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ニュースリリースのリリースコンテナ第二倉庫

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2025'02.08.Sat
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2007'07.13.Fri

NECエレクトロニクス、携帯電話向け低消費電力型システムLSI「M2」をサンプル出荷

低消費電力化技術を結集した携帯電話向けシステムLSI「M2」の発売について

~当社従来技術比50%の低消費電力化を実現~


 NECエレクトロニクスはこのたび、第3世代(3G~3.5G)通信規格「W-CDMA」および7.2Mbpsの「HSDPA」へ対応可能(注)で、アプリケーション機能を同一チップに搭載した低消費電力型システムLSIを製品化し、「M2(エムツー)」の名称で、本日よりサンプル出荷を開始いたしました。(注:7.2Mbpsは外付けのアクセラレータLSIを利用した場合の速度であり、内蔵機能だけでは3.6Mbpsの通信が可能。)
 新製品は、当社の携帯電話向け半導体ソリューション「Medity(TM)」の枠組みで提供される製品であり、当社が昨年9月に市場投入した携帯電話向けシステムLSI「M1」の後継製品です。M2は、より高度なアプリケーションを実現するため、ARM926EJ-S(TM)にかわってARM1176JZF-S(TM)を搭載し、M1の2倍の周波数性能を実現したうえで、低消費電力技術を駆使することにより、50%程度の低消費電力化を実現していること、が最大の特長となっております。
 これらの低消費電力化は、回路設計およびレイアウト設計として、周波数ダイナミック制御、自動クロック制御、LCDダイレクトパス技術、オンチップ電源スイッチ技術、クイックリカバリー技術を、さらに65ナノプロセス技術として、マルチVtトランジスタ、基板バイアス制御、など様々な技術を駆使したことにより実現したものであります。
 ユーザーは新製品を採用することにより、HSDPA通信や高度なアプリケーションを駆動する携帯電話端末を、M1と同程度の低消費電力性能で実現することができます。
 新製品のサンプル価格は5,000円/個となっており、本年10月から量産を開始し、2008年には月産100万個の規模の量産を計画しております。
 なお、M2の3.5Gデジタルベースバンド(DBB)機能は、昨年8月に設立された携帯電話向け通信技術の開発会社「アドコアテック株式会社」(社長:鈴木晴夫氏、本社:横須賀市)が開発した技術を導入しております。

 低消費電力化技術は、端末の長時間使用を可能にするだけでなく、電池の大きさを小さくすることができ、端末のデザインや仕様の自由度の向上に貢献します。また、消費電力を削減できるため、環境負荷の低減に貢献します。NECエレクトロニクスは半導体ソリューション提供メーカーとしてかねてより、製品の差異化を図るために低消費電力化技術の開発を推進しております。特に携帯電話の分野においては、アーキテクチャや回路・レイアウト設計などの設計分野において当社独自の技術開発を展開し、業界をリードしてまいりました。2006年9月、当社は携帯電話向けシステムLSI「M1」を発売いたしましたが、M1を採用した携帯端末機器は、待ち受け時間が700時間という業界トップレベルの製品として注目を集めております。
 また当社は、トランジスタ形成方法の開発工夫など、プロセス技術の観点からも同時に低消費電力化技術を推進しており、IDMメーカーならではの、設計および生産における一体となった技術推進を実現しております。
 これらの技術を集結して製品化されたのがM2で、これまで推進していた設計や生産技術の集大成により、これまでには類のない消費電力の低減が実現したものであります。
 今回、M2に採用された低消費電力化技術は次の通りです。

1.クロック自動制御による動作電力削減技術(設計技術)
 システムバスの負荷状況をモニタし、低負荷状態時に自動的にシステムクロック周波数を低下させて低負荷状態時の消費電力を削減する「周波数ダイナミック制御技術」、および、システム全体の動作状態を階層的にモニタし階層化したクロック経路を可能な限り停止させる「階層クロック自動制御技術」などを駆使し、動作電力を削減した。 

2.待ち受け表示省電力化技術(設計技術)
 待ち受け表示時に、LCD表示に必要なデータをフレームバッファからLCDコントローラに対して直接転送するパスを設ける「LCDダイレクトパス技術」により、その他の回路を動作させずに、LCD表示可能とすることで、待ち受け表示の省電力化を実現した。 

3.電源スイッチ内蔵によるリーク電力削減技術(設計技術)
 「オンチップ電源スイッチ」を搭載することによって、ソフトウェア処理により動作停止中の回路の電源スイッチを切ることで、対象回路のリーク電力を削減した。CPU部においては、CPUが割り込み待ち状態に遷移した時、自動的に内部状態をバックアップして電源をオフし、割り込み受付時は、自動的に電源をオンし、内部状態をリストアする「クイックリカバリー技術」を採用することで、きめ細かな電源オン/オフ制御が可能となった。 

4.マルチVtトランジスタによるリーク電力削減技術(設計技術、プロセス技術)
 Vt(閾値)の異なる3種類のトランジスタを用途によって使い分けることで、高速動作と低リーク電力の両立を実現した。高Vtトランジスタは低速である反面リーク電力が少ないため、常時電源オン状態である通信回路に主に使用し、低Vtトランジスタはリーク電力が大きい反面高速であるため、アプリケーション用CPUやDSPに適用して500MHz動作を達成した。 

5.基板バイアス制御によるリーク電力削減技術(設計技術、プロセス技術)
 高速な低Vtトランジスタを適用したCPUやDSPは、リーク電力を削減するため「基板バイアス制御技術」によりVt電圧を最適化した。トランジスタの遅延をモニタする回路を搭載し、期待より高速でリーク電力が多いチップは低速でリーク電力が少なくなるよう基板バイアスを最適制御した。リーク電力のばらつきが小さくできるため、リーク電力を削減できた。 

 M2は、低消費電力技術開発に加え、DBB機能とアプリケーション処理機能の外部メモリを完全に共有するなど、部品点数の削減による端末の小型化、端末のコスト低減も可能としました。またM2は、当社の提唱する「platformOViA(TM)」に準拠し、ソフトウェア開発効率の向上にも貢献します。
 M1およびM2を中核とする当社の半導体ソリューション「Medity(TM)」は、通信用のコア(チップ上の部品)を基本として構築された携帯電話向け半導体ソリューションのことであり、(1)DBBとアプリケーションプロセッサの統合LSI、無線周波数処理(RF)IC、電源ICなどからなる半導体チップセット、(2)システムLSIを動作させるためのソフトウェア、(3)ソフトウェア開発用の評価ボードなどの試作(リファレンスデザイン)キット、(4)通信ソフトウェア、アプリケーションソフトウェアの開発を支援する開発ツール、(5)基本ソフトやミドルウェアの移植などを行なうシステムインテグレーションサービス、の5つの製品およびサービスで構成されております。
 M2を中核として構築する「Medity2」は、2007年末を目標にリリースする予定です。

 当社はM2によって集大成された技術を携帯端末向け半導体のみならず、当社のシステムLSIに幅広く展開し、低消費電力技術で業界をリードする所存です。
 新製品の主な仕様は別紙をご参照ください。 
 (※ 関連資料を参照してください。)


以上

(備考1)基板バイアス制御は、トランスメタ社との提携によって導入した、同社の「LongRun2(TM) Technologies」を適用しています。
(備考2)文中で言及した製品名やサービス名は全て、それぞれの所有者に属する商標または登録商標。


◆関連リンク
 >製品情報:携帯電話用LSI http://www.necel.com/mobile/ja/index.html
  >Medity http://www.necel.com/medity/ja/index.html


(※ 新製品の主な仕様は関連資料を参照してください。)

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