アンリツ、携帯電話のアプリケーション試験効率化でCDMA2000ソリューションを強化
シグナリングテスタ MD8470A 機能強化
CDMA2000(R)方式携帯電話端末アプリケーション試験を大幅に効率化
アンリツ株式会社(社長 戸田 博道)は、携帯電話端末ソフトウェア開発・検証用の基地局シミュレータであるシグナリングテスタMD8470AのCDMA2000ソリューションを強化。新たに、CDMA2000方式携帯電話端末のアプリケーション試験を大幅に効率化できる2種類のソフトウェアを同時に開発。8月13日から販売を開始いたしました。
今回開発したソフトウェアは、MD8470AとCDMA2000携帯電話端末の双方向動作を実現するWireless Network Simulator(WNS)を搭載したCDMA2000シミュレーションキットMX847030A V3.0とCDMA2000ネットワークの状態を柔軟にシミュレーションできるCDMA2000 AppEase MX847031Aです。
Wireless Network Simulator(WNS)、CDMA2000 AppEaseをCDMA2000試験構成のMD8470Aに搭載することで、通信プロトコルに関する専門知識と多大な労力を要するテストシナリオ(※1)を作成することなく、さまざまな基地局動作のシミュレーションが可能。1台での1X/1xEV-DOハイブリッド動作(※2)試験、音声通話やデータ通信、SMS(※3)/MMS(※4)などの各種アプリケーション試験、1xEV-DO Rev.A(※5)試験、ハンドオフ(※6)試験、システム検出(※7)試験が簡単に効率よく行えます。
※CDMA2000(R)は、Telecommunications Industry Association(TIU-USA)の登録商標です。
[開発の背景]
第3世代携帯電話サービスがグローバルに普及する中、CDMA2000携帯電話端末においてもさまざまなアプリケーションが搭載されるようになり、年々アプリケーション・テストの比重が高まってきています。また、北米など海外では、エリア毎に通信サービス環境が異なることに加え、複数事業者によるローミング(※8)が主流となっており、ネットワーク環境が複雑化しています。このため、CDMA2000携帯電話端末のアプリケーション開発を効率よく行える基地局シミュレータが強く求められていました。
そこでアンリツは、シグナリングテスタMD8470AのCDMA2000ソリューションを強化。新たにCDMA2000シミュレーションキットMX847030A V3.0とCDMA2000 AppEase MX847031Aを開発いたしました。
今回開発したソフトウェアを使用することで、テストシナリオを作成することなく、CDMA2000携帯電話端末動作検証のためのさまざまな基地局シミュレーションが可能。1X/1xEV-DOハイブリッド状態での音声通話やSMS/MMSといった各種アプリケーション試験に加え、より高度な基地局シミュレーションを必要とする1xEV-DO Rev.A試験、ハンドオフ試験、システム検出試験を簡単に効率よく行えます。
[製品概要]
CDMA2000試験構成のMD8470AにWireless Network Simulator(WNS)とCDMA2000 AppEase MX847031Aを搭載することで、音声通信、データ通信、SMS/MMS、ハイブリッド動作、ハンドオフなどさまざまな呼接続状態におけるCDMA2000携帯電話端末の動作を検証できます。
■Wireless Network Simulator(WNS)
MD8470AにCDMA2000方式携帯電話端末を接続するだけで、MD8470Aと携帯電話端末の双方向動作を実現するソフトウェア。CDMA2000シミュレーションキットMX847030A V3.0より標準機能として搭載されます。基本的な通信条件がGUI(※9)上の操作で設定可能であり、1X/1xEV-DOハイブリッド状態での音声通話、データ通信、SMS/MMS、ブラウジング/コンテンツダウンロード、パケット・音声同時通信などの各種アプリケーション試験における呼接続の状態がグラフィカルに表示されます。
<サービスの競合試験(1xEV-DOパケット通信中の1X音声着信)>
※ 関連資料参照
■MX847031A CDMA2000 AppEase
CDMA2000ネットワークの状態を柔軟にシミュレーション可能とするソフトウェア。1X/1xEV-DOハイブリッド動作試験に加えて、1xEV-DO Rev.A試験、複数セクタ(※10)/複数キャリア環境下での各種ハンドオフ試験、システム検出試験などが容易に実施できます。また、独自に開発したAPI(※11)を搭載しており、各種シミュレーション機能のリモート制御が可能。効率よく試験システムを自動化できます。
<複数セクタ/複数キャリア環境での通信アイドル状態>
※ 関連資料参照
【シグナリングテスタ MD8470A】
MD8470Aは、W-CDMA/HSDPA/HSUPA、GSM/GPRS/EGPRS、CDMA2000 1X/1xEVDO、TD-SCDMA方式の携帯電話端末機能試験を1台で実現する基地局シミュレータです。
コンパクトサイズであり、かつユーザインタフェース用のプロセッサにWindows(R) operating systemを採用していることから、外部サーバや制御用PCが不要。エンジニア一人ひとりがパーソナルな開発環境で、効率良く携帯電話端末の機能試験を行えます。
※Windows(R)は、Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
[対象市場・用途]
□対象市場:携帯電話端末メーカー、携帯電話用アプリケーション開発メーカー
□用途:CDMA2000方式携帯電話端末のソフトウェア開発・検証
[営業情報]
□予定販売台数(初年度1年間) :
MX847030A CDMA2000 シミュレーションキット V3.0:国内/海外計 100セット
MX847031A CDMA2000 AppEase:国内/海外計 50セット
□価格
CDMA2000 1X/1xEV-DOアプリケーション試験構成
:930万円(サポート契約含む)
CDMA2000 1X/1xEV-DO+複数セクタ/複数キャリア+AppEaseハンドオフ試験構成
:1700万円(サポート契約含む)
[用語解説]
※1 テストシナリオ
基地局と端末間のメッセージをやりとりする任意に編集可能なプロトコルシーケンス。このシーケンスに従ってMD8470Aは動作し、基地局動作の柔軟なシミュレーションが可能となる。
※2 ハイブリッド動作
CDMA20001X方式とCDMA20001xEV-DO 方式が混在した状態での動作。
※3 SMS:Short Message Service
携帯電話同士で利用される短い文字メッセージを送受信できるサービス。
※4 MMS:Multimedia Messaging Service
SMSとの相互運用性を保ちつつ、音声や画像、動画などマルチメディアに対応したメッセージサービス。MMSはパケット通信や第3世代移動通信の世界的な普及にともない、利用者が増加している。
※5 1xEV-DO Rev.A
CDMA2000第3世代携帯電話システムのパケット通信速度を高速化した方式。CDMA2000 1xEV-DO Revision 0をさらに改良したもの。
※6 ハンドオフ
携帯電話端末の移動に伴い接続する基地局を切り替えること。ハンドオフ時のプロトコルの状態、対象区域により、セル(1つの基地局がカバーするエリア)間のハンドオフやセクタ(1つの基地局のカバーエリアを扇形に分割した区域)間のハンドオフ、ハンドオフ元の回線を切断したあとハンドオフ先の回線を接続するハンドオフなど、数種類のハンドオフ試験が存在する。
※7 システム検出(System Determination)
複数事業者にローミング可能なサービスエリアにいる際、契約している事業者へ優先的に接続する機能。
※8 ローミング
事業者間の提携により、契約しているサービス事業者のサービスエリア外であっても、利用者が提携先の事業者エリア内にいれば、契約事業者と同様のサービスを受けられること。
※9 GUI:Graphical User Interface
ユーザーに対する情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作をマウスなどのポインティングデバイスによって行うことができるユーザインターフェースのこと。アプリケーションソフトの操作感の統一や、開発負担の軽減などが図れる。
※10 セクタ
1つの基地局のカバーエリアを扇形に分割した区域のこと。
※11 API:Application Program Interface
プログラミングの際に使用できる命令や関数の集合のこと。開発者は規約に従って各関数をコールするだけで、その機能を利用したプログラムを作成することができる。
■お客様からのお問合せ先
アンリツ株式会社 計測サポートセンター
TEL.0120(827)221
E-mail: MDVPOST@cc.anritsu.c