ファルコバイオシステムズ、米社と大腸がん関連遺伝子特許の使用許諾契約を締結
ジェンザイム・コーポレーションとの特許使用許諾契約締結について
当社は、ジェンザイム・コーポレーション(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、以下、ジェンザイム社)との間で、大腸がん関連遺伝子特許の使用許諾契約を、本日付けで締結いたしましたのでお知らせいたします。
本契約により、当社がジェンザイム社から使用許諾を受ける遺伝子は、遺伝性大腸がんの一種である家族性大腸ポリポーシス(FAP)に関わるAPC遺伝子、遺伝性非ポリポーシス性大腸がん(HNPCC)に関わるMLH1/MSH2遺伝子であり、当社解析センター(総合研究所内)にて検査の実施が可能となります。
*注: わが国では毎年約10万人が新たに大腸がんを発症し、そのうち3~5%がHNPCCと見られています。一方、FAPは出生17,400人に1人の割合とされています。
ここ数年、わが国では遺伝子診療の担い手である臨床遺伝専門医の認定や遺伝子診療部門を設置する医療機関の数も徐々に増加しており、専門職としての認定遺伝カウンセラーを養成する大学院コースを設置する大学も年々増加してきています。このような状況から、ヒト遺伝子検査の臨床的な需要に今後急速な伸びが見られるものと判断し、検査受託可能項目の拡充を図るため、標記の特許使用許諾契約を締結いたしました。
本契約は当社のヒト遺伝子検査事業にとって、今後増加が予想される発症リスク診断のための臨床検査項目を幅広く揃えるための、重要な一歩になるものと考えております。
当社は、平成12年2月に米国ミリアド社との間で、同社の保有するヒト遺伝子特許の日本国内独占使用権許諾契約を締結しており、第一弾としてBRCA1/BRCA2遺伝子(遺伝性乳がん・卵巣がんに関与)検査の日本人における臨床的有用性を検証するための臨床研究を実施して参りましたが、この研究は昨年中に完了し、現在データ公表の準備中です。
今回使用許諾契約を締結した大腸がん関連遺伝子はBRCA1/BRCA2遺伝子の場合とは異なり、既にわが国での臨床的有用性が確立しているため、今後比較的早くニーズの拡大が見込めると期待できます。
米国では、ミリアド社が既にBRCA1/BRCA2遺伝子、APC遺伝子、MLH1/MSH2遺伝子検査を実施することにより、毎年安定した成長発展を維持していますが、わが国においては、今ようやくヒト遺伝子検査普及の医療体制における前提条件が整って来たものと言えます。このような状況に応じて、当社といたしましては専門医および医療機関に対する積極的な情報提供を伴うサポート活動をさらに強化して、遺伝子検査の本格的な普及に貢献して参ります。
以上
記
契約締結日:平成19年2月1日
売上予測 :平成20年9月期 5千万円
平成22年9月期 2億円
※ 大腸がんの新患者数は年々増加の一途をたどっており、FAPとHNPCC両疾患併せての市場規模は、年間最大6億~10億円と予想されます。