JOGMEC、ブラジル国営石油会社やチリ銅委員会と関係強化で基本合意書を締結
JOGMECと南米資源国の協力関係発展
ブラジル国営石油会社及びチリ銅委員会と基本合意書を締結
独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 理事長 掛札 勲は南米の資源保有国との関係を強化すべく3月9日から18日までチリ及びブラジルを訪問したところ、3月14日にチリ銅委員会(COCHILCO)、同16日にブラジル国営石油会社ペトロブラス(PETROBRAS)と概要以下の基本合意書に調印した。
1.チリ政府銅委員会との基本合意書(Memorandum of Understanding)
署名者:JOGMEC 掛札勲理事長 及び チリ銅委員会ティトルマン副総裁(Mr. Eduardo Titelman Goren)
本基本合意書は、近年、世界的な資源獲得競争が激化する中、世界最大の銅生産国であるチリとより緊密な関係を構築することで銅資源の安定供給確保を図ることを目的としている。 具体的には、JOGMECとチリ銅委員会がチリ若しくは日本で毎年一回共同セミナーを開催し、最新の銅市場、鉱業投資、技術開発、鉱業関連トピックスに関する情報交換等を通じて両組織の戦略的関係を発展させ、我が国企業によるチリへの鉱業投資等を側面支援し、日本とチリの銅産業の発展に寄与するものである。
2.ペトロブラスとの基本合意書(Principle of Understanding)
署名者:JOGMEC 掛札勲理事長及びペトロブラス ガブリエリ総裁 (Mr. Jose Sergio Gabrielli de Azebedo)
平成17年12月、JOGMECとペトロブラスは石油天然ガス分野の開発事業、研究事業等に関する協力協定書に調印し、これに基づき、深海エリアでの浮遊式石油生産・貯蔵・出荷システム(FPSO)の開発技術に関する共同研究を進めているところ。今回締結した基本合意書は、この研究を通じて培われた協力関係を石油天然ガス探鉱・開発分野全体に拡大したもので、ブラジル国内のみならず東南アジアなど海外におけるペトロブラスと本邦企業及びJOGMECによる共同プロジェクトの組成を目的としており、ペトロブラスが保有する大水深地域での高度な探鉱開発技術が活かされることが期待される。
(参考)
1.チリ銅委員会の概要
チリ銅委員会(COCHILCO:Comision Chilena del Cobre)は、エネルギー鉱業大臣が総裁を兼務する金属の需給分析・資源政策等の専門家集団を抱える独立政府機関。エネルギー鉱業省に対して、銅等の金属鉱物及び非金属鉱物 (除く石炭や燃料)の鉱業分野における現状・将来分析や政策提言を実施。1976年の設立で職員数は80名(内専門家50名)。
チリは、世界最大の銅鉱業国で2006年の産銅量は5.4百万トンと、世界産銅量(15.2百万トン)の35%を占め、銅埋蔵量も世界最大(世界の38%がチリに埋蔵)で、将来的にも重要な銅の供給国。我が国は、銅鉱石の全てを輸入に頼っており、その約半分をチリに依存。チリは我が国の金属資源確保戦略上、最も重要な国の一つ。
2.ペトロブラス社の概要
ペトロブラスはブラジル政府機関(国営石油会社)として、同国の石油産業の独占実施を目的として1953年に設立。現在、独占は終了し、外資も導入されている環境の下で、石油天然ガスの探鉱・開発・生産・輸送・各種石油製品販売と上下流の事業を有し、水力発電や風力発電をも行う総合エネルギー会社である。また、ブラジル国内だけでなく、積極的に海外進出も行い、アンゴラ、アルゼンチン、ボリビア、エクアドル、米国、ペルー、ベネズエラ、リビア等での探鉱・開発事業を実施中である。特に、ブラジルにおける石油探鉱・開発・生産の中心がリオデジャネイロ沖合の深海域であることから、ペトロブラスは深海での探鉱・開発技術に優れている。 なお、同国沖合ではINPEX北カンポス沖石油〔株〕がペトロブラス社他と共同で油田開発作業を進めており、JOGMECも出資及び債務保証を行なうことで事業を支援している。
2005年末の同社の確認埋蔵量は、石油換算118億バレルで世界第7位、石油・ガス生産量は石油換算8億900万バレルで世界第7位。
以 上