米TI、DLP Cinema映写機向け「.98」チップを発表
テキサス・インスツルメンツ、DLP Cinema(R)映写機向けに新製品『.98』チップを発表
~デジタルシネマの普及と共に
2006年のDLP(R) Cinemaテクノロジーの採用は3.5倍に
テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、社長兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称:TI)は本日、映画興行・配給業界では毎年恒例となっている最大の展示会「ショーウェスト」(2007 ShoWest)の会場において、同社が新たに開発した『.98 DLP Cinema(R)』チップを発表しました。
2006年、DLP Cinemaは高い成功を収めました。DLP Cinema映写機の世界全体における採用実績は3.5倍の伸びを記録し、同年の興行収入でトップに立った18作品がデジタル・フォーマットで発表され、DLP Cinema映写機によってデジタル上映されました。
新製品の『.98 DLP Cinema』チップは、1999年に投入された現行の『1.2 DLP Cinema』チップと同様に、撮影時の映像を完璧に再現し、最大40フィート(約11.5m)のスクリーンサイズでの上映に最適化されています。『.98』チップは、これまでより小さく高効率な筐体(きょうたい)に内蔵されており、最大18,000ルーメンの明るさを発揮し、実体験のような映像を投影します。デジタルシネマ映写機の大手メーカであるバルコ社は、TIの『.98』チップを採用した新型の映写機、DP-1500およびDP-2000を試作中であると発表しました。同社はGDCテクノロジー社との間で、中国市場向けの700台のデジタルシネマ映写機を供給する契約を締結しています。またクリスティ社とNECビューテクノロジー社も、『.98 DLP Cinema』チップを近い将来に採用する予定になっています。DLP Cinemaのライセンシーである3社は、この新型チップ導入により、デジタルシネマへの移行を検討している世界各地の映画館に対してより多くの映写機の選択肢を提供することで、究極的にはより競争優位に立ちます。
なお『.98』チップの導入以降も、クリスティ社が最近発表したCP2000-ZX DLP Cinema映写機など、現行の『1.2』チップを搭載した新製品は世界各国で継続して製造、販売されます。
2006年、新設の映画館および大手スタジオにおけるDLP Cinema映写機の納入実績は、全世界で3.5倍以上に達しました。現在、全世界の映画館にある3,334スクリーンはDLP Cinema映写機に対応しており、昨年だけでも100本以上にのぼる映画作品がデジタル上映で公開されました。2006年の映画業界は、1億ドル以上もの興行収入をあげた映画が多数現れるという記録的な好成績を残し、また年間興行成績において上位に入った18作品は、DLP Cinema映写機での上映に適したDCI規格(注1)に準拠して公開されました。昨年を通じて、およそ3,500万人の映画ファンがDLP Cinemaテクノロジーによるデジタルシネマ上映を体験したものと見積もられます。
TIのDLP Cinema製品担当マネージャであるナンシー・フェア(Nancy Fares)は、以下のように述べています。「今回発表する新しい『.98』チップは、世界各地にある映画館のデジタルシネマへの移行を、さらに容易に、コスト効率良く実現するでしょう。昨年の大ヒット作品が全てデジタル上映用の規格で公開されるという映画業界の力強い支持によって、DLP Cinemaの強みがはっきりと認められたのです」
テキサス・インスツルメンツのDLP Cinema映写テクノロジーは、何百万人もの映画ファンが観賞し、世界各地の映画館で、シャープでクリア、明るく高精細な映像を提供しています。DLP Cinemaテクノロジーは、最高品位の性能と映像品質を提供するのに必要となる厳格な基準とガイドラインを満たす、バルコ社、クリスティ社、NECビューテクノロジー社のみにライセンスを供与しています。
こうした厳格な基準によってもたらされる卓越したデジタル映像は、DLP Cinemaの映画の上映を完璧に見せ、毎回の上映が、映画を見に行く気持ちをなえさせるような、引っかき傷や裂け目や巻きズレがない、最初と全くかわらない完璧なものになります。
DLP Cinemaに関する情報は、 www.dlpcinema.com/jp でもご覧いただけます。
●DLP(R) テクノロジーについて
テキサス・インスツルメンツのDLP テクノロジーは、鮮明で明るくシャープな映像を提供します。大画面HDTV、ビジネスおよびホームシアター向けフロントプロジェクタ、業務用大型プロジェクタ、デジタルシネマ用映写機(DLP Cinema)などに採用されています。現在世界75社以上の企業がDLPテクノロジーを採用した製品を設計、製造、販売しています。DLPテクノロジーは、デジタルシネマ上映における実績をベースに開発された、唯一のHDTV向け技術です。またデジタルシネマ上映の業界標準であるDLP Cinema 映写機は、全世界の3,000館以上の映画館で採用されています。すべてのDLPチップの中核には、最大220万個の極小ミラーが敷き詰められており、これらが超高速スイッチとして機能することで高解像度・高信頼性を誇るフルカラー画像を作り出します。DLPテクノロジーは、そのチップ・アーキテクチャと高速な応答速度という独自の特長によって、スムーズな画像と動きの速い動画の優れた再生機能を実現します。1996年初頭の量産開始から現在までDLPサブシステムは累積出荷台数1,000万台を記録しました。
(注1)DCI規格:デジタルシネマの技術標準を定めた規格。米ハリウッドの映画大手による業界団体(Digital Cinema Initiative)が策定
*DLPとDLP Cinemaはテキサス・インスツルメンツの登録商標です
【テキサス・インスツルメンツおよび日本テキサス・インスツルメンツについて】
テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、社長兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称:TI)は、グローバルな半導体企業であり、デジタル家電、ワイヤレス市場などに向けたDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)とアナログICを中核とするトータル・ソリューションを提供しています。そのほか、教育関連テクノロジーを展開、世界25ヶ国以上に製造・販売拠点を持っています。
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:山崎俊行、略称:日本TI)は、テキサス・インスツルメンツの子会社で日本市場における大手の外資系半導体サプライヤです。資本金は362億5,000万円です。大分県日出、茨城県美浦に生産工場があり、茨城県つくばと神奈川県厚木にテクノロジー・センターがあります。
TIに関する情報はインターネットでも発信しています。( http://www.tij.co.jp )
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