ライオン、乳由来成分「ラクトフェリン」の内臓脂肪低減効果の有効性をヒトで確認
乳由来成分「ラクトフェリン」の内臓脂肪低減効果
ヒトでの有効性を世界で初めて確認
ライオン株式会社(社長・藤重貞慶)研究開発本部は、この度、京都府立医科大学・西野輔翼(にしのほよく)教授、国立がんセンター研究所・飯郷正明(いいごうまさあき)室長と共同で、牛乳・母乳などに含まれる多機能性タンパク質「ラクトフェリン」が、ヒトの内臓脂肪低減に有効であることをヒトでの予備摂取テストにより確認いたしました。
「ラクトフェリン」によるヒトの内臓脂肪低減効果を確認したのは、世界初の成果です。なお、この研究成果は『第61回日本栄養・食糧学会大会(2007年5月18日~20日国立京都国際会館)』において発表する予定です。
1.研究の背景
厚生労働省の調べによると「メタボリック症候群(シンドローム)」該当者数は、40~74歳(対象人口約5700万人)で約940万人、予備軍を合わせると、約1960万人に達しており*1、国民健康の増進にとって、大きな課題となっています。メタボリック症候群における、脂質異常、高血糖、高血圧などの共通原因は「内臓脂肪の蓄積」であり、内臓脂肪減量により確実な予防効果が期待できる症候群と言われています。当社は、これまで歯周病と全身健康との関係について幅広く研究を進めてまいりました。その中で、哺乳類の母乳に多く含まれる多機能性タンパク質「ラクトフェリン」が、歯周病の進行抑制に加え、脂質異常の改善に有効であることを、モデルマウスを用いて明らかにしました。そしてこの度、ヒトの内臓脂肪に対する「ラクトフェリン」の低減効果を、ヒト試験にて確認いたしました。
*1 2006年5月発表「平成16年(2004年)国民健康・栄養調査」結果
【ラクトフェリン】
多くの哺乳動物の乳に含まれており、ヒトの母乳、特に出産後数日の間に多く分泌される「初乳」に最も多く含まれているたんぱく質の一種。外部から進入する細菌やウイルスからの攻撃を防ぐ防御因子のひとつと考えられている。整腸作用(腸内の悪玉菌を減らし、善玉菌の増殖を助ける)、免疫賦活、大腸がん予防などの効果をもつとし
て注目されている。
2.研究内容の詳細
※添付資料を参照
3.総括
今回、「ラクトフェリン」の内臓脂肪低減効果がヒト試験で確認できたことにより、当社は今後、この技術を機能性食品・特定保健用食品など、メディカルヘルスケア分野に応用すべく研究開発を進めて参ります。
以上
【第61回日本栄養・食糧学会大会】発表概要
◎開催日
2007年5月18日(木)~20日(日)
◎会場
国立京都国際会館
◎演題
・ヒトに対するラクトフェリンの脂質代謝改善効果
○鈴木則行1)、村越倫明1)、鈴木苗穂1)、木川博光1)、飯郷正明2)、西野輔翼3)
1)ライオン(株)・研究開発本部2)国立がんセンター・研究所3)京都府立医科大学・分子生化学
・ラクトフェリンのマウス肝臓における脂質代謝改善効果
○鈴木苗穂1)、木川博光1)、鈴木則行1)、村越倫明1)、飯郷正明2)、西野輔翼3)
1)ライオン(株)・研究開発本部2)国立がんセンター・研究所3)京都府立医科大学・分子生化学