ポーラ、疲れ目によるクマの悪化を調査で確認
疲れ目でクマ悪化
ポーラ研究所の調査で、パソコン作業などにより目を使うことで、一時的に目周辺の肌の色が暗くなることを発見しました。また、アンケートを実施した結果、実際に多くの女性が目の下のクマが長期的な老化だけでなく、短期的な「目の疲れ」によっても引き起こされると感じていることがわかりました。この原因として、目周辺の肌の色が暗くなることでクマが悪化したと認識していると考えられます。
女性631名に目元の悩みに関するアンケートを実施したところ、目元の悩みの原因が「疲れ目」だと考えている方が、1位の「老化」に次いで2番目に多かったという興味深い結果が得られました。そこで、目に負荷をかけ、その前後で目の周りの皮膚の色にどのような変化がみられるのか測定を行いました。
◆ 調査その1
~目元の悩みに対する消費者意識調査~
方法
20~59歳の女性、合計631名の女性を対象に目元の悩みに関するアンケートを実施しました。
結果
「最も気になる目元の悩み」の第1位(27.5%)として「目の下のクマ」があがり、多くの女性がクマに悩んでいることがわかりました。
また、「気になっている目元の悩みの原因」は何だとおもいますか? という質問に対して、第1位(34.2%)は「老化」でしたが、第2位(20.1%)が「疲れ目」という結果が得られました。
従来疲れ目は視機能に由来するものとされ、皮膚との関係についてはほとんど研究されたことが無く、興味深い結果となりました。
◆ 調査その2
~“ 調査その1”より疲れ目と皮膚との関係調査パソコン作業前後での眼下部の測定~
方法
(1) 実験概要 被験者に単純なパソコン作業を30分間行わせ、その前後で目周辺の肌に起こる変化を捉えた。
(2) 実験対象 女性20名
(3) 肌測定の対象部位 被験者左の眼下部
(4) 疲れ目状態の測定方法および群分けの基準 浜松ホトニクス社製近見反応測定装置(トライイリスC9000)を用いて、ピント調節機能が低下し、疲れ目状態になっていると判断される測定値(D値)の前後での差が-0.5以下の被験者を疲れ目群、それ以外の被験者を非疲れ目群として群分けを行いました。
(5) 肌の明るさの測定方法 ミノルタ社製分光測色計(CM-2002)を用いて対象部位の皮膚反射スペクトルを計測し、そのスペクトルから算出したL(*)値を肌の明るさと定義しました。
結果
30分間のパソコン作業の前後において、疲れ目群については肌の明るさが有意に低下することがわかりました。これに対して、非疲れ目群について有意差はみられませんでした。
*関連資料「図:作業前後での肌の明るさ変化」 参照
考察
アンケート結果によって、多くの女性が目の下のクマが長期的な老化だけでなく、短期的な「眼の疲れ」によっても引き起こされると感じていることが判明しましたが、本実験により、実際にパソコン作業によって「疲れ目状態」になっている女性は有意に目の下明るさが低下することが確認され、女性はこれをクマが悪化したと認識している事が示唆されました。
皮膚表面付近の毛細血管の血液停滞など、いくつかの原因は考えられますが、クマに対しては従来のスキンケアだけでなく、休養や食生活の改善、サプリメントの利用等により、疲れ目を予防・改善することも効果的であると考えられます。