野村総研、検索語に関連の深いキーワードを連想する「連想検索エンジン」を開発
気になるキーワードから関連深いキーワードを連想する
“連想検索エンジン”を開発
~ オープンソース・ソフトウェアとAgile開発手法によって構築 ~
株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、社長:藤沼彰久、以下「NRI」)は、利用者が興味のあるキーワードを入力すると、検索語に関連の深い内容のキーワードを自動的に検索結果に表示する検索技術“連想検索エンジン”を独自に開発しました。
一般的に広く利用されている検索エンジンでは、入力されたキーワードを含む文書しか検索結果に出てきません。このため、利用者は欲しい情報を得るために、入力する言葉を工夫したり、検索結果の中から最も適した情報を選別する作業が必要でした。しかし、今回NRIが開発した連想検索エンジンは、キーワードの関連性を定義した“連想辞書”を自動生成し、これを参照することにより、検索語から連想されるキーワードをコンピュータが自動的に提案します(図1)。
この技術を既存の全文検索エンジンやWeb検索エンジンと組み合わせることで、利用者は最も欲しい情報を迅速に入手しやすくなるとともに、本人が気づいていなかった関連の情報やキーワードを知ることができます。
NRIがこのたび開発したものは、サイトの運営者が検索サイトの分野や目的に応じて、連想辞書の参照範囲を分野やテーマごとに限定するなど、簡単にカスタマイズできることが特徴です。また、最新の文書データを連想辞書のデータソースとして随時取り込むことで、最新のトレンドを反映した連想キーワードの提示を行うことができます。
さらに、検索や連想辞書の更新に関わる処理の高速化技術も独自に開発し、検索のスピード向上を図っています。
NRIは、“連想検索エンジン”の開発において、検索フロント部分には生産性の高さで注目されているRuby on Rails※1フレームワークを、ミドルウェア層にはオープンソース・ソフトウェアを採用し効率化を図りました。さらに、開発手法は、XP※2と呼ばれるAgile開発手法※3を取り入れることにより、開発しながらクライアントやデベロッパーのアイデアを取り込んでいくことで、短期間で目的にあった検索エンジンを完成させることができました。
NRIでは、コンピュータが自動的に連想し、最適な情報を消費者に提案・推薦する“リコメンデーション”技術を応用した検索サービスが、主にECなどの分野でこれから拡大していくと考えています。そこで、今後、システム開発を含む自社のITソリューションサービスにおいて“連想検索エンジン”を活用した製品・サービスを事業化していくとともに、NRI公式ホームページでも活用していきます。
※1 Ruby on Rails:プログラム言語RubyをベースとしたWebアプリケーション開発を行うためのフレームワーク。アプリケーションの開発、テスト、稼動に必要なコンポーネントがフルスタックで提供される。
※2 XP(eXtream Programing):短期間での反復型開発、テスト駆動型開発、ペアプログラミングなどを特徴とするAgile開発手法の一種。
※3 Agile開発:軽量、迅速な開発を特徴とするソフトウェア開発手法の総称。
【 ご参考 】●連想検索エンジンの検索結果例
添付資料をご参照ください。