ソニー、高品質映像をリアルタイムに伝送する「ロケーションポーター」サービスを開始
高品質映像のリアルタイム伝送で簡易中継の世界を広げる
“LocationPorter(ロケーションポーター)”サービス開始
ソニー株式会社は、FOMA回線やブロードバンド回線を利用し、安定した高品質映像をリアルタイムに伝送するシステム、“LocationPorter(ロケーションポーター)”サービスを3月15日(木)より開始いたします。放送局のニュース番組や企業・自治体が実施するイベント中継など、緊急性、即時性が求められる場において、必要最低限の機材(ロケーションポーター・ソフトウェア搭載のノートパソコンとDVカメラ)で高品質な映像伝送による現場中継を可能とします。従来、中継車や多人数のクルーを必要とした中継を、少人数で簡易かつ機動性を高めて実現します。
ロケーションポーターの伝送映像は、業界標準のH.264/AVCによる映像圧縮方式を採用しており、これにソニー独自開発の高画質アルゴリズムと、QoSを組み合わせることで、FOMA回線の帯域(*)でもハイクオリティを保ち、また変動するIPネットワーク伝送環境においても安定した映像伝送を可能としています。
ロケーションポーターのサービスは専用アプリケーションソフトウェア搭載の映像送信用ノートパソコンや受信用デスクトップパソコンなどの機材レンタル方式で、価格はサービス利用期間により異なります。
ソニーは、このビジネスをまず国内市場へ導入し、将来的には他のIP伝送路に応じた製品・サービスのラインナップ拡充や事業の海外展開をはかります。また、ネットワークを介した高付加価値サービスへの取り組みを通じ、放送・業務用のみならずプロシューマ向け映像伝送分野へ向けた新たな可能性の提案を続けてまいります。
(*)送受信最大 384 kbps
■主な特徴
1.高画質/高音質の簡易中継を実現
映像圧縮方式にH.264/AVCを採用し、MPEG2に比べて約半分の転送レートで同クオリティ(*)の画質を実現しています。また、音声圧縮方式には自社開発の高効率ATRAC3plusを採用しています。
(*)当社比較による。
2.安定した高品質伝送
IPネットワークの状況に応じて、自社開発の映像品質制御機能(QoS)の最適化を図り、変動する環境下においても安定した映像伝送を可能にします。
●QoS(Quality of Service)
ここでは、ネットワーク上で一定の映像品質を保つための仕組みを指しています。以下の3機能をIPネットワーク環境に応じ最適制御しています。
●ARC(最適レート制御機能:Adaptive Rate Control)
ソニー独自アルゴリズムでネットワークの帯域状態を判断し、最適な映像の伝送レートとフレームレートを自動的に選択する仕組みです。
●Real-time ARQ(パケット再送機能:Automatic Repeat reQuest)
伝送時に喪失したパケットをソニー独自アルゴリズムで特定し、そのパケットのみを再送する仕組みです。
●FEC(前方誤り訂正機能:Forward Error Correction)
送信側であらかじめ映像・音声データにパリティデータを付加することにより、受信側で映像・音声の一部データが欠落した場合でも、残りのデータとパリティデータを使用して、欠落したデータを復元する仕組みです。CPUの負荷が重くならないようにソニー独自アルゴリズムにて実現しています。
3.スリムな設備、しかも簡単設定
DVカメラ、パソコンなどの最小限の機材、準備でシステムの使用が可能です。放送局の機動性、即時性を要する中継や、企業・自治体におけるイベント中継などを快適に支援します。
■サービスイメージ図
※ 関連資料参照
■サービスメニューと価格
※ 関連資料参照
※FOMAは株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモの登録商標です。
※LocationPorterはソニー株式会社の登録商標です。