シャープ、廃プラスチック部材から高品位再生プラスチックにリサイクルする技術を開発
2008年度に再生プラスチックの使用量1,000トン(2006年度比1.6倍)を目指す
廃プラスチック部材※1のリサイクル新技術の開発
シャープは、家電4品目(テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機)から回収した「金属部品や異樹脂が付着した状態の従来は廃棄処理されていたプラスチック部材」から、高純度のポリプロピレン(PP)を分離回収し、高品位の再生プラスチックにリサイクルする技術を業界で初めて開発しました。これを“家電新製品の外装部材”に再利用することにより、2008年度に再生プラスチックの使用量1,000トンへの拡大を目指します。
当社は、2001年度に、家電4品目から回収した単一素材の廃プラスチック部材(PP:ポリプロピレンまたはPS:ポリスチレン)を家電新製品の部材として繰り返し再利用する「自己循環型マテリアルリサイクル」の技術を開発・実用化し、新品プラスチックの使用量を削減して化石資源の節約に努めてまいりました。一方、この取り組みをさらに進めるためには、廃プラスチックの回収量と再生プラスチックの用途拡大が課題となっていました。
今回、この廃プラスチック部材の再生のために、「高効率金属除去ライン」を関西リサイクルシステムズ株式会社※2に設置するとともに「高純度PP分離回収技術」を新開発しました。さらにここで分離回収したPPを、宇部興産株式会社(代表取締役社長 田村浩章)の独自技術で着色し異物を見えにくくすることで、家電新製品の外装部材への再利用が可能となり、自己循環型マテリアルリサイクルが実現しました。
当社では、この技術をまず、2007年9月に冷蔵庫※3の外装部材へ採用し、2008年度には再生プラスチック全体の新製品への使用量を1,000トンにする目標(2006年度実績620トン)で取り組んでまいります。
今後も、リサイクル技術の革新を図るとともに、再資源化を推進することで化石資源の消費を削減し、企業ビジョンである「2010年地球温暖化負荷ゼロ企業」※4の実現を目指してまいります。
※1 ポリプロピレン(PP)に鉄・アルミニウムなどのビスやシールといった金属部品や、ポリスチレン(PS)やアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)など異なった材質の樹脂が付着した状態の従来は廃棄処理されていたプラスチックのこと。※2 シャープと三菱マテリアルなど7社が共同で出資している家電リサイクル会社
※3 SJ-HD50P、SJ-HD46P
※4 「当社が全世界での事業活動で排出する温室効果ガスの量」を可能な限り抑制する一方、「当社が生産した太陽電池による創エネルギーと商品の省エネルギー効果による温室効果ガス削減量」を大きく拡大することで、2010年度までに温室効果ガスの削減量が、排出量を上回るようにすること。
※詳細は添付資料を参照