住友スリーエム、飛散防止機能を付加した窓ガラス用透明断熱フィルムを発売
ジリジリ感抑制の窓ガラス用透明断熱フィルムに、飛散防止機能を付加
独自の薄膜積層技術で、高い透明性と赤外線を90%遮蔽を実現
住友スリーエム(株)は、窓ガラスに貼ることで太陽が発する熱エネルギーの室内への透過を抑制する透明断熱フィルム、<3M><スコッチティント>ガラスフィルム マルチレイヤー「ナノ70S」を7月9日より販売開始します。3M独自の薄膜積層技術を用いて赤外線を90%以上遮りながら、可視光線の透過率が高いため暗さを感じさせず、新たに飛散防止機能を付加した製品です。
外壁にガラスを多用する手法はショーウィンドーを持つ店舗だけにとどまらず、公共施設、オフィスビルをはじめ、近年多くの建築物で用いられています。その透明性からデザインの独自性を訴求できる一方で、室内が暑くなる対策をどのように講じるかが課題でした。また、外壁ガラスが大きくなる傾向もあり、飛来物の衝突や地震などによってガラスが割れた際の安全対策は声高に求められ続けています。
新製品の<3M><スコッチティント>ガラスフィルム マルチレイヤー「ナノ70S」は、可視光線の透過性が高いまま赤外線を90%以上遮る「ナノ70」に、お客様の要望が高かった飛散防止機能を新たに付け加えた製品です。
200層を超える薄膜積層によって構成された約0.05ミリ厚のポリエステルフィルムは、金属膜を使用せずに赤外線を選択的に反射します。これは、層ごとの厚みの4倍の波長が選択的に反射されるという原理をもとにして、各層が赤外線を選択的に反射するよう設計されているためです。特に、ジリジリと感じる暑さの原因である近赤外線を中心に赤外線を90%以上遮りつつ、フィルムの色はほぼ無色透明で、外壁ガラスに室内側から貼り付けても暗さを感じさせません。
さらに、赤外線の反射に金属膜を使用していないことから、室内で使用する電子機器類の電波環境に悪影響を及ぼしません。また、追加された飛散防止機能はJIS規格の最上位を満足しており、衝突や地震などによりガラスが割れた際のガラス片の飛散を抑制します。
従来の<3M><スコッチティント>ガラスフィルム同様に、表面に耐摩耗性ハードコート層を、裏面には耐候性のあるアクリル系粘着剤を持ち、紫外線を99%以上カットします。幅は1016mm、1270mm、1524mmの3種、長さは30mのロール状で、設計施工価格は1平米あたり16,000円です。
・画像は、新製品<3M><スコッチティント>ガラスフィルム マルチレイヤー「ナノ70S」による熱量カットの説明図
※ 関連資料参照
・<3M>、<スコッチティント>は、3M社の商標です。
(参考:ガラスフィルムの歴史)
ガラスフィルムは1967年、暑さ対策を目的として米国の3M社が世界に先駆けて開発し、現在は世界各国で多くの販売実績を持っています。
ガラスフィルムに金属蒸着、着色、スパッタリング加工などが施されていることによって、フィルムを施工した窓ガラスを透過する日射は抑制されます。ただし、これらの技術では日射抑制の機能を高めるほどフィルムの可視光線の透過率が下がり、ガラスを透過する明るさはフィルム越しには暗くなってしまうという課題がありました。
2006年に販売を開始した<3M><スコッチティント>ガラスフィルム マルチレイヤー「ナノシリーズ」では、3M独自の薄膜積層技術により日射抑制を行いつつ、高い透明性を実現しました。