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ニュースリリースのリリースコンテナ第二倉庫

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2025'02.05.Wed
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2007'08.09.Thu

メディビック、米国での抗がん剤「グルフォスファミド」の第III相試験結果を発表

当社グループが共同開発中のGlufosfamideの米国における第III相試験の結果について


 このたび、当社グループが共同開発を行っている、抗がん剤 Glufosfamide(グルフォスファミド)の第III相試験について、米国にて臨床試験を実施しているThreshold Pharmaceuticals, Inc.(スレッシュホールド社)が、ゲムシタビンによる化学療法後に再発したすい臓がんの患者さんを対象としたGlufosfamideとBSC(ベストサポーティブケアー)の比較において、統計的に有意である改善が得られなかったことを、発表しましたのでご報告いたします。Glufosfamideを用いた場合は、BSCのみの患者さんに比べ、全生存率が18%高かったにもかかわらず、その結果は統計的には有意ではありませんでした。

 Threshold社のCEOであるBarry Selick博士は「まず、本試験に携わられた全ての患者さんと医師に感謝したい。まだ承認されていない第二選択の治療法のいくつもの選択肢とともに、この重篤な疾患に対する明確な治療法を確立するための挑戦が残されている。Glufosfamideが効果を発揮している傾向は見られたにもかかわらず、残念ながら目標とした有効性の成績までにはいたらなかった。この試験で得られた結果及び現在までのその他の結果に基づき、われわれは引き続きGlufosfamideで現在継続している試験を行っていく。さらに、前臨床段階にある候補化合物のHAP302とともに、2-deoxygulucosesの開発を継続していく。」と述べております。

 本試験は、国際共同で、無作為化割付(*1)オープンラベルの第III相試験として実施されました。ゲムシタビンの化学療法を受けた後再発したすい臓がんの患者さん303人に対し、治療法が無作為に割り付けられ、148人がBSCに加え3週間に1回のGlufosfamideの投与を受けることになり、一方155人がBSCのみを受けることになりました。「独立データモニタリング委員会」は2006年5月に中間評価を行い、この試験を終了まで行うよう提言しました。

 有効性の主要評価項目である全生存率は261人の死亡例を基に算出されましたが、統計的な有意差は得られませんでした(p=0.19)(*2)。Glufosfamide使用群のBSC単独群に対するハザード比(相対的なリスクの比率)は0.85(95%信頼区間(*3)0.66~1.08)でした。Glufosfamideを用いた患者さんの生存期間の中央値は105日、BSCの患者さんでは84日でした。

 新たな、または未知の安全性についての問題は発生しておりません。腎毒性および血液毒性を含む、有害事象は特に以前の試験と差異がありませんでした。Glufosfamideを用いて治療した患者さんの典型的副作用は吐き気と嘔吐でした。

 以前発表したように、Threshold社は、化学療法を受けたことのない進行性または転移性すい臓がんの第II相試験への患者さんの登録を終了させています。患者さんには、ゲムシタビンに加えて、Glufosfamideが投与されます。この試験では、安全性に加え、ゲムシタビンとGlufosfamideを投与した際の奏効率、奏効期間、無増悪生存期間、全生存率、6ヶ月及び12ヶ月の生存率及び血清腫瘍マーカーレベルの変化(CA19-9)を検討します。患者さんは、ゲムシタビンの標準的な投与量(1000mg/m2)を4週のうち3週につき毎週投与されるとともに、4週間に一回Glufosfamideを4500mg/m2を投与されます。トップラインの結果は2006年12月に発表されており、また最終結果は2007年第3四半期の終了時までに公表される予定です。

 Threshold社は、さらに、最近になって、プラチナ製剤抵抗性のある卵巣がんの女性、および薬剤感受性の高い再発小細胞肺がんの患者さんを対象として、Glufosfamideの有効性および安全性を評価する2つの第II相試験を開始した旨を発表しています。また、軟部組織肉腫の臨床試験を2007年上半期に開始することを予定しています。これらの試験のトップラインの結果は2008年中に得られることを予想しています。

 Threshold社は2008年中旬までの資金については最低確保していると考えております。

 なお、当社平成19年12月期(平成19年1月1日~平成19年12月31日)における当期業績見通しに与える影響は現時点では未定です。また、当社子会社メディビックファーマで実施しております国内第I相試験の進捗における影響については、現時点におきましては軽微と考えております。


<用語解説>
(*1)無作為化
 治療法がいくつかある場合、くじ引きや乱数表などを使うことで、被験者がいずれかの治療法に無作為(ランダム)に割り当てられることをいいます。無作為化によって、被験者を恣意的に特定の治療群に割り付けるバイアス(例えば、治療効果が高そうな患者さんを被検薬の群に割り付ける)を減らすことができます。

(*2)p値
 統計的有意差を示す数値のこと。通常、この値が5%未満(P<0.05)の時に、「統計的有意差がある」と判断されます。5%以上の場合、対象者数に比べてばらつきが多かったことが推測され、たまたま、この結果が得られたという可能性を否定することができません。

(*3)95%信頼区間
 統計学で母数がどのような数値の範囲にあるかを確率的に示す数値です。この場合は、ハザード比(相対的リスクの比)の数値0.85が得られていますが、この数値が、0.66から1.08の間に95%の確率で存在する、ということを示します。95%信頼区間の上限値が1未満であれば、「相対的リスクが低い」ことが95%以上の確率で統計的に示せたことになります。

<グルフォスファミドとは(スレッシュホールド社 プレスリリースより)>
 グルフォスファミドは、アルキル化剤として広く使用されている抗がん剤、イホスファミドの活性化合物とグルコースが結合した化合物です。腫瘍細胞では正常細胞と比べて糖の必要性が高まっていることから、グルフォスファミドは正常細胞よりも選択的に腫瘍組織に移行するものと考えられています。細胞内でグルコースとアルキル化剤が分かれ、活性を表します。

<すい臓がんについて(スレッシュホールド社 プレスリリースより)>
 米国癌学会(American Cancer Society)によると、米国内で新たにすい臓がんと診断される患者数は2007年でおよそ37,170人ですい臓がんで死亡する患者数は約33,370人といわれています。また、新たにすい臓がんと診断された患者さんのうち、15%から20%が手術が可能である状況で、その後は、通常放射線治療や化学療法が続けられます。また、切除不能な患者さんには、放射線治療や化学療法が併用されるほか、転移性のすい臓がんの患者さんの場合は、化学療法のみ行われます。

<Threshold Pharmaceuticals,Inc.(スレッシュホールド社)>
 所在地  1300 Seaport Boulevard,5th Floor Redwood City,CA 94063 USA
 設 立  2001年10月
 事業内容 医薬品の研究開発
 URL  www.thresholdpharm.com


以上

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