NEC、青山学院幼稚園で不審者対策の映像監視システム実証実験を開始
青山学院幼稚園において侵入者の不審行動を自動的に検知し犯罪を防止する
高度映像監視システムの実証実験を開始
~ 映像監視とRFIDを組み合わせた国内初のシステム ~
NEC(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長:矢野 薫)ならびに学校法人青山学院(本部:東京都渋谷区、理事長:松澤 建、以下青山学院)はこのたび、青山学院青山キャンパス内の幼稚園において、侵入者の不審行動を自動的に検知することにより犯罪を未然に防止する高度映像監視システムの実証実験を本日から開始いたしました。本システムは、監視カメラの映像監視技術とRFIDによる認証技術を組み合わせた高度な映像監視システムとして、国内初の導入事例であります。
青山学院ではこれまでにも「安全性」を基本理念の第一に設定し、幼稚園から大学院までを擁する都市型キャンパスの安心・安全の維持・向上に努めております。このたびの実証実験もその一環として行われるものであり、最新の技術・システムを駆使した高度なセキュリティの実現について具体的に検証するものであります。
1.実証実験の期間と目的
実験期間: 平成19年2月1日(木)~2月28日(水)
実験目的: 映像監視とRFIDを組み合わせたシステムにおける、(1)犯罪の未然防止に向けた検知精度の向上、(2)実際の学校内環境における技術課題の解消、(3)運用体制・警備体制に即したヒューマンインタフェースの確立。
2.実証実験の概要
幼稚園内に設置された監視カメラの映像をリアルタイムに、画像解析を行うことにより、不審者のうろつき・侵入禁止エリアへの侵入、および不審物の置き捨てなどを自動的に検知してアラームを発します。さらに、RFIDタグとの連動を行うことで、園内に近づいてくる人が関係者か部外者であるかを把握した上で、不審な行動があった場合にのみアラームを発します。なお、本実験で用いるRFIDタグはUHF帯を利用しているため、利用者にタグをかざす動作を強制することなく、遠隔での認証を実現しています。
今回の実験では、園児の保護者にあらかじめRFIDを貼付したIDカードを配布し、登園時に着用して頂くことでシステムが自動的に関係者であることを認識します。教職員も同様にこのIDカードを着用することにより、監視映像を一目見ただけで関係者・部外者を区別した判断が可能となります。
3.本システムの特長
映像監視技術とRFID認証技術とを連動させることにより、不審者の検出・禁止行動の判断を高度化し、精度の高い自動監視を実現しています。
これまでの映像監視システムでは、
・ 目視による監視では人の注意力に依存し、長時間・多画面の監視の際には見落としがある
・ 画像解析による自動検知の精度が低く、誤検知による業務への影響が大きい
・ 映像上で関係者・部外者の区別が出来ず、誤報原因の一つとなっていた
などの課題がありました。
本実証実験では、青山学院内に事前に設置した監視カメラの映像を元に画像解析の改善を図り、検知性能を向上させております。さらに、RFIDを貼付したIDカードを着用している関係者の接近にはアラームを発せず、IDカードを所持していない部外者の侵入・接近に対してのみアラームを発することで、上記の課題を解決するシステム開発を目指すものであります。また、RFIDに登録された属性情報を活用することで、関係者による不正や犯罪の防止、作業時のルール徹底、オープンスペースにおける関係者の行動把握なども可能としています。
NECでは本実証実験の成果を基に、学校・教育機関における高精度な映像監視システムの早期実用化をめざしております。さらに、蓄積された基礎技術をベースとして、電力・ガス・水道といった公共インフラにおける監視・管理業務、病院や介護施設における徘徊や不審者の検出、マシンルームや工場内における行動認証・作業エリア管理、テナントビルや店舗内における顧客行動解析・マーケティングなど、様々な各種業務システムとして提供することも検討しております。
また、青山学院では実証実験の成果を踏まえて、先進的な技術を活用することで、キャンパス内における不審者・不審行動の検出・把握を可能とし、児童・生徒の安全確保に向けた検討を進めて参ります。
近年、子供を狙った事件・事故の多発により、学校内での安全対策が急務とされております。このような中、青山学院では幼稚園児から大学院生までが学び、校友が集うファミリーキャンパスとして、安全・安心な教育環境の実現を目指すものであります。
本実証実験におけるシステム概要は、別紙をご参照下さい。
以上
■ 本件に関するお客様からのお問い合わせ先
NEC 市場開発推進本部
TEL: 03-3798-4572