鹿島道路、「雪上滑走路用圧雪実験」に技術協力
鹿島道路が雪上滑走路圧雪実験に技術協力
日本の南極観測を統括する国立極地研究所と北見工業大学、陸別町しばれ技術開発研究所が、北海道陸別町にて実施している「雪上滑走路用圧雪実験」に、昨年度に引き続き本年度も鹿島道路が技術協力を行いました。この実験は南極に大型輸送機が離着陸することができる雪上圧雪滑走路を造るための基礎実験で、同町において1998年から行われてきております。
南極・昭和基地への人員および物資の輸送は、現在、砕氷艦しらせの年1回(11月出港、4月帰着)の航海により行われています。船による航行の場合、オーストラリアからでも昭和基地まで約1ヶ月かかります。この長時間にわたるアクセス方法の改善策の一つとして南極の雪上に滑走路を造成し、大型輸送機により直接人員や物資を輸送することも検討されており、本実験は雪上滑走路の実現を目指すために進められております。
昨年度は3次元マシンコントロールブルドーザにより圧雪の平滑仕上げ実験とクローラ式振動転圧機による締固め実験を実施しましたが、今年度は道路工事用大型ロードスタビライザを用いた実験を行いました。雪国では良く知られていることですが、降り積もった雪は降った直後は柔らかいけれど、翌日には非常に固くなります。さらに、除雪機で飛ばされて山になった雪はそれまで以上に固くなります。そのような雪の性質を利用して、ロードスタビライザを用いて一度締固めた雪を攪拌することによって、必要な硬度を確保出来るか確認するのが本年度の実験の目的です。3次元マシンコントロールの効果は昨年確認することが出来ましたので、本年度は平面レーザシステムを搭載したブルドーザにより整正を行いました。
南極氷床上への設置の実現を目指している雪上滑走路は全長3000m級の本格的な規模のもので、本実験で得られたデータやノウハウが実際の工事で生かされるものと期待されております。