米GM、A123システムズ社と電気自動車用リチウムイオン電池を共同開発
GMとA123システムズ社がシボレー・ボルト用リチウムイオン電池を共同開発
契約締結によりシボレー・ボルトの画期的な推進システムの開発を促進
米ミシガン発-ゼネラルモーターズ(以下GM)とA123システムズ社は、A123システムズ社製のnanophosphate化学電池を用いて、GM E-Flexシステムの電気自動車用に、耐用時間が長く、安全かつ強力な電池の共同開発を行う。本契約により、E-Flexシステムのプラグイン自動車だけでなく、多種多様な燃料電池に対応する電池開発を促進することが期待されている。
GMグローバル商品開発副会長、ボブ・ラッツは、「革新的な電池技術は自動車推進システムの将来を大きく動かし、また最適な戦略パートナーと提携した企業こそが成功を収めるだろう。だからこそ、この契約は重要である。燃料電池を搭載するシボレー・ボルトやプラグイン・ハイブリッドを搭載する予定のサターン・ヴューも、基本的な電池の性能を理解する必要がある」と述べた。
ボブ・ラッツは、「シボレー・ボルトは、自動車業界の新たな方向性をリードすることになる。私達には、車が電気により駆動し、その電気を発電するシステムが車に搭載され、石油燃料への依存をより軽減できる将来像が見える。自動車業界にとっても、新しく大きなパラダイム・シフトであり、このことはA123システムズ社のような企業による電池の急速な進歩に負うところが大きい」とも述べている。
GMは今年、多種多様な電池の統合を含む、バッテリー・パックの先進開発を目的に、2社と契約を締結した。1社は、韓国の電池メーカーLG化学社の子会社であり、ミシガン州トロイに拠点を置く、コンパクト・パワー社(CPI)。2社目は、1次サプライヤーであるコンチネンタルAG社の部門であり、ドイツ・フランクフルトに拠点を置く、コンチネンタル・オートモーティブ・システムズ社。この2つの契約のうち、1つはCPI社と締結し、親会社であるLG化学社により開発された電池を使用する。2つ目はコンチネンタル社と締結し、GMとA123システムズ社により共同開発された電池を使用する。
GMエネルギー・ストーレージ・デバイス・アンド・ストラテジーのディレクターであるデニース・グレイは、「A123システムズ社及びLG化学社は両社とも電池サプライヤーとしてトップクラスに位置し、実績のある技術を持つ。1社、もしくは2社とものソリューションがE-Flexシステムに必要な要件を満たしてくれるものと確信している」と述べた。
現在A123システムズ社では、年間1,000万個を越える電池を生産し、nanophosphate化学電池の世界最大メーカーとなっている。これらの電池のほとんどが充電式工具に使われている。
この電池の共同開発こそ、交通輸送手段燃料の多様化を図るもので、選択肢の幅を広げることで石油燃料の利用から脱却させたいとするGMの最新の取り組みである。
現在、ハイブリッド・モデルでは、下記の様々なラインアップが生産されている。
・大型都市バスに搭載するGMディーゼル・ハイブリッド・電気システム
・サターン・ヴュー及びサターン・オーラ・グリーンラインのハイブリッドモデル
・新シボレー・マリブ・ハイブリッド
そのほか、GMはE-85燃料で駆動するバイオ燃料車において業界トップの生産者であり、すでに販売台数は200万台を超える。また、GMは自動車メーカーとして初めて、米国気候行動パートナーシップ(USCAP)の会員となっている。USCAPはグローバルな企業と非政府組織(NGO)から成る団体で、経済全体、市場主導型の取り組みとして、二酸化炭素の排出量削減活動を支援するために発足している。
以 上