ノバルティス、抗悪性腫瘍剤「グリベック」がPh+ALLの適応を追加取得
「グリベック(R)錠」
フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の適応を追加取得
ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:馬場宣行)が発売している抗悪性腫瘍剤「グリベック(R)錠100mg」(一般名:メシル酸イマチニブ)は、1月31日に「フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病」(以下:Ph+ALL)の適応を新たに取得しました。
Ph+ALLは、急性リンパ性白血病の一種で、フィラデルフィア染色体と呼ばれる染色体異常が認められるのが特徴です。
グリベックは、すでに慢性骨髄性白血病(CML)の効能・効果を取得しており、Ph+ALLの病因として重要な役割を果たしているBcr-Ablチロシンキナーゼ活性を阻害することによりPh+ALLの新たな治療法として期待が寄せられていました。このたび、国内外の臨床試験の結果からその有効性・安全性が評価され、効能・効果が追加となりました。フィラデルフィア染色体は成人の急性リンパ性白血病患者の最も有害な予後因子として知られており、グリベックはPh+ALLに対して適応が初めて認められた薬剤です。
ノバルティス ファーマ株式会社代表取締役社長の馬場宣行は、今回の適応追加に関して以下のように述べています。「有効な治療手段が少なく予後不良のPh+ALLについては、より有効な治療法の速やかな開発が求められてきました。今回の効能追加により、新たな治療法の選択肢を提供することができるようになり、Ph+ALLの患者さんに貢献できることをうれしく思います」
グリベック(R)錠は、慢性骨髄性白血病(CML)の治療薬として、日本では2001年12月7日に発売となり、2003年7月17日にKIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍の効能・効果を追加取得しています。
●フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病について
急性リンパ性白血病は、骨髄中のリンパ系造血幹細胞が腫瘍化するリンパ性白血病のひとつです。悪性化した未熟なままのリンパ球である白血病細胞(骨髄中の未熟な血液細胞:芽球)が著しく増加し、正常な白血球・赤血球および血小板が機能しなくなることにより、感染症、貧血(疲労感)、出血および他の深刻な症状を引き起こし、最終的に死に至る危険性の極めて高い疾患です。フィラデルフィア染色体の本態であるbcr-abl遺伝子が作り出すたんぱく質Bcr-Ablチロシンキナーゼは、細胞増殖シグナルを異常亢進することによりこの細胞増殖を司っています。フィラデルフィア染色体の有無によって他の急性リンパ性白血病と区別されます。Ph+ALLの日本での成人発症率は、急性リンパ性白血病(年10万人あたり約1名)全体の15~30%を占めるとされています。
●ノバルティス ファーマ株式会社について
ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置くヘルスケアにおける世界的リーダー、ノバルティスの医薬品部門の日本法人です。ノバルティス グループ全体の2006年の売上高は370億米ドル(約4兆2,943億円)で、当期純利益は72億米ドル(約8,354億円)、研究開発費は54億米ドル(約6,205億円)で、約101,000人の社員を擁しており、世界140カ国以上で製品が販売されています。 http://www.novartis.co.jp/
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以上
(※ 参考資料あり。)