東レ・ダウコーニング、自動車の静音化狙う常温硬化タイプの乾燥潤滑剤を発売
自動車用途に特化した「きしみ音」軽減・防止潤滑剤
モリコート(R) D-96 AFコーティングを8月上旬発売
~ ドアパネルなどのきしみ音を抑え、自動車の静音化に貢献 ~
東レ・ダウコーニング株式会社は、自動車のドアパネル、アームレスト、ダッシュボードなどのプラスチック部品、および皮革用品のきしみ音を軽減・防止する常温硬化タイプの乾燥潤滑剤、モリコート(R) D-96 AFコーティングを、8月上旬から発売する。自動車向けに開発された、きしみ防止のための潤滑剤は、当社としては初めての製品であり、コストを抑えながら自動車の静音化に貢献することが可能である。
また、本製品は常温で硬化し、簡易に使用できるため、事務機器や、建築の内装パネルのきしみ防止・軽減にも利用可能である。
■背景 ~自動車の居住性向上の要望が高まる~
近年、自動車には、車内の居住性向上が求められており、NVH(騒音-Noise、振動-Vibration、不快な音-Harshness)と呼ばれる項目が、設計時に重視されている。
このため、走行時の車内のきしみ音を低減させることも重要な課題であった。従来、こうした音を防止するため、フエルトのテープなどが使われていたが、作業工数が増え、コストアップの要因にもなっていた。
一方、本製品はスプレーやハケで簡単に塗布することができ、乾燥後は透明な被膜となるため、作業が簡単でコストを抑えることが可能である。
■特長
・低摩擦係数:
摩擦係数を下げるだけでなく、静摩擦と動摩擦の差が少なく、スティックスリップ※1を抑え、きしみ音防止に効果的(測定データ参照)。
・水性:
溶剤の含有量が少ないため、プラスチックや皮革など塗布対象を選ばず、また水で希釈可能。
・常温硬化:
23℃の場合10~15分で乾燥、120分で硬化。
・透明被膜:
硬化後は透明被膜となるため、内装部品に使用可能。
※1 スティックスリップ:摩擦振動。物体がある面上で滑ったり、引っ掛かったりを繰り返す現象。
■参考:ドアパネル部品での摩擦係数の測定データ(当社測定データ)
(※ 関連資料を参照してください。)
本製品を使用することにより、摩擦係数の絶対値が下がるだけでなく、静摩擦と動摩擦の差が少なくなっていることが分かる。これによりスティックスリップを軽減することができる。