ノバルティス、「加齢黄斑変性」を中心とした眼疾患に関する意識調査結果を発表
50代から70代の男女対象、眼疾患に関する意識調査
加齢黄斑変性、4人に1人が認知
しかし、白内障や緑内障と比べると依然低い認知度
~白内障、緑内障は約9割の認知。失明の危険性もある加齢黄斑変性へ理解が必要~
ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:馬場宣行)は、2006年10月、全国の50代から70代の男女2,304名に対し、「加齢黄斑変性」を中心とする眼疾患に関する意識調査を実施しました。
その結果、加齢黄斑変性の認知度は24.3%と、4人に1人が知っていることが明らかになりました。しかし、約9割の認知がある白内障や緑内障といった眼疾患に比べ、依然として低い認知度といえます。
また、眼疾患の不安を感じたときに、最初に相談する相手として、「家族」が39.5%と最も高く、「近隣のクリニックの眼科医」が37.9%、「総合病院の眼科医」が11.9%と続きました。また、50代・60代では、男性のほうが女性よりも、眼科医よりもまず家族に相談する傾向のあることも明らかになりました。
今回の調査結果を受け、香川大学医学部 眼科学講座 教授 白神 史雄先生は、以下のようにコメントしています。
『加齢黄斑変性は、欧米諸国では患者数も多く、以前より成人の中途失明の主要な原因疾患です。日本でも高齢化に伴い、その患者数は近年増加傾向にあります。加齢黄斑変性は放置しておくと失明にいたる場合もありますので、今後も多くの方々に本疾患を正しく理解していただきたいと思います。片目で見たときに物が歪んで見えたり、中心が黒く見たりするなどの症状があれば加齢黄斑変性が疑われますので、早めに近隣の眼科医を受診されることをお勧めします。現在は有効な治療法もありますが、他の疾患と同様、早期発見早期治療が大事ですので、50歳以上の方は日頃から気をつけていただきたいと思います』
<主な結果のサマリー>
▼加齢黄斑変性の認知率は24.3%と4人に1人が知っているが、白内障(92.5%)、緑内障(87.8%)、糖尿病網膜症(57.7%)に比べると依然として低い。年齢・性別でみると、女性の加齢黄斑変性に対する認知率が28.2%と男性を8.2%上回っており、年齢別では60代の認知率が26.3%と最も高かった。(図(1)、表(1))
▼眼疾患への不安を感じたとき、最初に相談する相手として、「家族」が39.5%と最も高く、「近隣のクリニックの眼科医」が37.9%、「総合病院の眼科医」が11.9%と続いた。また、男性(43.5%)のほうが女性(35.9%)よりも、まず家族に相談する傾向にあった。(図(2)、(3))
▼実際に、疾患の診断を受けたことがある率は、白内障(15.9%)、緑内障(4.5%)、加齢黄斑変性(1.5%)、糖尿病網膜症(1.0%)となっており、加齢黄斑変性は糖尿病網膜と同じくらいの患者数である事が示唆された。また、年齢・性別でみると、女性60代が2.5%と最も高く、次いで女性70代(2.2%)、男性60代(2.1%)が続いている。(図(4)、表(2))
ノバルティス ファーマは、2004年に加齢黄斑変性症治療薬「ビスダイン」(一般名:ベルテポルフィン)を発売して以来、新聞への疾患啓発広告掲載や市民公開講座の開催などを通じて、加齢黄斑変性に対する疾患啓発活動を行っています。また、ノバルティス ファーマのホームページには加齢黄斑変性に関する情報が掲載されており、自己チェックができる「アムスラーチャート」も入手できます。(http://www.novartis.co.jp)
■加齢黄斑変性について
網膜の中心部の黄斑と呼ばれる部分が、加齢に伴って色々な異常を伴った状態を加齢黄斑変性(以下AMD)といいます。AMDには、萎縮型(ドライ)と滲出型(ウェット)の2つの型があります。萎縮型は網膜の中心部細胞の萎縮および壊死によって起こるため、長い間かかって視力が低下していきます。滲出型は、網膜中心部に脈絡膜新生血管という異常な血管が発生することで出血や滲出物により視力が低下します。このため、滲出型は急速に視力が低下し、重篤な場合には数ヶ月で日常生活が困難になる状態になることもあります。
AMDは、欧米諸国では50歳以上の失明の主な原因の一つとなっている疾患で、日本でも高齢化に伴い患者数が増加しています。福岡県久山町の住民を対象とした研究では、AMDを有している人は50歳以上の0.87%、そのうち滲出型は50歳以上の0.67%、およそ33万4000人と推定されています1)。
1)Yuji Oshima et al.,Br.J.Opthalmol.2001;85;1153-1157
<調査概要>
全国の50代-70代の男女個人2,304名へFAXを活用し調査を実施。調査期間は、2006年10月18日~10月24日
以 上
【 ノバルティス ファーマ株式会社について 】
ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置くヘルスケアにおける世界的リーダー、ノバルティスの医薬品部門の日本法人です。ノバルティス グループ全体の2006年の売上高は370億米ドル(約4兆2,943億円)で、当期純利益は72億米ドル(約8,354億円)、研究開発費は54億米ドル(約6,205億円)でした。スイス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは、約101,000人の社員を擁しており、世界140カ国以上で製品が販売されています。
http://www.novartis.co.jp/
*参考資料あり。