サトー、RFIDを利用した不法投棄防止システムを実用化
RFIDを用いた「不法投棄防止システム」の実用化
~「資源循環ネットワーク・コンソーシアム」への参画と今後の環境ビジネスへの取り組みについて~
株式会社サトー(以下「サトー」とします)は、「正確・省力・省資源」を基本に、RFIDを利用した環境ビジネスに取り組んでおります。
今般、実用化の一環としてRFIDを利用した不法投棄防止システム(※注)を実用化し、これをもって今回株式会社NTTデータ経営研究所並びにCSRに対して意欲的な企業5社と「トレーサビリティ」を確保した安全・安心な国際資源循環の実現を目的として、「資源循環ネットワーク・コンソーシアム」(以下、「本コンソーシアム」とします)に参画いたしました。
なお、今後は循環資源の「安全・安心」な取引を支援する認証会社設立に向けて、各社と共に準備活動等を行っていく予定です。
(※注)不法投棄防止システムとは、下記図-1の「資源循環の概要」記載のようにプラスチック廃材など従来、産業廃棄物として位置付けられてきたものを資源化するために、その設備等を有する海外へ輸出する際に発生する問題についてRFIDを利用して解決するものです。
●図-1 資源循環の概要
(※ 関連資料を参照してください。)
不法投棄防止システムにおけるサトーの取り組みのポイントは以下のとおりです。
(1)輸送途中や輸出先国における不法投棄などの不正を防止
取り付けられたRFIDのIDナンバーと輸出時点における対象物の重量について、サトーのプリンタを利用してRFIDに書き込むことにより、輸送途中や輸出先国における不法投棄などの不正を防止することが可能となる。
(2)輸送中にRFIDが外れないような取り付け方法を確立
サトーがノウハウを有する耐久力のある医療用リストバンドを、対象物へのRFID取り付けに利用することにより、輸送などの厳しい環境下においてもRFIDが外れない取り付け方法を確立することができる。
本コンソーシアムの実証実験が実施され、サトーの取り組みが不正防止に大きな効果があることや、リストバンドを利用する取り付け方法が実用的であることが実証されました。
今後、サトーは今回の取り組み内容について、産業廃棄物を排出する企業を対象とするビジネスとして展開いたします。
これにより、RFIDプリンタの拡販と新しい販売チャネルの確立が期待されます。
【参考:本コンソーシアムが設立を目指す「認証会社」について】
昨今、「使用済みプラスチック」や「古紙類」「鉄スクラップ」等循環資源の東アジア向け輸出量が急速に拡大する中、輸出先国において環境汚染や不法投棄が行われることがないよう、「トレーサビリティ」を確保することの重要性が高まっています。
我が国では、廃棄物の場合は「マニフェスト管理」が制度的に義務付けられているものの、原材料として有価で取り引きされる「循環資源」の場合、最終的な処理状況を排出者が把握するための仕組みが整備されていません。また、自らが販売した「循環資源」が輸出され、排出者が知らないうちに現地でリサイクルされているといったケースが増加しており、海外で環境汚染の原因となってしまう可能性も否定できません。
一方で、工業製品等の生産活動・消費活動等がグローバル化している中、CSR意識の高まりを受けて、大手企業を中心とする排出者等が不法投棄のリスクに敏感になってきています。本コンソーシアムが設立を目指す認証会社は、循環資源の発生から最終的な再資源化あるいは製品化までのリサイクルチェーンを通じた「移動情報」及び「処理情報」についてIT技術を用いて管理した上で、その情報を排出者に提供するサービスを開始する予定です。具体的には、RFID等のツールを活用することで、リサイクルチェーンを構成する事業者間での取引において、情報とモノが一体となって受け渡される「情物一致」を実現します。
また、排出者にとって、「安全・安心」な処理ルートを提供するため、認証会社自らが国内外のリサイクル事業者等に対する審査・登録・立ち入り検査等を行います。なお、響灘地区を拠点として「循環資源」の輸出に伴う複雑な行政手続きや輸出手続き等を代行する「ワンストップサービス」の実現も目指します。
本コンソーシアムが設立を目指す「認証会社」の事業概要のイメージを、以下に整理しました。
1)認証会社が実現を目指すビジネスモデルの特徴:
(1)「制度」ではなく、「民間サービス」としての第三者的認証サービス
(2)「廃棄物」ではなく、「循環資源」(有価物)のトレーサビリティ情報を提供
(3)「国内」のみならず、「輸出先国」における再生処理・リサイクル状況を管理・追跡
2)想定されるサービス内容及びクライアント:
(※ 関連資料を参照してください。)
3)設立予定場所/設立目標年度:
福岡県北九州市北九州港響灘地区/平成19年度内
なお、上述のサービスの実現は、有価で取り引きされるため制度的な規制になじまない循環資源を、民間事業者が主体となった認証システムを活用して適正管理するという点で、全国に先駆けたモデルの構築につながり、将来的には全国的な拡大も見込まれます。
本コンソーシアムは、今年度の検討を通じて上述のビジネスモデルの詳細な事業性評価を行い、事業計画を具体化した上で、出資者を募集することを予定しています。
●コンソーシアム会員企業一覧
(※ 関連資料を参照してください。)
以上
(※ 図1、2)想定されるサービス内容及びクライアント、コンソーシアム会員企業一覧は関連資料を参照してください。)