フジタ、2階建てシステム建築に1階柱間隔が従来比2倍の新タイプを投入
「フジタ ローコストファクトリー」二階建てに新タイプ投入
Webによる簡易見積りサービスを強化
株式会社フジタ(本社:東京都渋谷区、社長:網本勝彌)は工場や倉庫、量販店などに適した二階建てシステム建築「フジタ ローコストファクトリー(FLF-2)」を大幅更新し、1階柱間隔が従来の2倍となる、最大12mの新タイプを投入しました。試算によると建築コストが約10%減、工期が1カ月短縮するモデルもあり、お客様にとってもメリットが大きいと考えています。
これにあわせて、専用のホームページ(http://info.fujita.co.jp/flf/)の充実も図っており、お客様が必要なデータを入力すれば、簡易見積りによって即座に建築コストを知ることができます。すでに営業に活用しており、二階建て需要の増大に対応した今回の新タイプの投入によってWebによる営業機能が一段と拡充することになります。
【 フジタ ローコストファクトリーに関わる開発の推移 】
当社は、使用部材や架構(組み立て方)の標準化・モジュール化、新しい架構システムの採用などにより、低価格で短工期を実現したシステム建築、フジタ ローコストファクトリー(FLF)の営業展開を2000年7月に開始し、現在までに約50件、20万m2の工場、倉庫、量販店、物流施設などに採用されてきました。近年では、大スパン化(無柱空間)の要望に対して、最大スパン42.0mの大空間建築「FLF-Long」を2004年9月に開発しています。
一方、さまざまな用途に対する二階建てFLFの要望も非常に多く、今まで従来のFLF-2で対応してきましたが、2階の荷重を支持するための1階内部の柱間隔(桁行き方向=建物平面の長い方向)を6mとしていたため、生産ライン等のレイアウトの自由度が制限され、十分なお客様への対応ができていませんでした。そこで、二階建てを標準プランとするローコスト食品工場「フーイック」※(昨年7月に営業展開開始)の開発を機に、新しいタイプの二階建てローコストファクトリーの開発を、昨年4月より行ってきました。
【 FLF-2の特長 】
建築物は一般的に、二階建ての1階柱が負担する荷重は、平屋建ての柱の10倍以上にもなります。したがって、平屋建てシステム建築で得られる大きなメリットは、重層建築物の場合、その最上階だけに発揮されていました。
FLF-2では、1階部分に以下の特長を持たせることによりローコスト化を追及し、柱の少ないフレキシビリティーの高い空間を生み出しました。
・桁行き方向はブレース構造とし、デザインのシンプルな高強度太径丸鋼タイロッドブレースを採用
・柱には、コスト・納期にメリットのある広幅H形鋼を採用
・内部柱間隔は、梁間方向(建物平面の短い方向)、桁行き方向ともに最大12mスパン
【 FLF-2のメニューと価格 】
FLFのコンセプトは「雨風を凌ぐ最低限の仕様」としており、FLF-2でも基本的には同様です。しかし、使用用途により、2階に重量物を積載したり外壁に断熱性能が必要な場合もあるため、FLF-2の標準仕様には以下のメニューを用意しました。
・3種類の規模(延べ床面積:11,000m2、5,500m2、3,000m2)を標準モデルとして設定
(簡易見積りは3,000m2以上の任意の面積で可能)
・2階の積載荷重は、500kg/m2、1,000 kg/m2(床用)の2種類を用意
・外壁、屋根に断熱性能のない「標準タイプ」と、断熱性能を持たせた「断熱タイプ」を用意
・荷物用エレベーターは標準装備
・基礎は杭基礎が標準(標準価格は杭長21mで設定)
・価格は152,000円/3.3m2(11,000m2、500kg/m2、標準タイプの、首都圏での税抜き価格)より
【 今後の取り組み 】
FLFでは、お客様のニーズに即応するためオプションの充実を図っています。今回のバージョンアップに伴い、既設オプションの見直しを行い、Webにより簡易的にオプションコストが算出できるシステムの開発を進める予定です。
※ローコスト食品工場「フーイック」:株式会社芦田工務店殿と共同で開発した、坪単価55万円(HACCP・ISO22000対応水準の衛生環境を備えた標準モデル)の食品工場