東京電力と日野自動車、「外部電源式アイドリングストップ冷暖房システム」の実証試験結果を発表
「外部電源式アイドリングストップ冷暖房システム」の実証試験結果について
~CO2排出量を約97%低減、燃料消費コストを約98%低減~
東京電力株式会社(本社:東京都千代田区 取締役社長:勝俣 恒久[かつまた つねひさ])と日野自動車株式会社(本社:東京都日野市 取締役社長:近藤 詔治[こんどう しょうじ])は、共同で「外部電源式アイドリングストップ冷暖房システム」を開発し、実証試験を進めてまいりました(平成17年7月27日お知らせ済み)が、このほどその結果がまとまり、アイドリング時に比べて「CO2排出量を約97%低減できる」[注1]、「燃料消費コストを約98%低減できる」[注2]などの成果が得られました。
CO2をはじめとする温室効果ガスの排出量の低減が求められる中、特に運輸部門においては、2005年度のCO2の排出量が1990年度比18.1%増加するなど、排出ガスの総排出量低減に向けた具体策が急務となっております。
これを解決するための有効な方策の一つとしてアイドリングストップが注目されていますが、ドライバーの仮眠・休憩や、荷待ちなどの際、運転室内の冷暖房のために、やむを得ずエンジンをかけたまま待機するケースがあり、こうしたアイドリングを効果的に抑制することが課題となっています。
これに対し、本システムは、トラックの運転席に設置する「外部電源式冷暖房装置」[注3]に、駐車場に設置する「給電スタンド」から系統電力を供給して、運転室内の冷暖房を行うもので、エンジンをかけずに冷暖房が行えるため、CO2排出量低減が可能になるとともに、燃料消費コストも低減できることから、運輸事業者の経費低減にも貢献[注4]することができます。
実証試験の実施にあたっては、国土交通省のご後援をはじめ、(財)貨物自動車運送事業振興センターと運輸事業者にご協力をいただき、東神トラックステーション(神奈川県大和市)[注5]の駐車場に「給電スタンド」を設置するとともに、長距離輸送用のトラックに「外部電源式冷暖房装置」を搭載いたしました。これらを、平成17年8月1日から平成18年10月31日まで、日々の運行業務の中でご活用いただき、環境負荷低減効果や燃料(軽油)消費量低減効果、燃料消費コスト、システムの使い勝手などについて検証を行いました。
詳細は、別紙のとおりです。
東京電力と日野自動車は、今回の実証試験の結果を踏まえ、「外部電源式アイドリングストップ冷暖房システム」の平成19年度の実用化を目指します。
以 上
[注1]CO2排出量を約97%低減できる
実証試験車両(大型トラック2台、中型トラック2台)によるCO2低減効果の平均値。
具体的な算出方法については別紙参照。
[注2]燃料消費コストを約98%低減できる
具体的な算出方法については別紙参照。
[注3]外部電源式冷暖房装置
冷房装置として、車両のエアコンとは独立したパッケージクーラーを運転席上部(屋根上)に搭載。供給電圧はAC単相200ボルトで、トラックへの後付け搭載も可能な汎用システム。なお、暖房装置はAC単相100ボルトにより蓄熱マット(ホットカーペット)と電気毛布などを使用。
[注4]運輸事業者の経費低減にも貢献
実用化の際には、使用した電力量料金に加え、「給電スタンド」システムの製造・設置にともなう利用料がかかることが予想される。
[注5]東神トラックステーション
駐車スペース:トレーラー21台/大型車74台/普通車22台収容
所 在 地:神奈川県大和市上草柳588
運 営・管 理:(財)貨物自動車運送事業振興センター
※トラックステーションとは、トラックドライバーが、休憩、仮眠・
宿泊、入浴、食事や業務上の連絡などの目的で利用できる施設で全国に40ヵ所点在。
【 添付資料 】
別紙:「外部電源式アイドリングストップ冷暖房システム」の実証試験の概要