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ニュースリリースのリリースコンテナ第二倉庫

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2025'02.11.Tue
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2007'07.09.Mon

東北大学、簡易・迅速にアスベストの有無を探知可能なオンサイト技術を開発

簡易・迅速にアスベストの有無を探知可能なオンサイト技術の開発に成功


 東北大学大学院工学研究科附属エネルギー安全科学国際研究センター 橋田俊之教授、尾家慶彦助手および元同大環境科学研究科 山崎仲道教授(現・大阪大学)らの研究グループならびに財団法人マエタテクノロジーリサーチファンド 前田直己理事長は、染料を使用して建材等製品中のアスベストを選択的に染色し、アスベスト(石綿)を短時間で簡単に検出できるオンサイト技術を開発した。本技術は、エックス線などを使用する従来の検査方法と比べ、高度な専門技術や高額な機器を必要とせず低コストで検査が可能となり、簡易な講習程度で検査を実施できるため、一般家屋など広範囲にわたるアスベスト使用状況の調査に役立つ技術として期待されている。また、試料の粉砕が必要ないため、アスベスト飛散のリスクが抑えられる上、アスベスト存在位置の確認も可能である。本研究は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の東北大学への受託研究の一つである緊急アスベスト削減実用化基盤技術開発プロジェクト(「水溶性塩基染料の吹き付けによるアスベスト有無の簡易判別法」、プロジェクトリーダー・財団法人マエタテクノロジーリサーチファンド・前田直己理事長)による研究成果である。


[背景]
 平成17年6月、民間企業によって、従業員や周辺住民等へのアスベストによる健康被害が公表され、その深刻さが甚大であることが次々と明らかになってきた。アスベストは、現在でも一部では使用されたり、使用禁止とはなっているもののさまざまな建材や工業製品の中にも含まれたりしているため、今後も健康被害が継続する可能性がある。アスベスト全廃を加速するためには、まず、環境中のアスベストの探知・計測する技術の開発が必要である。アスベストの探知・計測技術には位相差顕微鏡やX線回折などを用いる手法があるが、アスベストの使用場所が極めて広範囲に渡ること、一般住民が最もアスベストによる暴露を不安に感じていること、解体・回収時のアスベスト暴露状況をモニターする必要があることなどから、混合物系への対応、高感度検出、非接触計測といった従来以上の性能・機能が求められると同時に、小型軽量化、簡便な取扱といった実用的観念からの改良も必須であり、技術的ブレークスルーが求められている。


[従来技術]
 現在行われている製品中アスベスト分析法は、JIS1481-2006に定められているように、まず定性分析を行い、その後定量分析を行っている。定性分析では、顕微鏡により繊維状物質の確認を行い、確認された場合は分散染色法による位相差顕微鏡観察、偏光顕微鏡による観察、もしくはX線回折法によりさらに分析を行う。しかし、いずれの方法とも専門技術を必要とし、非常に時間がかかるため高コストとなっている。


[開発した選択的アスベスト染色探知技術]
 これまでに、本研究グループと親交のあるカナダ・ラバル大学・Habashi名誉教授により、アスベストの中で使用率が90%以上である白石綿を染料により染色可能なことが報告されていた。これは、白石綿中のマグネシウムと結合する染料を使用し、染色を行う技術である。しかしながら、この種の染料は、建材等製品中基質の成分とも反応して、製品ごと全て着色してしまうため白石綿の探知を行うことは不可能であった。今回の開発は、この白石綿染色技術をベースに、建材製品中の基質成分と染料の反応を他の試薬の前処理で抑止することによって、白石綿のみを選択的に染色・探知可能とする技術としたものである。


[建材中の白石綿の選択的染色]
 白石綿を含む建材を、粉砕することなく、カルシウム選択的錯化剤であるO,O'-Bis(2-aminoethyl)ethyleneglycol-N,N,N',N'-tetraacetic acid (EGTA)により前処理を行い、予めマスキング処理を行っておく。この作業により、染料は建材製品中基質主成分のカルシウムと結合できなくなる。この後、染料処理を行うと、染料は、建材製品は着色せずアスベストのみに結合するため、白石綿の選択的染色による探知が可能となった。新JIS規格のアスベスト含有判定基準である0.1wt%でも探知可能であった。また、トータル作業時間も、1時間以内であった。


[本技術の応用]
 本技術は、他のアスベスト種を同様に染色探知する場合にも反応選択性を持たせるために、応用可能である。また、建材等製品中のアスベストのみならず、大気中のアスベストを検出する技術に応用することも目指して研究中である。


[成果発表]
 2007年2月9日にJAホールで開催予定の、エコケミカルシンポジウムで発表予定。

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