住友商事、中国のシリコンメーカーと戦略的パートナーシップを締結
住友商事が中国シリコンメーカーSolargiga Energy Holdings Limitedと戦略的パートナーシップ締結
住友商事株式会社(本社:東京都中央区 社長:加藤 進)および中国住友商事グループ(総代表:北川 信夫)は、太陽電池原材料のシリコンインゴットおよびウェハー製造工場とシリコン原料のリサイクル工場を一括して中国に有するSolargiga Energy Holdings Limited(英領ケイマン諸島、社長:譚文華、以下ソーラーギガ社)に資金拠出し、戦略的パートナーシップを締結しました。ソーラーギガ社は、遼寧省錦州市に太陽電池用単結晶シリコンインゴットおよびウェハーの製造子会社5社、上海市にシリコン原料の再生子会社を保有しています(添付地図参照)。住友商事は今回の出資を通じ、ソーラーギガ社製品の販売代理権を取得すると同時に、日本のみならず中国でも伸張著しい太陽電池原材料ビジネスの拡大を目指します。
太陽光発電は、世界的規模の環境問題意識の高まりや、化石燃料の需給逼迫と市況高騰などを背景に過去10年の間、日本・ドイツを中心に年率30%を超える勢いで普及して来ました。現在、ドイツ以外の欧州各国に加えて、太陽光発電への取り組みが遅れていた米国でもカリフォルニア州を筆頭に普及促進制度の導入によって、需要が急増すると予測されております。また、中国・インドなどの発展途上国でも同様の動きが活発化しており、クリーンエネルギーである太陽光発電普及への取り組みは世界的な気運となっています。
これまで太陽電池およびその原材料の製造は、日本、ノルウェー、ドイツを中心とした先進国が中心でした。しかし、補助金政策に助けられた急速な需要の伸びに原材料の供給が追いつかず、原料不足と高価格が成長の制約となってきており、更なる太陽光発電普及に向けて太陽電池の低価格化が現在の大きな課題となっています。近年、低コストと将来市場の巨大さから中国が注目されつつあります。製造コストを大きく抑えられる中国の製造業者が相次ぎ台頭、中国での生産量が急増しており、世界の製造拠点として中国の存在感は大いに高まりつつあります(添付資料を参照)。
ソーラーギガ社は、太陽電池用単結晶インゴットおよびウェハーの分野において、2000年より製造を開始した中国での先駆者です。現在、生産量および品質において中国トップクラスの企業であり、日本や欧州の太陽電池メーカーの品質認定を取得済です。また、世界でも数少ないシリコン原材料の再生事業を推進し、日本、米国、欧州からのシリコンスクラップをアップグレードして太陽電池産業の合理化に役立っています。
住友商事はこれまで、世界最大の太陽電池用原材料のバリューチェーンを展開するRenewable Energy Corporation(ノルウェー・オスロ市)への出資およびアジア向け販売代理権の取得などを通じ、太陽電池原材料ビジネスを拡大して参りましたが、今般、新たに伸長著しい中国での事業展開を図ります。同社製品を日本および中国国内へ拡販すると同時に、今後戦略的パートナーとして、同社との更なる共同事業展開も視野に入れながら、太陽電池原材料ビジネス拡大を目指していきます。太陽光発電におきましても、欧州向けに発電モジュールの輸出ビジネスに取り組んでおり、クリーンエネルギー・環境配慮型ビジネスを通じて、地球環境保全に貢献しています。
以上
【補足】単結晶シリコンと多結晶シリコンについて
単結晶シリコン・・・・半導体用シリコンインゴットと同じ製造法(CZ法)で製造され、太陽光の電気エネルギー変換効率に優れる。
多結晶シリコン・・・・凝固法により製造され、大量生産に適している。
【ソーラーギガ社の概要】
(1)正式名称:Solargiga Energy Holdings Limited
(2)本社所在地:Codan Trust Company (Cayman) Limited, Cricket Square, Hutchins Drive P.O. Box 2681, Grand Cayman KYI-1111
(3)代表者名:社長 譚 文華
(4)主な事業内容:太陽電池原材料のシリコンインゴットおよびウェハーの製造およびシリコン原料の再生
(5)主な事業所:中国錦州(シリコン単結晶製造 5箇所、生産能力:100MW
(2007年)、200MW(2008年計画))、上海(シリコン原料再生)
【ソーラーギガ社事業所在地図】
(※ 関連資料を参照してください。)
【添付資料 太陽電池の地域別生産量】
(※ 関連資料を参照してください。)
【参考資料 太陽電池の種類別特徴】
(※ 関連資料を参照してください。)