JPNIC、IPv4アドレスの在庫枯渇に関する対応策を検討開始
IPv4アドレスの在庫枯渇対応策の検討を開始
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(東京都千代田区、理事長 後藤滋樹、以下「JPNIC」)は、2007年6月19日に発表したIPv4アドレスの在庫枯渇に関する姿勢表明(*1)に基づき、社団内外の検討体制構築を進め、具体的対応策の検討を始めました。本年12月までに対応方針をまとめ、検討結果として公表する予定です。
社団内の検討体制は、役員レベルの検討会議のもと、会員組織を中心とする二つの「アドレス管理政策検討ワーキンググループ」「IPv4アドレス在庫枯渇の克服策検討ワーキンググループ」で構成しており、既に検討を開始しています。
特に「アドレス管理政策ワーキンググループ」は、2007年9月6日から開催される第24回APNIC(*2)オープンポリシーミーティングで発表を行うため、在庫枯渇時期に対応した分配ポリシーの提案書(*3)を、8月6日付でAPNICに提出しました。この提案内容は、7月17日開催のJPNICオープンポリシーミーティングでの国内コミュニティの議論を踏まえてまとめたもので、IPv4アドレス在庫枯渇期に向け、できる限り混乱を回避しグローバルな協調の実現を目指しています。
また、社団外の検討体制として、ユーザーを含めたステークホルダーからの意見を広く集約するため、多岐にわたる分野の有識者で構成する諮問委員会の設置を予定しております。
こうした社団内外の体制により、JPNICでは、
・枯渇に関する国内外の動向についての情報収集と情報発信
・在庫枯渇時期に対応した分配ポリシーの検討、調整
・IPv6への移行をはじめとした IPv4アドレス在庫枯渇の克服策に関する技術的方法論の検討、並びにビジネスインパクトの精査
を行い、対応方針としてまとめ、広く公表、周知していきます。
IPv4アドレスの在庫枯渇については、既に各所で議論が起こり、徐々にその関心が高まり課題が明らかになりつつあります。在庫枯渇の課題をこれまでのインターネットの発展プロセスと同様、オープンで活発な議論で解決していくために、JPNICは、インターネットを構成するさまざまな要素、組織、人々の連携と協調を促し、解決に向けて取り組んでまいります。
(*1)http://www.nic.ad.jp/ja/pressrelease/2007/20070619-01.html
(*2)Asia Pacific Network Information Centreの略。
世界に五つある地域インターネットレジストリの一つであり、アジア太平洋地域を受け持ち、この地域のIPアドレス、AS番号の割り当て・管理を行っている。
(*3)http://www.nic.ad.jp/ja/ip/ipv4pool/APNIC24-prop-en.html
(日本語訳 http://www.nic.ad.jp/ja/ip/ipv4pool/APNIC24-prop-ja.html)
■社団法人日本ネットワークインフォメーションセンターについて:
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター (略称:JPNIC<ジェーピーニック>、理事長:早稲田大学教授 後藤滋樹、http://www.nic.ad.jp/)は、インターネットの運営に不可欠な IPアドレスの日本国内における登録管理業務を行う機関です。併せて、JPNICは、インターネットに関する教育・普及啓発活動や各種調査研究活動、インターネットの国際的な広がりに対応するための国際的な調整業務を行っています。
JPNICは、任意団体としてインターネットの急速な普及を底辺から支える活動を4年間継続して行ったのち、1997年、科学技術庁、文部省(現文部科学省)、通商産業省(現経済産業省)、郵政省(現総務省)の共管による社団法人となりました。