J.D.パワー、「2006年中国自動車商品性評価」調査結果を発表
中国における自動車商品魅力度の調査で
GM車が6つのセグメントのうち3つでトップ
2006年中国自動車商品性評価(APEAL)調査
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D.パワー アジア・パシフィック(本社:東京都港区、代表取締役社長:蓮見南海男、略称:J.D.パワー)は、2006年中国自動車商品性評価(Automotive Performance,Execution and Layout、略称APEAL)調査の結果を発表した。
当調査は新車購入時から2~6ヶ月経過した車の所有者を対象に、中国における自動車の性能や装備品、デザインに関する車の商品魅力度を調べるもので2003年から実施している。調査の内容は「エンジン/トランスミッション」、「内装/インパネ」、「乗り心地/ハンドリング」、「空調関係」、「快適性/利便性」、「オーディオ」、「シート」、「スタイリング/外装」の8つのファクターで構成されている。
中国の主要22都市において2006年7月から9月にかけて面接調査を実施し、2006年1月から7月の間に購入した車について7,148人から回答を得た。
◆競争激化の中国市場では商品魅力度の高さが極めて重要◆
<セグメント別ランキング>
今回の調査では、ゼネラルモーターズ(GM)のモデルが6セグメント中3つでトップに立った。各セグメントにおいて業界平均以上にランキングされた上位3モデルは次の通りである。
コンパクトカー・セグメントでは、シボレー・スパークが1,000ポイント満点中748ポイントで第1位となった。
スパークは全てのファクターにおいて評価が高かった。第2位はスズキ・ワゴンR(735ポイント)、第3位は天津・シャリ(721ポイント)だった。
プレミアム・コンパクトカー・セグメントの第1位は、新たに市場投入されたシボレー・アヴェオで、スコアは794ポイントだった。8つのファクターのうち6つで評価が高かった。第2位も新たに市場投入されたモデルがランクされた。スズキ・スイフトで、スコアは777ポイントだった。なお、当セグメントでセグメント平均以上にランクされたのは、この2モデルのみだった。
MPVセグメントでは、ビュイック・GL8が823ポイントで第1位に立った。第2位はホンダ・オデッセイで、スコアはGL8と1ポイント差の822ポイントだった。第3位にはJAC・リファイン(783ポイント)が入った。
エントリー・ミッドサイズカー・セグメントの第1位は843ポイントを得た日産・ティーダで、8つのファクター全てにおいてスコアがセグメント中で最も高かった。以下、ホンダ・シティ(825ポイント)、トヨタ・ヴィオス(820ポイント)が続く。
ミッドサイズカー・セグメントでは、新たに市場投入されたホンダ・シビックが第1位となった。スコアは調査開始以来当セグメントで最高の850ポイントで、ファクター別の評価では8つのファクターのうち7つで高かった。
第2位はフォルクスワーゲン・ゴルフ(840ポイント)、第3位にはトヨタ・カローラ(822ポイント)が入った。
飽和市場であるプレミアム・ミッドサイズカー・セグメントでは、新たに市場投入されたトヨタ・レイズ(843ポイント)が第1位にランクされた。ファクター別に見ると4つのファクターで高い評価を得た。以下、第2位はフォルクスワーゲン・パサート(840ポイント)、第3位はマツダ・6(837ポイント)だった。
<その他の調査結果>
業界全体で8つのファクター全てにおいて前年(2005年)に比べてスコアが下がっている。ほとんどのセグメントでも同様にスコアが下がり、業界平均スコアは前年比8ポイント減の788ポイントとなった。要因のひとつはハッチバック・モデルの市場シェアが増えたことにある。低価格のセグメントほど、この傾向が強い。ハッチバックのシェアは前年の13%から2006年は18%に増加したが、ハッチバックの商品魅力度スコアは業界平均を大きく下回っている。
商品魅力度の低下は、車に対する顧客のニーズが急速に変化していることや、高まり続ける顧客の期待にメーカーが継続的に応える必要があることを示している。実際、新規投入モデルが急増しているのにも関わらず、「欲しいモデルだから」という理由で新車を購入した顧客の割合は、2005年の13%から2006年は10%まで減っている。さらに、通常は高い満足度を示すこれらの顧客の評価が下がっており、このことはメーカーが顧客の興味をそそるために各モデルの魅力度を高めることのできる余地がまだあることを示している。
市場に新規投入されたモデルの魅力度評価は、投入後1年以上経過しているモデルに比べて平均15ポイント高かった。6つのセグメントのうち、プレミアム・コンパクトカー、ミッドサイズカー、プレミアム・ミッドサイズカーの3つのセグメントで新規投入モデルがトップとなっている。
中国市場の競争はますます激化し、メーカーは市場シェアを維持し拡大するために新規モデル投入の速度を上げている。海外ブランド、中国ブランドの双方にとって、中国市場は収益拡大のためのより重要な市場となっており、そのためメーカーは消費者に最上のモデルを提供するための投資を進めている。各セグメントで価格の均一化が進み、消費者が多様な車種を求めるようになっている中、メーカーは中国の顧客の声に耳を傾け、それをデザインや性能に適切に生かす必要があるだろう。
海外ブランドと中国ブランドの魅力度評価の差が2005年の調査結果より縮小している。今回の調査結果では海外ブランドのスコアが前年比11ポイント減だったのに対し、中国ブランドは2ポイント減に留まった。ファクター別の評価でも、海外ブランドは2005年に比べて8つのファクター全てにおいて大きく下がったが、中国ブランドは7つのファクターで大きな変化が見られなかった。
顧客の推奨意向やロイヤルティと商品魅力度の間には高い相関性があることがわかった。車の魅力度について「非常に満足している」と答えた顧客では68%が同じモデルを友人や知人に「必ず勧める」と回答している。反対に車の魅力度について「どちらとも言えない」と答えた顧客では推奨意向は10%まで減少する。また10人中約4人(38%)の顧客が車の購入理由として友人や知人による推奨を挙げている。
<株式会社J.D.パワー アジア・パシフィックについて>
当社は米国J.D.パワー・アンド・アソシエイツの日本を含むアジア地域でのビジネスの拠点として1990年に設立された。自動車業界を始めコンピューター、通信関連、OA機器、サービス産業、金融など様々な業界において顧客満足に関する調査やコンサルティングを実施している。ISO9001およびプライバシーマーク取得。会社概要や提供サービスなどの詳細は当社ウェブサイトhttp://www.jdpower.co.jpまで。
<J.D.パワー・アンド・アソシエイツについて>
ザ・マグロウヒル・カンパニーズの一部門であるJ.D.パワー・アンド・アソシエイツ(本社:米国カリフォルニア州ウェストレイク・ビレッジ)は、マーケティング・リサーチ、生産・販売予測、コンサルティング、教育・トレーニングおよび顧客満足度調査を実施している国際的な情報サービス企業である。数百万人の消費者からの回答をもとに品質や顧客満足度に関する調査を毎年行なっている。ISO9001取得。
<ザ・マグロウヒル・カンパニーズについて>
1888年に設立されたザ・マグロウヒル・カンパニーズは、スタンダード&プアーズ、マグロウヒル・エデュケーション、ビジネスウィーク、J.D.パワー・アンド・アソシエイツなどを通じて金融サービス、教育、ビジネスに関する情報を提供している国際的な情報サービス企業である。世界40カ国に280カ所以上の拠点を有し、2005年の売上高は60億ドルにのぼる。詳細はウェブサイトhttp://www.mcgraw-hill.comまで。
*添付資料あり。