アナログ・デバイセズ、3G無線回路の設計を簡素化する第2世代無線ICを発売
アナログ・デバイセズ、3G TD-SCDMA携帯電話端末向けに
第2世代Othello(R)無線チップ「Othello-3T AD6552」を発表
~デュアルバンドとHSDPAをサポート、コストのかかるSAWフィルタが不要で3G無線回路の設計を簡素化する新しいCMOS RFトランシーバ~
アナログ・デバイセズ社(ニューヨーク証券取引所:ADI)は、Othello(R)ダイレクト・コンバージョン無線回路ファミリーおよび同社の広範囲なTD-SCDMA製品シリーズの最新製品として、「Othello-3T AD6552」を発表しました。Othello-3TAD6552は、3G TD-SCDMA規格向けに特別に設計されたADIの第2世代無線ICで、SoftFone(R)-LCRおよびSoftFone-LCR+を含む、同社のすべてのTD-SCDMAベースバンド・チップセットと補完関係にあります。TD-SCDMA携帯電話向けソリューションのリーディング・サプライヤとしてのADIの実績と評価は、この新製品によりさらに強固なものとなります。
AD6552は、その高い性能が実証されているOthelloダイレクト・コンバージョン・アーキテクチャと新しい低ノイズ・トランスミッタ(送信回路)に基づいています。そのため、通常送信パスで必要とされるSAWフィルタが不要で、3G携帯電話端末の無線回路部分の開発を簡素化し、コストと基盤面積を低減します。受信回路部分は、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)の要件をサポートするエラー・ベクトル量(EVM)性能を提供し、完全に自動化されたDCオフセット・コントロール機能を内蔵しています。AD6552は、電圧制御発振器(VCO)やタンク回路、ループ・フィルタ、パワーマネジメントなど、携帯電話端末の無線回路設計に必要となるあらゆる部品を、実質的にシングル・チップ上に集積しています。これにより、デュアルバンド無線回路の部品点数は、従来のTD-SCDMA向け2チップOthello-Wシングルバンド無線回路に比べて、約40%も削減されます。
ADIは、TD-SCDMA規格向けの完全なチップセット・ソリューションの唯一のシングル・ソース・サプライヤです。同社のチップセットは、中国で過去3年間にわたり行われてきたネットワーク試験運用において、重要な役割を果たしてきました。
現在、商用TD-SCDMAネットワークは中国全土の10都市で展開されています。10都市の人口は計6千万人を超え、英国やフランスの総人口とほぼ同じです。
アナログ・デバイセズ社RFおよびワイヤレス・システム担当ヴァイス・プレジデントのクリスチャン・ケーマレック(Christian Kermarrec)は、次のように述べています。「ADIは、TD-SCDMA向けの完全なソリューションを提供する唯一の企業として、過去数年にわたり、この規格向けに広範囲なソリューション・ポートフォリオを構築してきました。現在、6千万という潜在的な加入者にサービスを提供できるネットワークが構築されつつあり、TD-SCDMAへの関心は、これまで以上に高まっています。Othello-3T AD6552は、当社のTD-SCDMA製品ファミリーに加わった最新製品で、業界でも最も完全で高集積なTD-SCDMA携帯電話端末向けの無線回路です。この最新製品により、端末機メーカーである中国国内企業も世界のOEMメーカーも、製品の市場投入までの時間を短縮し、成長著しい中国の3G市場で有利に事業を展開していけるでしょう」
◆Othello-3Tトランシーバについて
Othello-3T AD6552は、ADIのダイレクト・コンバージョンRFトランシーバ・ファミリーの製品です。Othelloは、初のオープン市場向けダイレクト・コンバージョンGSM無線回路として、1999年に市場投入されました。その後、製品ファミリーは、GPRS、EDGE、W-CDMA、TD-SCDMAなどの新しい規格もサポートするまでに拡大しました。Othelloは、ADIの特許技術による回路設計、アーキテクチャ、そしてシステムに関する専門知識を駆使して開発され、長い間、無線回路設計において問題となっていた自動パワー検出、DCオフセット、VCO位相誤差などを解決しています。現在では、ダイレクト・コンバージョンは、携帯電話端末の無線回路設計に最も適したアプローチとなっています。
Othello-3T AD6552は、これまでのOthello製品ファミリーと同じ特許技術を用いて、CMOSで構築され、TD-SCDMAに基づく携帯電話端末用の完全な送信/受信ソリューションを提供します。受信回路部分には、1900MHzと2000MHz帯をカバーする高性能のシングルエンデッド・低ノイズ・アンプが内蔵されています。ダイレクト・ダウン・コンバージョン直交ミキサーは、オンチップ分数N PLLシンセサイザによって駆動され、ベースバンドのI&Q(同相と直交)信号を、DCオフセットを補正しながら、可変ゲインアンプ(VGA)とプログラマブル・ローパス・フィルタ段に送ります。
送信回路部分は、分数PLLシンセサイザ、高性能VGA、および通常のワイドバンド出力段を駆動する直交変調器、そして、パワーアンプ制御用の真の二乗平均RFパワー検出器とオンチップD/Aコンバータ(DAC)で構成されています。
Othello-3T AD6552は、現在、6mm × 6mmの40ピン・リード・フレーム・チップ・スケール・パッケージでサンプル出荷中です。詳細情報については、ウェブサイトhttp://www.analog.com/jp/othelloをご覧下さい。
◆アナログ・デバイセズについて
アナログ・デバイセズ(ADI)は、技術革新、高性能、そして卓越した技術力を企業文化として継承し、半導体市場において長期にわたり高い成長を示してきました。
ADIは、データ・コンバージョンとシグナル・コンディショニング技術の世界的リーディング企業として業界で高い評価を得ており、あらゆる種類の電子機器分野を取り扱う世界各国60,000社以上の顧客に製品を提供しています。アナログおよびデジタル信号処理アプリケーションに用いられる高性能集積回路の世界的なリーディング・メーカーとして、40年以上の歴史を誇るADIは、本社をマサチューセッツ州ノーウッドに構え、全世界で約8,900人の従業員を擁します。製造工場は、マサチューセッツ、カリフォルニア、ノース・カロライナ、アイルランド、フィリピンにあります。アナログ・デバイセズはニューヨーク証券取引所に上場しており(ティッカ-:ADI)、ADIはS&P 500インデックスに挙げられています。
※OthelloおよびSoftFoneはアナログ・デバイセズ社の登録商標です。ここに挙げた商標はすべてそれぞれの所有者の財産です。
【 製品に関する読者からのお問い合わせ先 】
ワイヤレス・ハンドセット・セグメント・マーケティング・グループ
電話03-5402-8129