、鉄道システムの総合システムインテグレーターとして、国内の通勤車両や新幹線を数多く納入している実績があります。今回の受注は、その高い技術、品質、豊富などの実績が高く評価されました。
日立は、韓国への積極的な先進技術の展開を通じ、「A-train」の拡販を図るとともに、韓国における鉄道技術の一層の発展に貢献していきます。
(*1)
日立の「A-train」は、アルミニウムダブルスキン車体の採用、最新の金属接合方法であるFSW(摩擦攪拌接合法)の適用などにより、軽量かつ歪みの少ない車体を実現しています。また、この高精度車体をベースとして、内装や配管配線といった艤装作業についても従来工法を刷新し、パネルやユニットなど、アウトワークのモジュール部品を簡便に車体に取り付けていく手法を採用することにより、製造コストやリードタイムを削減し、将来の改造を含むメンテナンス性を大幅に向上させています。