大日本印刷、非接触通信方式の国際規格に準拠した超小型ICタグを開発
大日本印刷 非接触通信方式の国際規格に準拠した超小型ICタグを開発
世界最小クラスのICタグのラインアップを拡充し4月よりサンプルを出荷
大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円、以下:DNP)は、電子チケットなど、ICカードで広く使われている非接触通信方式の国際規格ISO/IEC14443 Type A(13.56MHz帯)に準拠した、世界最小クラスの超小型ICタグ『IM-0505-MUL』を開発しました。
DNPの超小型ICタグ「ACCUWAVE IM-0505」のシリーズに追加し、本年4月よりサンプル出荷を開始します。
【開発の背景】
近年、交通乗車券や電子マネーなどの少額決済用に非接触IC技術の導入が進んでいます。また、非接触通信方式NFC※が国際標準規格として承認されるなど、非接触ICはさまざまな電子機器との互換性を持つようになってきています。
今回開発したIM-0505-MULは、非接触ICへの拡大するニーズに応えるため、電子チケットなどで世界的に普及している国際規格ISO/IEC14443 Type Aを採用しました。様々な用途での製品への取り付けが可能な超小型ICタグとして、今後、従来の物品管理用途だけでなく、識別コードだけで利用できる電子チケット、広告物、医薬品など消費者と密接に関連した用途についても普及が期待されています。
【IM-0505-MULの製品概要】
・ 世界最小クラスの5mm角サイズのICタグであり、小型製品や複雑な構造の製品への埋め込みやデザイン性を損なわない取り付けが容易にできます。
・ ISO/IEC14443 Type Aに準拠した機器だけでなく、非接触通信方式NFCに準拠した機器でも利用できます。例えば、当製品が組み込まれた製品と、電子マネーなどに利用している非接触ICカードなどを同じ読み取り機で読み取ることができます。
ACCUWAVE IM-0505シリーズは、DNPがエレクトロニクス分野で培ってきた電子基板製造技術、半導体組み立て技術、RFID技術との組み合わせにより開発した独自製品です。アンテナのサイズを極小化した半導体チップパッケージ構造のため、量産品質と信頼性、耐久性にすぐれています。硬質基板と樹脂封止による堅牢な構造により、プラスチックへの埋め込み加工や製品内部への組み込み適性も良く、既存のフィルムタイプインレットと比べ、埋め込み時の不良ロスや導入後の故障リスクを大幅に減らすことが可能です。
【今後の予定】
本年4月より消耗品や製品への取り付けを希望する顧客にサンプル出荷し、7月より量産を開始します。量産後の価格は、月10万個の継続受注の場合で1個50円を予定しています。
当製品を含めたIM-0505シリーズで、2007年度10億円の売上を目指します。
尚、当製品を、3月6日(火)~9日(金)に東京ビッグサイトで開催される「IC CARD WORLD 2007」のDNPブースに出展します。
【製品仕様】
・ 製品名 : ACCUWAVE IM-0505-MUL
・ RFインターフェイス : ISO/IEC14443-3 Type A準拠
・ 動作周波数 : 13.56MHz
・ 電池 : 不要(パッシブ方式)
・ メモリー容量 : 512bitEEPROM ユーザーエリア48byte(12page×4byte)
・ メモリーデータ保持年数 : 5年間(使用環境による)
・ データ書き換え回数 : 1万回(使用環境による)
・ 動作温度範囲 : -25℃~+85℃(氷結、結露なきこと)
・ 最大通信距離 : 0~5mm(使用機器、使用環境による)
・ セキュリティ : 書き換え不可能な7byteユニークID、ページ単位のWriteプロテクト機能
・ サイズ : 5.45×5.45×(t0.65) mm
※ NFC (Near Field Communication)
13.56MHz周波数帯を利用する近距離型無線通信技術。2003年にISO/IEC18092として規格化。