三菱商事とキリン、北海道十勝地区の「燃料用バイオエタノール製造プロジェクト」に参画
~国産バイオ燃料実現に向け、農林水産省による国家プロジェクトに参画~
北海道十勝地区における
バイオエタノール大型実証モデルプロジェクトへの参画について
三菱商事株式会社(社長 小島順彦)、およびキリンビール株式会社(社長 加藤壹康)が、農林水産省による国家プロジェクト「バイオ燃料地域利用モデル実証事業」のうち、北海道農業協同組合中央会やホクレン農業協同組合連合会などが主体となって取り組む北海道十勝地区における「燃料用バイオエタノール製造プロジェクト」の製造施設建設を受注することが、2007年6月19日に決定しました。三菱商事株式会社を中心に、キリンビール株式会社、および日本化学機械製造株式会社がコンソーシアムを組み、2009年3月の稼動を目指します。
近年、温室効果ガスの排出抑制による地球温暖化防止策の1つとして、バイオエタノールの利用拡大が世界中で進められており、すでに全世界では年間4,600万KLのバイオエタノールが生産されています。日本でも「京都議定書目標達成計画」において、輸送用燃料でのバイオマス由来燃料の利用目標を50万KL(原油換算)としていますが、日本におけるバイオエタノール製造の現状は、未だ小規模技術実証の段階であり、生産拡大が今後の課題とされています。
今回の「バイオ燃料地域利用モデル実証事業」は、バイオ燃料製造施設および供給施設の設置に対する国家プロジェクトで、地域による食糧生産過程の副産物、規格外農産物などを活用したバイオ燃料の地域利用モデルに対し、農林水産省が支援するものです。その中で北海道十勝地区では、地域の特性を生かしたバイオエタノールの原料調達から燃料の供給まで一体となった国産技術による事業の確立を目指し、ホクレンの清水製糖工場(北海道上川郡清水町)構内に年間1.5万KL規模のバイオエタノール製造設備を建設します。
三菱商事社を中心としたコンソーシアムが、この設備建設を受託し、キリンビール社はこれまで培った「発酵およびバイオ技術」に基づくプラント設計および建設技術を提供することで、主にバイオエタノール製造における発酵部門のプラント開発を担います。また蒸溜設備については日本化学機械製造社が技術を提供し、2009年3月の稼動を目指します。
三菱商事社およびキリンビール社は、今回のプロジェクト製造施設建設の受注を通じて、バイオエタノール製造における国産技術を開発し、全世界的な課題である温室効果ガス排出抑制に取り組みます。