アイログ、ビジネス・ルール管理システム「ILOG JRules 6.5」を発表
アイログ、ビジネス・ルール管理システムの最新版ILOG JRules 6.5を発表
透過性の高いルール・ベースのWebサービス「トランスペアレント・デシジョン・サービス」で、SOA環境でのサービス再利用を支援
ビジネス・ルール管理、最適化、可視化技術で企業の迅速な意思決定を支援するアイログ社の日本法人であるアイログ株式会社(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:ブンタラ・イング、以下 アイログ)は本日、同社のBRMS(*)(ビジネス・ルール(**)管理システム)の最新版、ILOG JRules(R) 6.5を発表しました。ILOG JRules 6.5の大きな特長は「トランスペアレント・デシジョン・サービス(***)(以下TDS)」を、プログラミングを一切行わずクリック操作だけで自動的に作成、導入できる機能が新たに追加されたことです。アイログが提唱するTDSとは、Webサービス内にある判断に関わるビジネス・ルールを、そのルールに関わる全ての人が操作できるようにすることによって、ソフトウェアのコーディングの際に生じるブラックボックス化を解消する、透過性の高いルール・ベースのWebサービスのことです。これにより、サービス指向アーキテクチャ(SOA)でバージョンの異なる複数のサービスが発生するといった事態を防ぎ、完全なサービスの再利用を可能にします。アイログはTDSを提供することで、企業がSOA構築で目指す「サービスの再利用」を強力に支援します。その他、最新版ではアーキテクチャを大きく改善し、エンドユーザ専用のルール管理環境を強化しました。これによってエンドユーザがより業務に立った視点からビジネス・ルールを管理でき、ビジネスの変化により迅速に対応できるようになります。ILOG JRules 6.5は日本語版として本年9月8日より出荷を開始し、アイログまたは国内パートナーを通じて販売されます。
*BRMS(Business Rule Management Systems ビジネス・ルール管理システム):ビジネス・ルール設定・変更・操作・管理を包括的に提供することにより、企業の業務プロセスを効率化するシステム
**ビジネス・ルール:システム内のIF~、THEN~、ELSE~構文【仮定条件~、その場合~、それ以外の場合~】のこと。例えば「もし顧客の選択したサービスがAならば料金はBとする」といった企業の業務上の取り決め(業務ポリシー)のチェック項目
***デシジョン・サービス(または意思決定サービス):提供されるデータに基づき、業務における判断や意思決定を行うルール・ベースのWebサービス。たとえば受注データの承認サービスなど。
≪トランスペアレント・デシジョン・サービスでSOAの再利用を促進≫
SOAアーキテクチャでは、アプリケーションにおけるプロセスの一貫性と同時に、サービスを再利用できることが非常に大切な要素ですが、実際に再利用が行われている比率はまだ低いとされています。BRMSを利用した「意思決定サービス」は、ビジネス・ルールを切り離してリポジトリで一元管理することで、ソフトウェア記述コードの再利用性と整合性を促進し、データ品質を保持するため、SOAにおいて非常に重要な役割を果たします。
しかし従来、このサービスを実装するにはプログラミングに多くの労力が必要とされていました。ILOG JRules 6.5では、透過性を上げれば再利用性も高まるという考えに基づき、Webサービスに包含されているビジネス・ルールをそのルールに関連するすべての人がアクセスできる「トランスペアレント・デシジョン・サービス」が簡単に作成できるようにしました。これにより開発者、インテグレータ、サービス責任者、ポリシー責任者などがアプリケーションの開発、導入、監視ならびに保守に連携して関わることができるようになり、結果としてサービスの再利用が容易に行えるようになります。さらにアイログのBRMSはIBM、Oracle、BEA、Microsoft、Vitriaなど主要なSOAプラットフォームと統合できるため、SOAにおける再利用という価値をより高めることができます。
≪専用のルール管理環境とセマンティック・クエリで、エンドユーザの操作性と利便性を強化≫
このほかILOG JRules 6.5ではアーキテクチャを大きく改善し、エンドユーザ専用のルール管理環境を強化すると同時に、業務部門とIT部門の同期を飛躍的に高めました。これによって、エンドユーザは業務に沿ってビジネス・ルールを簡単かつ細かくアップデートでき、ビジネスの変化により迅速に対応できるようになりました。またIT部門では従来、業務側からのビジネス・ルール変更依頼に関する煩雑なルールのやり取りが不要となり、他の重要な業務に専念することができます。
(詳細は末尾の「アーキテクチャ上の新機能」をご覧ください)
また、上記のエンドユーザのルール管理環境には、新しく「セマンティック・クエリ」も装備されました。従来は、あるビジネス・ルールをアップデートにあたってリポジトリに検索をかける際、そのルールがどのように記述されているかを厳密に把握しておかなければいけませんでした。そのため対象ルールの検索に時間がかかったりIT担当者に依頼したりする必要がありました。セマンティック・クエリを利用すると、エンドユーザがルールの表記をあらかじめ知らなくとも、ルール・リポジトリに簡単に照会をかけることが可能になります。また、例えばビジネス・ルールが複数のアプリケーションやサービスにまたがっている場合、各エンドユーザの記述によってビジネス・ルール間に矛盾が生じることがあります。セマンティック・クエリはこのようなルールの矛盾をトラッキングして解決する際にも大きく役立ちます。
さらに最新版では、新しいアルゴリズムの追加によって、BRMSのコアテクノロジであるルール・エンジンの拡張性と処理速度を大きく向上し、BRMSのパフォーマンスを飛躍的に高めました。社内ラボテストによると、50人のエンドユーザが、最大10万件のビジネス・ルールの編集を同時に行うことが可能になりました。
アイログは、「トランスペアレント・デシジョン・サービス」を可能にするILOG JRules 6.5によって、日本市場における企業のSOA構築を支援していきます。
≪ILOG JRules 6.5概要≫
製品名:「ILOG JRules 6.5」
発売日:2007年9月8日
販売方法:アイログまたは国内パートナーを通じて販売
価格:873万円から
販売目標:初年度10プロジェクト
≪アーキテクチャ上の新機能≫
1)エンドユーザ向けの完全なビジネス・ルール管理環境
IT部門から独立しつつ完全に同期する、業務部門エンドユーザ専用のWebインタフェースのルール管理環境で、エンドユーザ自らが、テンプレートやオンラインヘルプを使ってビジネス・ルール管理を行うことが可能です。下記の主要ツールを提供します。
* テスト/シミュレーションツール:業務ポリシー(業務上の取り決め)を変更する際に、業務に対するその影響を実装前に判断可能。
* ビジネスシナリオ作成/保存ツール:ビジネスシナリオを作成しビジネス・ルールと対照しながら適用することができ、エンドユーザが「what-if」分析によるシナリオ仮説検証することが可能。
2)IT担当者向けの開発環境
ルール・ベースのアプリケーション開発のためのベストプラクティスと方法を適用できる各種ツールを提供します。
* Eclipse対応のIDE(統合開発環境):開発者が共通IDEやソースコード・コントロール・リポジトリに合わせて、ソース・コードとルールを管理することを可能にする。これにより、開発時に開発環境の異なるツール間を行き来する必要がなくなり開発時間を短縮。
* SOA環境下でのルール実装をサポート:ルールやルール群を、意思決定サービスとして実装することが可能になる。また、ランタイム・セキュリティ機能、ログの管理ならびに監査機能を提供し、SOAにおけるIT統制に対応。
3)上記2つを同期する機能
エンドユーザ専用環境とIT担当者向け環境を同期させるツールや方法を提供することで、全サイクルのビジネス・ルール管理をエンタープライズレベルで実現します。アプリケーション開発サイクルと切り離したビジネス・ルール管理サイクルを可能にしながらも、エンドユーザと開発環境を完全同期します。これにより、複数のリリース・サイクルで同時に作業ができ、職種や言語の異なるルール管理者の間で、ルールの共有と再利用が可能になります。
≪ILOG JRulesについて≫
アイログのBRMSであるILOG JRulesは、企業の業務プロセス改善に重要な役割を果たす、企業向けの戦略的なコンポーネント・システムです。ビジネス・ルールを使用すると、企業内で複数の個別のシステムに組み込まれている業務ポリシー(業務における数々の定義や取り決め、制約および規制)を一元管理できます。このため、顧客ステータスや製品情報、料金、サービスに関するプロセスを一括管理することで顧客からのシステム変更要求などに迅速に応えることができます。また、どのルールがいつ変更されたのかも簡単に把握でき、記述も自然言語で行われるため、高度なプログラミング技術をもたない一般社員も簡単にルール内容の設定・変更を行うことができ、リアルタイムな業務ポリシーの変更が可能となります。
≪アイログ社(ILOG(R))について≫s
アイログ社は、お客様がより迅速な意思決定を行い、変更および複雑度を管理するためのソフトウェアおよびサービスを提供しています。全世界で2,500社を超える企業や465社を超えるソフトウェア・ベンダが、市場をリードするアイログのBRMS(ビジネス・ルール管理システム)、サプライチェーン計画ならびにスケジューリング・アプリケーション、最適化ならびに可視化のソフトウェア・コンポーネントの活用により飛躍的な投資効率を達成し、市場を席巻する製品やサービスを立ち上げ、また、その競争力を強めています。
アイログ社は1987年に設立され、全世界に800名以上の社員を有しています。
アイログ株式会社はアイログ社の日本法人です。
詳細については www.ilog.co.jp をご覧ください。
*ILOGとILOG JRulesは ILOGの登録商標です。他の全ての社名および商品名はそれぞれを所有する各社の商標または登録商標です。
以上