住友電工ハードメタル、鋳鉄旋削用新コーティング材種「エースコートAC410K」を発売
鋳鉄旋削用新コーティング材種「エースコートAC410K」を開発、発売
住友電工ハードメタル株式会社(社長:倉阪克秀 本社:兵庫県伊丹市昆陽北1-1-1)は、高速、安定加工が可能で切削工具寿命を2倍以上にできる鋳鉄旋削用新コーティング材種「エースコートAC410K」を開発し、2月下旬から順次発売します。
近年、省エネルギー・省資源への対応として、自動車等に使用される鋳鉄部品の分野においても、部品の薄肉・軽量化を目的とし、従来の普通鋳鉄(ねずみ鋳鉄)に代わり、より強度が高く被削性の悪い、球状黒鉛鋳鉄(ダクタイル鋳鉄)が用いられるケースが増加しています。また、一方で、短納期対応、加工コスト低減を目的とした高速・高能率加工の要求も高まっており、普通鋳鉄・ダグタイル鋳鉄の旋削加工において長寿命で安定性の高い工具が要求されています。
こうしたニーズに対応し開発した鋳鉄旋削加工用材種「エースコートAC410K」は、コーティング膜に微細かつ平滑な炭窒化チタン(TiCN)と酸化アルミニウム(Al2O3)膜の積層膜で、耐摩耗性と耐剥離性を従来コーティングに比べ大幅に向上させた新CVD(*)コーティング「スーパーFFコート」を採用し、ねずみ鋳鉄・ダクタイル鋳鉄の連続、一部断続加工において安定した長寿命をもたらす新材種です。
なお、価格は、従来相当製品と同値を予定していますが、長寿命化により工具の交換回数が低減できるため、加工コストを低減できるメリットがあります。
鋳鉄旋削加工用新材種「エースコートAC410K」の特長は以下の通りです。
(1) 1.5倍以上の高速・高能率加工が可能
成膜条件の最適化により、粒度・密着力を維持したまま、Al2O3膜を従来当社製品の2倍にまで厚膜化しています。Al2O3膜の高い密着力と断熱性により、従来当社製品と比較して1.5倍以上の高速・高能率加工が可能となります。
(2) 安定加工を実現
コーティング膜の表面ならびに膜を構成する各層の界面を超平滑化することにより、従来にない高い膜密着強度と耐溶着性を実現します。そのため鋳鉄加工で問題となる、黒皮加工時の膜チッピングや被削材成分の溶着によるコーティング膜剥離からの突発的な刃先欠損が抑制され、安定した加工が可能となります。
(3) 2倍以上の長寿命を達成
極めて緻密に成膜された超微粒・高硬度TiCN膜と厚膜Al2O3膜に加え、高硬度専用超硬母材の採用により、こすり摩耗による工具摩耗の進展が大幅に抑制されます。そのため、同条件での加工の場合、従来当社製品と比較して2倍以上の長寿命化が可能です。
【ラインナップ】
・ポジティブ型:46アイテム ネガティブ型:98アイテム
【販売計画】
初年度2億円、3年後6億円
【価格】
標準品 CNMG120408N-UX・・・・・単価770円(税込805円)
以上
「 エースコート」、「スーパーFFコート」は、住友電工ハードメタル(株)の商標または登録商標です。
*「CVD」:Chemical Vapor Deposition、化学的蒸着法