フリースケール、StarCoreテクノロジをベースとしたプログラマブル・マルチコアDSPを発売
フリースケール、MSC8144 DSPの新バージョンを発表
先進のセキュリティ機能を新たに搭載
StarCoreテクノロジをベースとした業界最先端の
プログラマブル・マルチコアDSP
フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区下目黒1-8-1、代表取締役社長:高橋恒雄)は、業界最高性能のプログラマブル・マルチコアDSPプラットフォームであるMSC8144に、新しい統合セキュリティ・アクセラレーションと、革新的なコード保護メカニズムを追加しました。
IP(インターネット・プロトコル)で統一されたall-IPコンバージェンス・ネットワークへの統合が進む中、この製品は、信頼性の高いネットワークやデバイスを開発するためにシステム・ベンダが抱える課題を克服します。
新しいMSC8144Eチップは、広く利用されている固定およびモバイル・アクセス・ネットワーク向けセキュリティ・プロトコルをサポートするハードウェア・アクセラレータを提供します。また、新しいMSC8144ECは、組込みソフトウェアのコピーやクローン作成を防止することで、システム・ベンダのソフトウェアと知的財産を保護します。MSC8144EおよびMSC8144ECのサンプルは、2007年の第2四半期より出荷予定です。
また、2006年5月に発表したMSC8144 DSPは、2006年8月より出荷を開始した初期サンプルに続き、この度一般サンプルの出荷を開始しました。
フリースケール・セミコンダクタのネットワーキング・システム・ディビジョンのマーケティング・ディレクタであるジェフ・ティムズは、次のように述べています。
「MSC8144の柔軟性、低電力、および超高性能は、非常に魅力的であり、お客様からの反応も上々です。市場からのフィードバックによれば、この製品は、大容量インフラストラクチャ機器のベンダが直面しているニーズや問題の克服に最適です。」MSC8144、MSC8144E、およびMSC8144ECは、有線/無線インフラストラクチャ・システム用のメディア・ゲートウェイ、基地局、およびトランスコーディング・アプリケーションのシステム密度を大幅に向上させます。また、これらの製品は、キャリアクラス・トランキング、インフラストラクチャVoIPメディア・ゲートウェイ、ハイエンド・エンタープライズIPBXおよびTV会議サーバなどの有線インフラストラクチャ・アプリケーション向けに最適なDSPソリューションを提供します。MSC8144ファミリが活躍する無線アプリケーションとしては、3G WCDMA、TD-SCDMA、およびWiMAX基地局用のベースバンド・カード、ワイヤレス音声トランスコーディング、IPマルチメディア・サブシステム(IMS)ゲートウェイ、および無線ネットワーク・コントローラのレイヤ2処理などがあります。
Forward Concepts社長のWill Strauss氏は、次のように述べています。「フリースケールは、all-IPネットワーク向けの高度なセキュリティ機能を搭載した新しいMSC8144EおよびMSC8144ECマルチコアDSPの発表により、デジタル・インフラストラクチャ市場への貢献を再び実証しました。3.5Gおよび4Gワイヤレス/キャリア有線機器の発展には、all-IP能力が不可欠であり、この分野ではフリースケールがトップを独走しています。」
MSC8144EおよびMSC8144ECについて
all-IPネットワークでは、新しく標準化されたセキュリティ機能のサポートによる音声およびデータ・コールの保護を実現するために、大規模なインフラストラクチャ変更が求められます。MSC8144EおよびMSC8144ECに搭載されているセキュリティ機能は、複数の省電力型高速DSPコアの性能とデータ暗号化処理を必要とするインフラストラクチャ・アプリケーションのニーズに対応します。また、このセキュリティ・エンジンは、要求量の多いセキュリティ・アルゴリズムをDSPコアに負担を掛けずに処理することで、高いスループットと厳密なリアルタイム動作を可能にします。
MSC8144E/MSC8144ECの内部でセキュリティ・アルゴリズムを実行することで、システムの拡張性が高まり、高価な外部ロジックでこれらのタスクを実行する必要が無くなります。
MSC8144EおよびMSC8144ECに搭載されているセキュリティ・エンジンは、フリースケールのセキュリティ・コプロセッサ製品をベースとしており、4個の高性能組込みDSPコアをすべて効率よくシームレスにサポートすると共に、広く利用されているセキュリティ・プロトコルで求められるシングルパスの暗号化と認証を実行します。このセキュリティ・エンジンは、DES、3DES、Kasumi-F8、MD-5、SHA-1/2、AES 128-256、HMAC、およびARC-4データ暗号化アルゴリズムをサポートし、公開鍵暗号化(PKE)と乱数発生器(RNG)を提供します。CodeWarriorツール・スイートでは、セキュリティ拡張機能をすべてサポートします。
MSC8144ECは、データ暗号化に加えて、各システム・ベンダ専用の暗号化キーによるコード保護メカニズムをハードウェアで実装しています。この機能により、システム・ベンダのソフトウェア・プログラムを未承認のチップが実行したり、未承認のユーザーがコピーおよび変更したりできなくなります。
MSC8144EおよびMSC8144ECは、既存のMSC8144とピンおよびパッケージの互換性があるため、システムのアップグレードが容易です。フリースケールの先進90nm SOI(絶縁体シリコン)プロセス技術をベースとしたこれらの製品は、それぞれが最大1GHzで動作する4個のStarCore SC3400 DSPコアを搭載し、4GHzのシングルコアDSPに匹敵する性能を達成しています。MSC8144、MSC8144E、およびMSC8144ECは、10.5Mバイトの内部メモリ、デュアルRISC QUICC Engine技術、ならびにSerial RapidIO(r)、Utopia/ATM、およびデュアルGigabit Ethernetといった高速パケット・インタフェースを搭載しつつ、コストと、チャネル当たりの消費電力を低く抑えています。
価格と供給
MSC8144EおよびMSC8144ECのサンプル出荷は、2007年第2四半期に開始される予定です。MSC8144のサンプルはすでに出荷が開始されており、783ピンの29×29mm FC-PBGA(フリップチップ・プラスチック・ボール・グリッド・アレイ)パッケージで800MHzバージョンと1GHzバージョンが用意されています。このMSC8144ファミリには、開発ツール、最適化済み音声コーデック、ロイヤリティーフリー・オペレーティングシステム、ペリフェラル・チップ・ドライバ、開発システム、リファレンス・デザイン・ボードなど、包括的なソフトウェアとハードウェアが用意されています。MSC8144の1万個発注時の参考価格は$180ドル(USD)です。
フリースケールのStarCore DSPについて
フリースケールのStarCore DSP技術は、業界最高クラスの先進的で柔軟かつパワフルなデジタル信号処理デバイスで採用されています。この技術は、現在および今後の市場要求に対応できる高度なDSP製品の開発を可能にします。StarCore技術は、低消費電力、より少ない部品数、コストで、より多くのアプリケーションの動作を可能にします。フリースケール・セミコンダクタは、StarCoreアーキテクチャの今後のロードマップを積極的に作成しています。
フリースケール・セミコンダクタについて
フリースケール・セミコンダクタ・インクは、自動車用、民生用、産業用、ネットワーキングおよびワイヤレス・マーケット向け組込み用半導体のデザインと製造の世界的リーダーです。フリースケールは、テキサス州オースチンを本拠地に、世界30カ国以上の国で、半導体のデザイン、研究開発、製造ならびに営業活動を行っています。フリースケールは世界的な大手半導体メーカーです。2006年度の売上高は64億ドル(USD)でした。詳細は、 http://www.freescale.com (英語)、または http://www.freescale.co.jp/ (日本語)をご覧ください。
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