アステラス製薬、米国で「バプリゾール」の体液貯留型低ナトリウム血症の承認通知を受領
低ナトリウム血症治療薬「VAPRISOL(R)(バプリゾール)」
体液貯留型低ナトリウム血症について米国で承認取得
アステラス製薬株式会社(社長:野木森雅郁、以下「アステラス製薬」)は、当社の米国子会社アステラスファーマUS, Inc.(本社:イリノイ州ディアフィールド、会長&CEO:畑中好彦)が米国において申請中の低ナトリウム血症治療薬「VAPRISOL(R)(バプリゾール、開発番号:YM087、一般名:コニバプタン)」に関し、このたび米国食品医薬品局(FDA)より、体液貯留型の低ナトリウム血症について承認通知を受領しましたのでお知らせします。
「VAPRISOL(R)」は、2004年1月に体液正常型及び体液貯留型の低ナトリウム血症を適応症として米国において申請しました。同剤は、2005年12月に体液正常型の低ナトリウム血症についてFDAより承認を取得し、低ナトリウム血症の適応症を有する世界で初めての薬剤として2006年4月より米国で販売を開始しました。また、体液貯留型の低ナトリウム血症については承認可能通知を受領しており、その後のFDAの審査を経て、このたび承認を取得しました。
低ナトリウム血症は、体内の総ナトリウム量に対して総体液量が相対的に過剰になる疾患であり、全身のナトリウム量と総体液量の関係から体液正常型、体液貯留型、体液減少型の3種類に大別されます。入院患者の電解質異常の中では最も頻繁に認められるものであり、米国では年間約3,000万人以上といわれる全入院患者の約4%に発症するという報告もあります。重症の場合には人格変化、傾眠、錯乱などの神経症状が現れ、また、さらに低Na血症が進むと生命に危険を及ぼす恐れもあるため、緊急治療を要する疾患と考えられています。
「VAPRISOL(R)」は、アステラス製薬が創製したバソプレシンV1a及びV2受容体拮抗作用を有する注射剤です。バソプレシン受容体拮抗作用により、ナトリウム排泄を伴わない排尿により体内の貯留水分を減少させることで、体液正常型および体液貯留型の低ナトリウム血症患者の血中ナトリウム濃度を改善することが期待されます。
以上