TDK、HDMI対応の薄膜コモンモードフィルタアレイTCM2010Hを商品化
HDMI対応の薄膜コモンモードフィルタアレイTCM2010Hを商品化
ワンチップに2素子のフィルタを形成
TDK株式会社(社長:上釜 健宏)は、高速データ伝送ライン、特に高速信号を取り扱うHDMI ver1.3対応のノイズフィルタとして、業界初の2素子分をワンチップ部品に形成(アレイ化)したEMIフィルタTCM2010Hを開発、商品化しました。
本製品は、サイズ2.0mm(L)×1.0mm(W)×0.8mm(T)で、この中にコモンモードフィルタを2素子形成し、従来の1.25mm(L)×1.0mm(W)×0.6mm(T)で1素子の製品に比べ基板への装着面積を含めると、20%を超える小型化と基板へのマウンティングコストの低減を図った、高速デジタルインタフェース用ノイズ対策部品です。
現在映像のHD化などに伴い、FPDやTV用レコーダ、ゲーム機器には機器間の信号の伝送のためのHDMI端子が必須となってきております。HDMI端子は従来のUSB端子などに比べ高速信号を扱っており、ノイズ対策部品も高い周波数まで信号の品質を低下させずにノイズ抑制することが求められております。HDD用磁気ヘッドで培った薄膜パターン形成技術と独自のコイルパターン設計技術の融合により、小型化かつ高速対応化を実現し、カットオフ(ディファレンシャルモード遮断)周波数6.0GHzの高い周波数を達成しております。
HDMI回路には、クロックを含め4つの差動伝送信号ラインがあり、4つのノイズ対策素子が必要です。TCM2010Hは2素子を含むため、2部品で一つのHDMI端子に対応でき、従来比で部品点数が半減します。また、アレイ化設計時に対策の必要なクロストークも実用上まったく問題ないレベルに低減した設計になっております。
【主な用途】
HDMI、S-ATA等の高速差動伝送端子のノイズ対策
【主な特性】
TCM2010H サイズ:2.0×1.0×0.8mm、カットオフ周波数:6.0GHz、Rdc:1.0Ωmax、Idc:100mA、Vdc:10V
【生産・販売計画】
サンプル価格: 30円
量産開始: 2007年8月
量産場所: 国内
生産能力: 500万個/月
【用語解説】
1.EMI:Electro Magnetic Interference (電磁気妨害)
電気/電子回路から放射される電磁ノイズによる他の機器への妨害
2.HDMI:High-Definition Multimedia Interface
主に家電やAV機器向けのデジタル映像・音声入出力インタフェース規格。1本のケーブルで映像・音声・制御信号を合わせて送受信する。
3.高速差動伝送:1対の信号線を使ってデータを伝送する方式のこと。
対をなす2本の信号線にはそれぞれ逆位相の信号を伝送する。
4.クロストーク:複数の信号線間での不必要な信号の漏れ
以 上