ノバルティス、心移植での拒絶反応を抑制する免疫抑制剤「サーティカン」を発売
免疫抑制剤「サーティカン(R)錠」新発売
- 心移植における拒絶反応の抑制に対して -
ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:馬場宣行)は、本日3月16日より、心移植における拒絶反応の抑制に対して新規の作用機序を有する免疫抑制剤「サーティカン(R)錠0.25mg、0.5mg、0.75mg(一般名:エベロリムス)」を発売いたします。
「サーティカン(エベロリムス)」は、FKBP-12(FK-506 binding protein-12)と複合体を形成し、細胞内情報伝達分子であるmTOR(mammarian target of rapamysin)に結合して細胞増殖シグナルを阻害することにより細胞増殖抑制作用を示すと考えられており、インターロイキン-2によるT細胞の増殖を抑制することで免疫抑制作用を示す薬剤です。本剤は、シクロフィリンに結合するシクロスポリンやタクロリムスなどのカルシニューリン阻害剤とは異なる新たな作用機序を有します。
近年、種々の免疫抑制剤の開発により移植臓器の生着率は徐々に上昇していますが、一方で既存薬剤では効果不十分または既存薬剤の副作用により投与を継続できない患者さんもおり、新たな免疫抑制剤の開発が望まれてきました。また、「サーティカン」が既に発売されている国で心移植を受け、本剤による免疫抑制治療が行われた渡航患者さんが帰国する可能性もあり、国内の移植医など医療関係者からも、厚生労働省に対して早期承認の要望書が提出されるなど、本剤の一日も早い上市が切望されていました。
「サーティカン」は2003年にスウェーデンで承認されて以来、現在までにドイツ、フランスなど60カ国以上で承認されており、心移植における拒絶反応に対する免疫抑制剤として心移植患者さんの長期生命予後の改善に貢献しています。
ノバルティス ファーマ(株)社長の馬場宣行は、今回の新発売にあたり次のように述べています。「『サーティカン』の発売は、移植医療の発展において非常に意義深いものであり、国内および海外で心移植を受けられた患者さん、また今後受けられる患者さんにとって大きな福音になると思われます。今後もノバルティスは、免疫抑制剤を通じて移植医療に貢献できるよう、一層の努力を続けたいと思います」
ノバルティスは、移植医療を大きく前進させたといわれるサンディミュン(R)(シクロスポリン)を1982年に発売以来、今では免疫抑制療法に欠くことのできない重要な薬剤の一つとして位置づけられている免疫抑制剤のネオーラル(R)(シクロスポリンのマイクロエマルジョン製剤)をはじめとして、移植医療に使われる画期的な薬剤を医師および患者さんに提供してまいりました。ノバルティス ファーマ(株)は、今後も画期的な新薬の開発に全力を注ぎ、引き続き日本の移植医療に対して貢献していく所存です。
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実は要素や予見できないリスクなどにより、将来の結果が現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。
■ノバルティス ファーマ株式会社について
ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置くヘルスケアにおける世界的リーダー、ノバルティスの医薬品部門の日本法人です。ノバルティス グループ全体の2006年の売上高は370億米ドル(約4兆2,943億円)で、当期純利益は72億米ドル(約8,354億円)、研究開発費は54億米ドル(約6,205億円)でした。スイス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは、約101,000人の社員を擁しており、世界140カ国以上で製品が販売されています。
http://www.novartis.co.jp/
以 上
*製品概要は、添付資料をご参照ください。